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第10章 アレサレム戦争編
161話 イライラします!
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「では、向かうとしましょう。
アレサレム王国の闇を暴きに」
ふっ、決まりましたね。
しかし、確かにさっきのイヴのセリフの引用ですけど……
「誰も聞いてませんね……」
そうですか。
そんなに無限収納から取り出した魔導車が気になりますか。
「これって、車だよね?」
「えぇ、そうですけど何か?
現代知識と魔法知識を融合して作り出した魔導車ですけど?」
勇者くん達は知ってるのだから、一々聞かないで欲しいです。
何処からどう見ても車でしょうに。
まぁ今回出したのはバスですけど。
「えっと……」
「拗ねてる、エルも可愛い」
「拗ねてませんっ!」
まったく、僕がこの程度の事で拗ねたりなんてする訳無いじゃないですか。
まぁでも、皆んなに連絡しておきましょう。
別に目立ちたい訳じゃ無いですけど、ここまで良いところ無しですからね。
ショータイムは王城に着いてからのお楽しみですっ!!
「そんなに見つめて無いで、早く乗って下さい」
連れて行くのは十剣の皆んなと勇者達とアレサレム王国軍の将校さん達だけで十分ですね、多分。
まぁもしダメならコレールに転移で連れて来てもらうとしましょう。
「フフフ、不貞腐れてるの? エル可愛い」
「だから、そんなんじゃありません」
「ん、そうだね。
吾は、わかってる、わかってる」
隣の席に座って子供をあやすみたいにフェルが頭を撫でて来ます。
くっ! 不本意ですけど気持ちいい……眠たくなって来ました。
これは非常にまずいですね。
王都は広いとは言え、この魔導車を使えば10分も掛からずに到着するでしょうし。
ここで寝てしまう訳には……
「うぅ、ダメです。
睡魔がぁ……くっ、またしても僕を追い詰めますか……」
「ん、じゃあ、寝ればいい。
この様子だと、城まで暫くかかる」
言われてみれば、速度が遅すぎますね。
最高速度でいえば数百キロは出るはずなのに……
「原因は、あれ」
そう言ってフェルがカーテンをめくると……そこにはパレードでも見ているように、魔導車の周りに侍る野次馬達。
考えてみれば、アレサレム王国の人は魔導車を初めて見る訳ですし、こうなる事は当然ですね。
帝国ではリーヴ商会を介してそれなりに普及し始めているので失念してました。
「なるほど……じゃあ、ちょっと寝るとしましょうか」
*
「むぅ……眠いです」
せっかくお昼寝できると思ったのに……
僕が寝てから僅か数分後に同盟軍が入って来て、僕達が乗ってるバスを先導したらしく。
お陰で結局は殆ど寝れませんでした。
「あ、あの……」
「何か?」
さっきからイライラが止まりません。
こんな事なら寝なかったのに……睡眠不足ですね、目がしょぼしょぼします。
「い、いえ、何でもないです」
何なんですか?
何でも無いのなら一々話しかけないで貰いたいです。
あぁ、ヤバイですね。
今、あの忌々しい国王の顔を見たら反射的にやっちゃうかもしれないですね……
「勇者、辞めた方がいい。
エルは、お昼寝を邪魔されて、ご機嫌斜め」
失礼ですね。
まぁ確かにイライラはしてますけど、お昼寝を中断された程度でここまでイラつくほど、子供じゃありません。
「フェル」
「ん、分かってる」
この王城に蔓延る負の気配。
恐怖とそれを遥かに凌駕する屈辱と怒りの念。
召喚された時は気が付きませんでしたが、これ程の怨念……
「ここまで、殺意が湧いたのは初めてです」
溢れ出そうになる殺意と魔力を理性で押さえ込み、この国の闇を隠すかの様に絢爛華麗な装飾が施された巨大な扉を押し開いた。
アレサレム王国の闇を暴きに」
ふっ、決まりましたね。
しかし、確かにさっきのイヴのセリフの引用ですけど……
「誰も聞いてませんね……」
そうですか。
そんなに無限収納から取り出した魔導車が気になりますか。
「これって、車だよね?」
「えぇ、そうですけど何か?
現代知識と魔法知識を融合して作り出した魔導車ですけど?」
勇者くん達は知ってるのだから、一々聞かないで欲しいです。
何処からどう見ても車でしょうに。
まぁ今回出したのはバスですけど。
「えっと……」
「拗ねてる、エルも可愛い」
「拗ねてませんっ!」
まったく、僕がこの程度の事で拗ねたりなんてする訳無いじゃないですか。
まぁでも、皆んなに連絡しておきましょう。
別に目立ちたい訳じゃ無いですけど、ここまで良いところ無しですからね。
ショータイムは王城に着いてからのお楽しみですっ!!
「そんなに見つめて無いで、早く乗って下さい」
連れて行くのは十剣の皆んなと勇者達とアレサレム王国軍の将校さん達だけで十分ですね、多分。
まぁもしダメならコレールに転移で連れて来てもらうとしましょう。
「フフフ、不貞腐れてるの? エル可愛い」
「だから、そんなんじゃありません」
「ん、そうだね。
吾は、わかってる、わかってる」
隣の席に座って子供をあやすみたいにフェルが頭を撫でて来ます。
くっ! 不本意ですけど気持ちいい……眠たくなって来ました。
これは非常にまずいですね。
王都は広いとは言え、この魔導車を使えば10分も掛からずに到着するでしょうし。
ここで寝てしまう訳には……
「うぅ、ダメです。
睡魔がぁ……くっ、またしても僕を追い詰めますか……」
「ん、じゃあ、寝ればいい。
この様子だと、城まで暫くかかる」
言われてみれば、速度が遅すぎますね。
最高速度でいえば数百キロは出るはずなのに……
「原因は、あれ」
そう言ってフェルがカーテンをめくると……そこにはパレードでも見ているように、魔導車の周りに侍る野次馬達。
考えてみれば、アレサレム王国の人は魔導車を初めて見る訳ですし、こうなる事は当然ですね。
帝国ではリーヴ商会を介してそれなりに普及し始めているので失念してました。
「なるほど……じゃあ、ちょっと寝るとしましょうか」
*
「むぅ……眠いです」
せっかくお昼寝できると思ったのに……
僕が寝てから僅か数分後に同盟軍が入って来て、僕達が乗ってるバスを先導したらしく。
お陰で結局は殆ど寝れませんでした。
「あ、あの……」
「何か?」
さっきからイライラが止まりません。
こんな事なら寝なかったのに……睡眠不足ですね、目がしょぼしょぼします。
「い、いえ、何でもないです」
何なんですか?
何でも無いのなら一々話しかけないで貰いたいです。
あぁ、ヤバイですね。
今、あの忌々しい国王の顔を見たら反射的にやっちゃうかもしれないですね……
「勇者、辞めた方がいい。
エルは、お昼寝を邪魔されて、ご機嫌斜め」
失礼ですね。
まぁ確かにイライラはしてますけど、お昼寝を中断された程度でここまでイラつくほど、子供じゃありません。
「フェル」
「ん、分かってる」
この王城に蔓延る負の気配。
恐怖とそれを遥かに凌駕する屈辱と怒りの念。
召喚された時は気が付きませんでしたが、これ程の怨念……
「ここまで、殺意が湧いたのは初めてです」
溢れ出そうになる殺意と魔力を理性で押さえ込み、この国の闇を隠すかの様に絢爛華麗な装飾が施された巨大な扉を押し開いた。
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