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四「Sさん」
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四「Sさん」
世界はじつに上手くできている
宮内が「最後に紹介する三人目のSさんです。
私が彼の著書を読で、ネットで検索してると札幌での講演会が告知されていて出席しました。
その時が初対面でした。 Sさんは現在四十歳ぐらいの男性です。
札幌での講演会に四回行きました。
講演の内容は宇宙のこと、地球の歴史やそれに関わる偉人のお話しです。
後半は日本の神社をまわった時のお清めや封印解きの話しなど神道系の話しが多かったですね」
森田が「Sさんは、神主さんとは違うんですよね?」
「そう、神社の話しになると神主さんのような話しになるけど、仏教もキリスト教の話しもします。
行き着いた人は宗教へのこだわりはそんなにないように思います。
じぶんの前世の記憶にあることは鮮明に正確に説明しますし、
既存の宗教の信者さんが方が聞くと、耳を覆いたくなるような裏話しもしてました……
基本、彼は人間の心のあり方などあまり話しませんでした。
聞いたら答えてくれたとは思いますが、質問する人も少ないように思いました。
彼はそういう役目で生まれたのではないと自覚していたと思います。
そのへんが前者の二人と違うところだと思います。
性格的には温厚です。 というか三人とも温厚ですけどね。
覚醒するとそうなるようですね。 大体そんなところでしょうか……」
大越が「エピソードてきな話しはありませんか?」
「ええ、講演会は一方的なお話ですし、飲み会も各自個人的な質問が多いので、
いろんな話しは耳に入りましたが、他人のことなので忘れました」
大越が「では質問を変えます。 宮内さんはお三方の覚者と出会われたわけですけど
率直なところどう感じました?」
「どうというと? 質問の意味が……?」
「三人をひと言で表現すると、といいたかったのすみませんです」
「そうですね、あくまで私個人の見解ですけど……
Ryoさんは真の自由人ですかね、覚者は自由人ですけど、
みんな家族や組織を持ったり、どこか俗世に足を着けてる感がありますが、
彼は自由と感じます。 無責任という意味ではなく囚われないという意味です。
iさんはスピリチュアルの天才でしょうか……制限がありません。
企業人でもありチャネラーでもあり、ヒーラーでもあります。
世が世ならひとつの教団、いや新宗教を創設しているでしょうね。
本人は宗教大嫌いですけど……
Sさんはお清めと祈りの人でしょうか……!
つまり、三人三様で比較にはなりませんが、共通してるのは制限のない
自由人でしょうかね! お三方ともこの世を楽しんでます。 素敵です」
森田が「そういう宮内さんもお三方を見極めた目を持ってられますから、
私たちから見ると凄いと思いますけど」
「見性経験が二度ほどあったのと、どこにも属さないのでニュートラルな
偏りのない目を持ってるのかもしれません。
でも、お三方のほんの一部しか理解出来ていてないと思います。
何度も云いますがRyoさん、iさん、Sさんはあくまでも、わたくし宮内から見た三人です。
わたしの見解にすぎません。
例えば、覚者が人間。 一般我々が猿。
と例えたなら、人間の世界観を理解できていない猿が批評するのはおこがましい話しです」
大越が「いや貴重なお話しでした。 我々は悟りを開いた人間は宗教者のように
長年修行を積んだお坊さんや、行者のさん達の話しだと思っておりました。
でも、宗教者以外でも覚者は居るんだということを読者に知らせたいと今は思っております。
それだけでも宮内さんのお話は本当に参考になりました」
宮内が「昔と違い現代は宗教者以外の方のほうが、わたし的に興味ある
存在が多くいると思いますけど。
わたしは縁の深い方としかお会いしたまでですが、ネットを観るとすばらしい方は
他にもおられますよ、これも今の時代でしょうか?」
「時代といいますと……?」
「はい、もう既成の宗教等にこだわる時代ではないということです。
ある意味、宗教は時の権力と手を組んだ合法的な力です。
地球の歴史が物語ってます。
残念ですが事実。もうそのような時代ではありません。
映画では『インセプションやメッセージ』など既成概念では理解しがたい
内容のものなども多くあります。
本ではリチャードバックのONEのようなパラレル・ワールド(平行世界)を題材にしたものなども
昔からありました。
宮内が「最近『メッセージ』というハリウッド映画を劇場で観てきました。
現代の時間という概念のあり方を覆す映画でした。
今まで時間という概念は規則正しく移り変わるものという認識。
でもこの映画は、時間の概念を壊すというか、ズバリ時間は無いという捉え方です。
映画に出てくる宇宙の存在が、地球人に向け、
文字か文様の様な筆書体で書いたような仮に文字としましょう。
それがギリシャ文字のような『φ』のような形なんですね。
それを解釈するために言語学者の女性が政府から頼まれるの。
解読し続けるうちに解ったことがあるの。 地球人類へのメッセージであったこと。
主人公が現実として受け取っていた過去が、実は未来だったという。
この映画のいう本来時間は存在しない。 時間という存在しないものへの錯覚。
それを表現した映画です。 押しつけがましい結論ではなく、
観た側が自由に解釈して下さいというつくりになってると思うのね。
わたし的には感動というか、このストーリーを取り上げた映画監督も面白い存在だなという印象でした。
原作者のテッド・チャンさんという中国の方は、今から十八年も前に
この時間の概念を小説にして表現してるの。 立派です。
なんの分野でも変革の時期に入ったと思います。
たぶん地球規模のルネッサンス、いや、それをはるかに超える変革だと思います。
わたしも、古い衣を脱ぎ捨てることが出来るように努力をします。
話しが脱線したようですごめんなさい。 気をつけて東京にお帰りください。
昨日は素敵なビールを味わいました。 ありがとうございます」
大越が「昨日・今日の話しをどこまで文字にできるか解りませんが、わたし的にも
素敵な時間を共有できたことに感謝しております。
宮内さんとの会話から、わたし自身、新たな発見もありました。 本当にありがとございました」
宮内はホテルを後にした。
森田が「今回は、興味深い取材でしたね」
「ええそうね、で、ひとつ聞いておきたいことがあるんだけど、彼女のこと、どこで知ったの?」
「じつは、彼女ネットで自分の小説をUPしてるんですね。
彼女は『スピリチュアル小説』と表現してます。
興味ある内容なので家のPCのお気に入りに登録してたまに作品を読んでいます。
バラエティーで奇想天外なストーリなんですね、編集力に欠けていて、
文章はハッキリ言って中高生並です。
でも、内容はとても興味深く面白いと思います。
今回会って話を聞いてみて実感したんですけど、
小説にある内容は彼女の実体験もあるみたいですね……
なによりも面白いのが、彼女は小説に興味ないことなんです。
小説は年に一冊も読まないようです。 彼女の文章を見ればうなずけますけどね、
彼女がある時ネット検索しようとPCのキーボードに手を置いたら、
突然何かを書いてみたい…… という衝動にかられたらしいんです。
さっそく一太郎を立ち上げたそうです。
立ち上げてすぐに『不思議な黒石』っていう小説があるんですけど、
その文章が心の奥から沸いてきたようです。
頭に、書きたいストーリーがあって書いたのではなく、
刹那的に沸いてくるストーリーをキーボードで叩くという感じみたいです。
家族の人は『なにかに取り憑かれたようにキーボードを叩いている』といってるそうです。
ちなみに一冊の小説を書くのに一日4時間で4日間ほどらしいです。
PCから離れると、文章を書くということはないといってました。
どうもキーボードを前にするとどこかのスイッチが入るみたいです。
そして気がついたら数ヶ月で十数冊の作品が出来ていたといってました。
ある時、小説の書き方について気がついたことがあるようなんです。
小説の主人公が地獄に時限移動した設定らしいのです。
その地獄の様相を書いていたら、宮内さん本人も嫌な臭いがして、
気分が暗くなってきて憂鬱になってしまったといってました。
またその逆に、天界の様相を書いている時は、
ワクワク気分でとってもハッピーな感じがしたと表現してました。
いちど、自分の頭で考えた小説を書いてみたらしいの、
そしたら文章がくどくなって、文字数も多く理屈っぽくなったから辞めたと言ってました」
話し途中、大越の目が徐々に険しくなっってきた。
気がついた森田が「あの~う、わたしなにか気に触ることいいました?」
「あのさっ! なんで前もって私に教えてくれなかったのよ!
それも大事なポイントでしょうが!
こういう事はこれからもあることだけど、私たちのような仕事に携わる人間には
大事なことがあるの。
今回のように取材対象がRyoさんのように、この世にもう存在しない人の場合は
その人を判断する上で、まず大事なことは、誰がRyoさんを語るかによるの。
Ryoさんを単純に恋愛相談かなにかで会ったことがある人。
そういう方が語るRyoさん。 宮内さんのような真っ向から精神世界と
取り組んでる人の語るRyoさんでは、既にRyoさんに大きな違いがあるのよ。 解る……?」
「……?」
「簡単にいうと、誰が語るかで三人の重さが変わってくるの」
「事前に宮内さんのことを話しておくべきだったってこと?」
「そう、それによって、わたしの判断基準はまず先に、宮内さんを観ることから入るのね、
そしてその宮内さんの話す三人の評価も変わるからなの」
「そのへんが?…… 申し訳ありません」
「そうね、例えば、日本最大の宗教団体のFK会のFK教祖を盲信してる信者さんに、
FK会のことを取材し、そのまま鵜呑みにして記事が書ける?」
「できません」
「なんで、できない?」
「FK教祖を盲信してるひとだからです。
盲信ということは、考えが偏ってる可能性があるからです」
「そう、そこなのよ、誰が語るFK教なのか、その誰かが大事なの。
今回も、宮内さんを事前に私が知り判断していたら、
札幌まで経費をかけて来なくても済んだかもしれないでしょ。
今回の宮内さんは札幌に来て正解だったけどね、
でも、彼女の小説を読んでいたら聴き方が大きく変わっていたと思うよ。
その小説はどこからきて、誰の影響を受けたの
か? なんのために書いたのか?
でしょっ、聞きたいことはまだあるでしょ。
今、いったことはこれからも、とっても大事なことなの、とくにネット社会は情報が氾濫してるから、
油断すると労力の浪費になるの、覚えておいてね」
「はい、解りました」
「で、さっきの宮内さんの小説の話しをもう少し話してちょうだ」
「はい、彼女の作品はずばり、スピリチュアルな内容が基本です。
決して、説教じみた内容ではなく、カタ乳で霊能力のある水商売のオネエが出てきたり、
悟りを開いた猫、妖精も登場しますし、動物と会話の出来る女の子やなど、
面白いキャラが沢山登場します。
読んでいて飽きない内容です。
それで、私とのやりとりで、彼女に大きく影響を与えたと思われる三人の覚者の存在が明らかになったのです。 その時、SANGAの編集会議が行われ、思い切って提案してみたんです」
「うん、大体流れが読めた。 でも時間があれば小説の事も取材してみたかったよ。
取り上げるかどうかは解らないけど」
「言葉足らずで済みません」
「まっ、しかたないか、時間がなかったから私も配慮が足らなかった。
飛行機のフライトまで時間があるから、またビアガーデンで一杯やろっか。
今日は経費出ないから、私のおごりでどう?」
二人は満面の笑みで「さんせ~~い」
「よし、決定!行こう」
世界はじつに上手くできている
宮内が「最後に紹介する三人目のSさんです。
私が彼の著書を読で、ネットで検索してると札幌での講演会が告知されていて出席しました。
その時が初対面でした。 Sさんは現在四十歳ぐらいの男性です。
札幌での講演会に四回行きました。
講演の内容は宇宙のこと、地球の歴史やそれに関わる偉人のお話しです。
後半は日本の神社をまわった時のお清めや封印解きの話しなど神道系の話しが多かったですね」
森田が「Sさんは、神主さんとは違うんですよね?」
「そう、神社の話しになると神主さんのような話しになるけど、仏教もキリスト教の話しもします。
行き着いた人は宗教へのこだわりはそんなにないように思います。
じぶんの前世の記憶にあることは鮮明に正確に説明しますし、
既存の宗教の信者さんが方が聞くと、耳を覆いたくなるような裏話しもしてました……
基本、彼は人間の心のあり方などあまり話しませんでした。
聞いたら答えてくれたとは思いますが、質問する人も少ないように思いました。
彼はそういう役目で生まれたのではないと自覚していたと思います。
そのへんが前者の二人と違うところだと思います。
性格的には温厚です。 というか三人とも温厚ですけどね。
覚醒するとそうなるようですね。 大体そんなところでしょうか……」
大越が「エピソードてきな話しはありませんか?」
「ええ、講演会は一方的なお話ですし、飲み会も各自個人的な質問が多いので、
いろんな話しは耳に入りましたが、他人のことなので忘れました」
大越が「では質問を変えます。 宮内さんはお三方の覚者と出会われたわけですけど
率直なところどう感じました?」
「どうというと? 質問の意味が……?」
「三人をひと言で表現すると、といいたかったのすみませんです」
「そうですね、あくまで私個人の見解ですけど……
Ryoさんは真の自由人ですかね、覚者は自由人ですけど、
みんな家族や組織を持ったり、どこか俗世に足を着けてる感がありますが、
彼は自由と感じます。 無責任という意味ではなく囚われないという意味です。
iさんはスピリチュアルの天才でしょうか……制限がありません。
企業人でもありチャネラーでもあり、ヒーラーでもあります。
世が世ならひとつの教団、いや新宗教を創設しているでしょうね。
本人は宗教大嫌いですけど……
Sさんはお清めと祈りの人でしょうか……!
つまり、三人三様で比較にはなりませんが、共通してるのは制限のない
自由人でしょうかね! お三方ともこの世を楽しんでます。 素敵です」
森田が「そういう宮内さんもお三方を見極めた目を持ってられますから、
私たちから見ると凄いと思いますけど」
「見性経験が二度ほどあったのと、どこにも属さないのでニュートラルな
偏りのない目を持ってるのかもしれません。
でも、お三方のほんの一部しか理解出来ていてないと思います。
何度も云いますがRyoさん、iさん、Sさんはあくまでも、わたくし宮内から見た三人です。
わたしの見解にすぎません。
例えば、覚者が人間。 一般我々が猿。
と例えたなら、人間の世界観を理解できていない猿が批評するのはおこがましい話しです」
大越が「いや貴重なお話しでした。 我々は悟りを開いた人間は宗教者のように
長年修行を積んだお坊さんや、行者のさん達の話しだと思っておりました。
でも、宗教者以外でも覚者は居るんだということを読者に知らせたいと今は思っております。
それだけでも宮内さんのお話は本当に参考になりました」
宮内が「昔と違い現代は宗教者以外の方のほうが、わたし的に興味ある
存在が多くいると思いますけど。
わたしは縁の深い方としかお会いしたまでですが、ネットを観るとすばらしい方は
他にもおられますよ、これも今の時代でしょうか?」
「時代といいますと……?」
「はい、もう既成の宗教等にこだわる時代ではないということです。
ある意味、宗教は時の権力と手を組んだ合法的な力です。
地球の歴史が物語ってます。
残念ですが事実。もうそのような時代ではありません。
映画では『インセプションやメッセージ』など既成概念では理解しがたい
内容のものなども多くあります。
本ではリチャードバックのONEのようなパラレル・ワールド(平行世界)を題材にしたものなども
昔からありました。
宮内が「最近『メッセージ』というハリウッド映画を劇場で観てきました。
現代の時間という概念のあり方を覆す映画でした。
今まで時間という概念は規則正しく移り変わるものという認識。
でもこの映画は、時間の概念を壊すというか、ズバリ時間は無いという捉え方です。
映画に出てくる宇宙の存在が、地球人に向け、
文字か文様の様な筆書体で書いたような仮に文字としましょう。
それがギリシャ文字のような『φ』のような形なんですね。
それを解釈するために言語学者の女性が政府から頼まれるの。
解読し続けるうちに解ったことがあるの。 地球人類へのメッセージであったこと。
主人公が現実として受け取っていた過去が、実は未来だったという。
この映画のいう本来時間は存在しない。 時間という存在しないものへの錯覚。
それを表現した映画です。 押しつけがましい結論ではなく、
観た側が自由に解釈して下さいというつくりになってると思うのね。
わたし的には感動というか、このストーリーを取り上げた映画監督も面白い存在だなという印象でした。
原作者のテッド・チャンさんという中国の方は、今から十八年も前に
この時間の概念を小説にして表現してるの。 立派です。
なんの分野でも変革の時期に入ったと思います。
たぶん地球規模のルネッサンス、いや、それをはるかに超える変革だと思います。
わたしも、古い衣を脱ぎ捨てることが出来るように努力をします。
話しが脱線したようですごめんなさい。 気をつけて東京にお帰りください。
昨日は素敵なビールを味わいました。 ありがとうございます」
大越が「昨日・今日の話しをどこまで文字にできるか解りませんが、わたし的にも
素敵な時間を共有できたことに感謝しております。
宮内さんとの会話から、わたし自身、新たな発見もありました。 本当にありがとございました」
宮内はホテルを後にした。
森田が「今回は、興味深い取材でしたね」
「ええそうね、で、ひとつ聞いておきたいことがあるんだけど、彼女のこと、どこで知ったの?」
「じつは、彼女ネットで自分の小説をUPしてるんですね。
彼女は『スピリチュアル小説』と表現してます。
興味ある内容なので家のPCのお気に入りに登録してたまに作品を読んでいます。
バラエティーで奇想天外なストーリなんですね、編集力に欠けていて、
文章はハッキリ言って中高生並です。
でも、内容はとても興味深く面白いと思います。
今回会って話を聞いてみて実感したんですけど、
小説にある内容は彼女の実体験もあるみたいですね……
なによりも面白いのが、彼女は小説に興味ないことなんです。
小説は年に一冊も読まないようです。 彼女の文章を見ればうなずけますけどね、
彼女がある時ネット検索しようとPCのキーボードに手を置いたら、
突然何かを書いてみたい…… という衝動にかられたらしいんです。
さっそく一太郎を立ち上げたそうです。
立ち上げてすぐに『不思議な黒石』っていう小説があるんですけど、
その文章が心の奥から沸いてきたようです。
頭に、書きたいストーリーがあって書いたのではなく、
刹那的に沸いてくるストーリーをキーボードで叩くという感じみたいです。
家族の人は『なにかに取り憑かれたようにキーボードを叩いている』といってるそうです。
ちなみに一冊の小説を書くのに一日4時間で4日間ほどらしいです。
PCから離れると、文章を書くということはないといってました。
どうもキーボードを前にするとどこかのスイッチが入るみたいです。
そして気がついたら数ヶ月で十数冊の作品が出来ていたといってました。
ある時、小説の書き方について気がついたことがあるようなんです。
小説の主人公が地獄に時限移動した設定らしいのです。
その地獄の様相を書いていたら、宮内さん本人も嫌な臭いがして、
気分が暗くなってきて憂鬱になってしまったといってました。
またその逆に、天界の様相を書いている時は、
ワクワク気分でとってもハッピーな感じがしたと表現してました。
いちど、自分の頭で考えた小説を書いてみたらしいの、
そしたら文章がくどくなって、文字数も多く理屈っぽくなったから辞めたと言ってました」
話し途中、大越の目が徐々に険しくなっってきた。
気がついた森田が「あの~う、わたしなにか気に触ることいいました?」
「あのさっ! なんで前もって私に教えてくれなかったのよ!
それも大事なポイントでしょうが!
こういう事はこれからもあることだけど、私たちのような仕事に携わる人間には
大事なことがあるの。
今回のように取材対象がRyoさんのように、この世にもう存在しない人の場合は
その人を判断する上で、まず大事なことは、誰がRyoさんを語るかによるの。
Ryoさんを単純に恋愛相談かなにかで会ったことがある人。
そういう方が語るRyoさん。 宮内さんのような真っ向から精神世界と
取り組んでる人の語るRyoさんでは、既にRyoさんに大きな違いがあるのよ。 解る……?」
「……?」
「簡単にいうと、誰が語るかで三人の重さが変わってくるの」
「事前に宮内さんのことを話しておくべきだったってこと?」
「そう、それによって、わたしの判断基準はまず先に、宮内さんを観ることから入るのね、
そしてその宮内さんの話す三人の評価も変わるからなの」
「そのへんが?…… 申し訳ありません」
「そうね、例えば、日本最大の宗教団体のFK会のFK教祖を盲信してる信者さんに、
FK会のことを取材し、そのまま鵜呑みにして記事が書ける?」
「できません」
「なんで、できない?」
「FK教祖を盲信してるひとだからです。
盲信ということは、考えが偏ってる可能性があるからです」
「そう、そこなのよ、誰が語るFK教なのか、その誰かが大事なの。
今回も、宮内さんを事前に私が知り判断していたら、
札幌まで経費をかけて来なくても済んだかもしれないでしょ。
今回の宮内さんは札幌に来て正解だったけどね、
でも、彼女の小説を読んでいたら聴き方が大きく変わっていたと思うよ。
その小説はどこからきて、誰の影響を受けたの
か? なんのために書いたのか?
でしょっ、聞きたいことはまだあるでしょ。
今、いったことはこれからも、とっても大事なことなの、とくにネット社会は情報が氾濫してるから、
油断すると労力の浪費になるの、覚えておいてね」
「はい、解りました」
「で、さっきの宮内さんの小説の話しをもう少し話してちょうだ」
「はい、彼女の作品はずばり、スピリチュアルな内容が基本です。
決して、説教じみた内容ではなく、カタ乳で霊能力のある水商売のオネエが出てきたり、
悟りを開いた猫、妖精も登場しますし、動物と会話の出来る女の子やなど、
面白いキャラが沢山登場します。
読んでいて飽きない内容です。
それで、私とのやりとりで、彼女に大きく影響を与えたと思われる三人の覚者の存在が明らかになったのです。 その時、SANGAの編集会議が行われ、思い切って提案してみたんです」
「うん、大体流れが読めた。 でも時間があれば小説の事も取材してみたかったよ。
取り上げるかどうかは解らないけど」
「言葉足らずで済みません」
「まっ、しかたないか、時間がなかったから私も配慮が足らなかった。
飛行機のフライトまで時間があるから、またビアガーデンで一杯やろっか。
今日は経費出ないから、私のおごりでどう?」
二人は満面の笑みで「さんせ~~い」
「よし、決定!行こう」
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