光のもとで1

葉野りるは

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71~75 Side 司 01話

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 空港から病院まで三時間半という時間を経て到着した。
 翠の病室では、碧さんと零樹さんがベッド脇についていた。
「リィ、どう? 退院延びちゃったかな?」
「まだわからないわ。検査結果はそうひどいものじゃなかったみたいだけれど、今日明日は安静にしてなさいって」
「……すみませんでした」
 何事もなければこんな状態を挟むことなく退院できたわけで、そう思えば謝罪はしてしかるべき。
「司くん、頭上げてよ」
 のんびりとした調子の零樹さんに声をかけられ、ゆっくりと頭を上げる。と、ベッド向こうに座る零樹さんはにこやかな表情で俺を見ていた。
「翠葉さ、ものすごくすっきりした顔して帰ってきたんだ。心配かけてごめんなさいって謝りながらも、どこかすっきりとした感じでさ」
「行かせて良かったって思えたの。だから……色々とバックアップの体制まで整えてくれて、本当にありがとうね」
 ふたりに改めて礼を言われた。
「疲れたみたいで今は寝てるんだけど、三時くらいには起きると思うの。もし良かったら――」
 先の言葉を予測して、
「今日はこれで帰ります」
「そう……?」
「はい。疲れていると思うので」
 ベッドに近寄り翠の顔を見下ろすと、顔色は良くないものの、健やかな寝息を立ててぐっすりと眠っていた。
「でも、リィは司っちに会いたいんじゃないかなー?」
 唯さんはからかい調子で引き止めてきたけれど、
「退院すれば学校でいつでも会えるので」
 俺はバサリと斬り捨て病室を出た。


 翠は月曜日に退院し、翌日火曜日から登校してくるという。
 ようやく……という気持ちはあるものの、自分は未だに答えをもらっていないわけで……。
 秋兄はなんと言われたのか。俺は、なんと言われるのか――
「……翠の考えることは未だ不明だ」
 想像してわかるわけがない。
 ただ、小さな願望がある。
 俺が会いにいくのではなく、翠から会いに来てほしい。空港まで秋兄に会いに来たように……。
 それは高望みだろうか。
 俺と翠の携帯はつながっている。だから、会わなくても話すことはできる。
 でも、そこはあえて携帯を使わず、会いにきてほしいと思う。
 だから、翠が登校してくる日を知っていても自分からは会いに行かず、教室の窓から登校してくる翠をじっと見ていた。

 そうして二日が経った。
 昨日は翠に会うことなく部活を終えてから帰宅。
 もちろん携帯が鳴ることもメールが届くこともない。
 携帯を使われたくないと思っている割に、携帯ばかりを気にする自分に嫌気が差す。
 こんなことを続けていたら、時間だけが無駄に過ぎ、会えないままなのかもしれない。
 そうは思っても、やっぱり翠から会いに来てほしいという願望を諦めることはできずにいた。
 午後練が終わり、暗くなった庭園を歩いて部室棟へ戻る。と、嵐と優太が俺を待っていた。
「翠葉、待ってたよ」
 待ってたって――時計を見れば七時前を指している。
「さっきまで私と一緒にいて、ここで別れたんだけど……。どこ行っちゃったんだろう?」
「んー……運動部が一斉に引き上げてくるからね。気後れして帰っちゃったかな?」
 優太の言うことは一理ある。
 部室棟の前に制服を着た翠が立っていれば、嫌でも目立つ。
 そんなことは少し考えればわかることだし、人目を気にする翠なら気後れして帰ってしまってもおかしくはない。
「ま、とりあえず待ってたことは伝えたくてさ」
 嵐はそれだけ言うと、優太と連れ立って帰っていった。
 嵐が一緒だったなら、寒いところで待っていたということはないとして……。
 帰った、のか……?
 二階テラスをざっと見渡しても人影はない。
 マンションのコンシェルジュに連絡を入れれば帰宅の有無はわかるだろう。
 代表番号を呼び出し、
「翠、帰ってきましたか?」
『いえ。まだお帰りではありませんが……』
「悪いんですけど、マンションから見える範囲でかまいません。翠が歩いているかどうか確認してください」
『かしこまりました。すぐに折り返しお電話させていただきます』
 部室で制服に着替え、帰り支度が済んだところで携帯が鳴り出した。
『七倉です。今、学園私道入り口まで来たのですが、お嬢様のお姿は見当たりません。何がございましたでしょうか』
「いえ、ありがとうございました」
 通話を切って焦りが出てきた。
 そうだ……御園生さんや唯さんならGPSで翠の居場所を特定できる。
 すぐに御園生さんへ連絡を入れると、
『翠葉? まだ帰宅してないけど……。今日は遅くなるって聞いてるよ』
「そうですか……。GPSで場所を特定してもらえますか?」
『唯ー? 翠葉からのメール、少し前に来たんだろ?』
『そうそう。なんか、司っち待ってるからもう少し遅くなるって』
『聞こえた?』
「聞こえました……。けど、その翠がどこにいるのか見当たらないので」
『翠葉のことだ、たぶん司が帰るルートのどこかにいるはずだよ』
 場所を特定する気配は見られず、
「見つからなかったら再度連絡入れます」
 苛立つままにそれだけを伝えて通話を切った。

 俺が帰るルートといえば、桜香苑と梅香苑を抜け大学を突っ切って私道に入るルートしかないけれど……。
 桜香苑と梅香苑には複数のルートがあるから、そこで待ち伏せするとは思いがたい。
 その先の大学敷地内ではカフェの左側を通るが、そこは意外と人通りが多い。
 その先と言えば――……私道入り口か?
 私道入り口の脇には警備員の詰め所がある。
 最短ルートで桜香苑と梅香苑を突っ切りカフェテラスの脇を通り抜けると、五十メートルほど先に翠らしき人影が見えた。
 いた――
 なんで風除けも何もないところに突っ立ってるんだ……。
 早足のまま翠のもとまで行くと、寒さからか、翠は唇を震わせながら何かを話そうとしていた。
「何……」
「話、する時間、もらえる?」
 言葉を短く区切りながら話す翠を、どこかあたたまる場所に移動させたくて、
「……かまわない。……カフェに行こう」
 今しがた通り過ぎたカフェに向かって歩き始めると、クン、と遠慮気味に後ろへ引張られた。何かと思って振り返ると、翠が俺のコートの袖を掴んでいた。
「ごめん、人のいないところで話したい。……梅香苑のベンチでもいい?」
「……寒いけど?」
「大丈夫」
 全然大丈夫そうに見えないんだけど……。
 俺の思いとは裏腹に、
「ごめんっ、ツカサが寒いっ!?」
 こっちの心配をされる。
「いや、俺は大丈夫だけど……寒さは身体に堪えるんじゃない?」
「……私は大丈夫」
 納得しがたい返事を聞き、暖をとるために缶コーヒーとコーンポタージュを途中で買って、梅香苑の一角にあるベンチへ向かった。

 辺りは道沿いに外灯がある程度で、道を外れてしまえば二メートル先は闇といった状態。
 昼間と比べたら、十分な暗がりだった。
「話って?」
 話を切り出したものの、翠は俯いて黙り込んだまま。
 話があると言ったのは翠なのに。
 でも……寒くて口がうまく動かないこともある。
 よくよく考えてみればここで話す必要性はないし、マンションでだって問題はないはず。
 場所の移動を切り出そうとしたそのとき、
「っ……好きっ」
 なんの前触れもなく、二文字の言葉が胸に刺さった。
 心臓が止まるかと思った。
「突然でごめんなさい。でも……すごく好きなの。好きっていう言葉以外にどんな言葉で伝えたらいいのかわからなくて――ごめんなさい……」
「……翠はなんでいつも唐突なんだ。多少の行動予測くらいさせろよ……」
 咄嗟に止めてしまった呼吸を再開させると、一番に口をついたのは文句だった。
 でも、このくらいは許されると思う。
「……そんなこと言われても」
 翠は困ったように下を向いてしまう。
 ここで黙られたら俺も困るんだけど……。
「ほかに言うことは……?」
「……ごめんなさい」
 好きの次がごめんなさい? いったいこいつの頭の中はどうなってるんだ……。
「何に対して?」
「よくわからない……たくさんありすぎて」
「それ、一つひとつ話すことができたら謝罪も受け付けるんだけど……」
「あまりにも多いから、一括りにしてもいい?」
「……翠は几帳面なのか大雑把なのかわからないな。とりあえず言ってみれば?」
「……答えを出さなかったこと。私が出した答えはツカサの答えにはなっていなかったこと。ごめんなさい」
 とても簡潔にまとまっていた。けれど、翠葉は継ぎ足すように話し始める。
「私、秋斗さんのこともツカサのことも失いたくなかったの。同時に、傷つけたくないとも思ってた。でも――本当は自分が傷つくのが怖くて答えを出せなかったのかもしれないって……退院前にツカサに言われるまで気づけなかったの。教えてくれて――ありがとう」
 言葉尻は小さく、声が震えているように聞こえた。
 少しの沈黙のあと、
「……ツカサ、嘘、つく?」
 思いがけない質問には少し思い当たる節があり、
「さぁ、どうかな……」
「嘘に、しないで――私が壊れるたびにリカバリーしてくれるって言ったの……無効にしないでっ」
 今にも泣き出しそうな顔で言われた。でも、言ってすぐに俯かれてしまい、表情は見えなくなる。
 いつか桜香苑を歩きながら話したことを言われているのだろう。それに、それを反故にするつもりもなかった。
「翠」
 呼びかけてもこちらを向く気配はない。
「翠」
 どうしてもこっちを向いてほしくて、力任せにこちらに向かせた。でも、顔は背けられたまま。
「いい加減こっちを向け」
 翠は恐る恐る、といった感じでようやく俺の方を見た。依然、視線は合わないままだけど。
「悪い。嘘はつく……というか、ついた」
 翠の目に涙が浮かぶ。それはしだいに増していき、今にも零れそうだった。
「違う……そうじゃない。泣く前に最後まで聞いてほしい」
 翠は、「え?」という感じで俺の顔を見る。
「俺は留学しない。――翠が……翠が動かないなら、何をしても動かないなら留学するつもりでいた。それは話したとおり、三月末で退学届けを出すつもりでいた。でも――翠は動いた……。だから、留学の話はなしだ」
 話していくうちに、翠の目が大きく見開かれた。
「留学、しない……? 本当に……?」
「必要のない嘘はつかない」
 目からいく筋もの涙が零れる。
「だから、あの約束は有効……。翠の側にいる。またバカなこと考えて空回りして泣いていたら、いつだってリカバリーしてやる。それは嘘じゃない」
 嘘じゃないと言っても涙は止まらないらしく、俺を見たままいくつもいくつも涙を零した。
「泣くな……」
 泣いている顔を見ていられなくて抱き寄せる。と、翠の腕が背に回された。
 今まで何度か翠を抱きしめたことはある。でも、こうして背に腕を回されたことがあっただろうか……。
 縋られているのとは違う。一方的に抱きしめているのとも違う。双方……互いが相手を抱きしめていた。
 さらには、翠の手に力がこめられるから、求められている気がしてしまう。
 少し離れると、「どうして」というような目で俺を見てきた。まだ、涙に濡れる目で。
「そんなに泣くな……」
 翠の腕も目も、何もかもが俺を求めているように思えて、俺は気づけば翠に口づけていた。
「くちびる……つめたい」
 片言の日本語で言われる。
 だから俺も、同義の言葉を片言で返した。
「目、瞑ってくれると助かるんだけど……」
 翠ははっとしたように目をぎゅっと瞑る。
「そんなに力入れなくてもいいけど……」
 言うと少し表情が緩み、俺は冷たい唇に再度口づけた。
 唇が離れると、それまで以上に翠が抱きついてくる。
「好き……大好き……」
 応える言葉が見つからなくて、俺は抱きしめることで返事をした。
「寒くないか……?」
「ツカサがあたたかいから……寒くない」
 目が合うと、どうしてもキスを乞われている気分になる。
 自分がしたいからしているのか、乞われているからしているのか、よくわからない。
 でも、そのどちらであってもかまわなかった。
 大切なのは、キスをしても拒まれないこと……。翠が俺を求めてくれていること。
 それだけで十分だった。
 翠は「好き」と何度も口にする。
「何度言うつもり……?」
「わからない……」
 俺は言われるたびにキスをした。
 前に考えたことがある。
 気持ちを伝えるための言葉――
 どうしても「好き」の一言では表せない。「愛してる」もしっくりこない。
 どんな言葉を使えば自分の気持ちを伝えることができるのかがわからない。
 結果、俺はキスをする。
 言葉に変換できないほど好きで、大切で、失いたくなくて――つながっていたい。
 触れていれば気持ちが伝わるんじゃないかとか思うほどに……。

 ふと時間が気になり時計を見ると、八時前だった。
「翠……もう八時。さすがにこれ以上は身体に良くない」
 翠は寂しそうな顔で腕の力を緩めた。
 その様を見るだけで幸せを感じられる。
「マンションまで送っていく。その前に家に連絡」
「はい」
 家に連絡すると、出たのは唯さんだったらしく、「迎えに行こうか?」という声が聞こえてきた。
 翠は俺を見て「どうしよう」と言うように眉をひそめる。
 ……それはもう少し一緒にいたいって解釈するけど?
 俺は翠から携帯を取り上げ、
「自分が送るから不要です」
 答えて、異論やからかいの言葉を聞く前に通話を切る。
 携帯を翠に返すと、翠はじっと俺を見ていた。
「何?」
「ううん……ツカサと唯兄っていつもこんな感じだなって思っただけ」
「……これは唯さんが悪いと思うけど?」
 ベンチを立つと、
「手……つないでもいい?」
 何を今さら、と思いつつ翠の手を取る。と、
「待って……」
 翠は手袋を外し、素手になった。
「なっ……寒いだろ!?」
「寒くない……。ツカサの手、あたたかいもの」
 言って、俺の手に自分の手を押し当てた。
 
 外灯の少ない桜香苑を歩いていると、翠が唐突に「幸せ」と呟く。
「何が?」
「隣にツカサがいることが……。手、つないで歩けることが。……幸せ」
 すごく嬉しいと思ったのに、俺は素っ気無い言葉しか返せない。
「……安いな」
「え?」
「もっと貪欲になれば?」
 翠は俺を見て一言「好き」と呟いた。
 俺はその唇に誘われるように唇を重ねる。
 紅葉祭のときとは違う。一方的ではなく合意のうえでのキス。
 気持ちが通じているとはこういうことをいうのか……。
 翠が感じる幸せと俺の感じる幸せは同じものなのか、違うものなのか。
 わからないけれど、俺は今、間違いなく幸せな時間を過ごしている。
 きっと、今まで生きてきた中で一番幸せな時間を……。

 やっと手に入れた。
 俺の、俺だけの宝物――
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