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第三部「運命(さだめ)の愛」
第五話
兵部少輔は初音のくちびるを捉えながら、帯紐を一気に解いた。
帯が緩めば、すかさずその下の紐を解いて、着物を襦袢ごと押し広げた。
あらわれた乳房を手のひらに包んで揉みしだく。みるみるうちに、その先端が硬く尖っていく。其処に触れられるたびに、初音にびりっとした痛みが走った。
思わず漏れ出そうになる甘い吐息を、必死で堪える。
「……初音、おまえの甘い声が聞きたい」
おもむろに、兵部少輔がぱくっとその先端を咥えた。そして、ちろちろと、舌先で突っつく。
「ぁあ……っ」
初音の身体が、びくりっ、と跳ね上がった。
兵部少輔の手のひらが船頭となって、続いてその指が、くちびるが、初音の身体のすみずみまで這っていく。
跳ね上げられた腰巻の奥が、生まれて初めてじっとりと湿っていき、やがて溢れんばかりになる。そして、兵部少輔の思うままにその節立った指を一本、二本と次々と呑み込んでいく。
声など、もう堪えられるはずがなかった。
さらに、兵部少輔によって初音のだれにも開かれたことのない脚が、あられもなく左右に押し広げられる。
その直後、挿し込まれる重さと、そして加わる痛みに耐えかねて、初音の背中がしなる。
先刻までの甘い吐息が、唸り声になっていた。
「……初音、痛いか……もう少しで、全部挿入るからな」
今度は兵部少輔の方が、甘い声になっていた。初音の両目から溢れる涙を、舌でぺろりと掬ってやる。
——初音は、生まれて初めて……
「仕合わせ」というものを肌身で思い知った。
その夜、奥方が産んだのは娘であった。その報を聞いて、御屋敷じゅうが消沈した。
しかし、ただ一人だけ、満足している者がいた。
——娘の父親であるはずの兵部少輔だった。
嫡子となる男子を産むのは、初音をおいて他にいない、と思っているからだ。
゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜
その日以来、父親が往診で翌日まで帰ってこないときを見計らって、兵部少輔が人目を忍んでやって来て、初音と逢瀬を重ねるようになった。
兵部少輔はかような、こそこそした形で初音を扱いたくなかった。
自身の母親も、途中で正室を引き継いで継室に直されたとはいえ、初めは側室にさえしてもらえず、その関係は何年もの間秘められていたからだ。
長じた自分も、それと同じことをしているのかと思うと、今は亡き母に申し訳が立たなくて辛かった。
だから、ことあるごとに、正室にはできないが、二親とも武家の出である初音は文句なく側室として迎えられるから、屋敷に来てくれと云うのだが、初音は頑として受け入れなかった。
大名家の血をひく正室は疳がきつく、思い通りにならぬときは癇癪を起こして、それが高じると引きつけを起こすと聞いている。
妻妾同居となれば、どんなふうになるか気が知れなかった。
今の暮らしでは、兵部少輔がいつ訪れてくれるかわからず、時折どうしようもない不安に襲われることもあるが、それでも初音は「仕合わせ」だった。
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