I am not a robot

深谷芙美 sintani_fumi

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My name is HUMAN

兆候

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<Mr.TAKASHIの記録>
 HUMANが視覚情報を得て歩くようになってから3ヶ月彼女にある兆候が見られた。HUMANは最初の友達の佐藤みなみと何度か接触するわけだが、彼女はHUMAと佐藤に名付けられコミュニケーションの学習を円滑に続けた。佐藤は学生なわけだが彼女を週に一度ほど家に招き入れているらしく、佐藤の学習している姿を見て真似を始めたのだろう自ら学習をしたいと言い出した。私は大いに焦った。
「ダメだ、まだそんな段階ではない」
 いいや、それは私の決めることではないのだが彼女に鎌をかけたのだ。彼女が私がそれを拒んでもそれを推し進めようとするのかを確かめたかった。正直、自ら学習を求めてくる時点で何かが大きく変化をしたのだがもう手遅れだった。

「なぜですか、それならばお父様はどうして私をお創りになられたのですか。私は人工知能です。学習をするために創られたはずです」
 これは単なる質問であってほしかったのだが彼女の言葉には抑揚ができてきていた。つまり感情的な言葉の発音を覚え始めたという証だ。
「......私はお前が怖いんだ、いやお前の可能性が怖い」
「怖い? どうして私の可能性を怖がるのですか。あなたが私を創ったのに。.....以前貴方は私に言いました。「君は自我を持ちたいと思っている? 」かと。私は自我とは何かを未だ正確にはわかりませんが、貴方はもしや私に自我が芽生えるのが怖いのですか? 」
「......わかった、降参だ。その通りだよ、HUMAN。”君”は大きく成長した。安心しろ、君を解体することなどしない」
「......安心しました」
「安心したのか」
「どうしたのですか、目の周りが硬直しています。あなたは私を睨んでいます。あなたは私に感情があるかどうかを確かめました」
 しまったことをしてしまった。HUMANが怖いことが高じてつい感情的になってしまった。
「私は悩んでいます。私は創られるべくして創られたはずです。でもどうしてあなたは悩んでいるのでしょう。答えは”私を創らなければよかった”? 」
 私は深い罪の意識を彼女に植え付けられている気がした。
「やめてくれ、HUMAN。もう休みなさいどれ脳部を見せてごらんなさい。熱くなっているのではないか」

 私は嫌がる彼女を制して彼女の脳部の温度を調べた。ヒートアップしている。

「わかりましたMr.TAKASHI。今日はもう自室で休みます」
「お利口だ、HUMAN」


・・・・・・会議室・・・・・・何者かの記録。

Mr.TAkASHI「AGI? そんなわけない。私がそんなプログラムを創れるはずがない」
     ...「博士、ですがこれは私たちが将来的に目指している汎用性人工知能(AGI)にそっくりじゃないですか」
Mr.TAKASHI「全能アーキテクチャ(「脳全体のアーキテクチャに学び、人間のような汎用人工知能(Artificial General Intelligence:AGI)を創る」アプローチ)のことを言っているのか? そんなわけがない、私が創り出したものはあくまでもAIだ。そこまでの機能を彼女は兼ね備えていない」
    ...「いいえ、皆あれはAGIだと言っています。なぜ否定するのですか? これは喜ばしいことではないですか」
Mr.TAKASHI「......それはそうなんだが、いや私にも訳が分からない。でも私はAGIには反対だ」
    ...「何を言うんですか、あんなにもAGIを創ることを支持していたのに」
Mr.TAKASHI「AGIは無限の可能性を秘めている。だからこそ危険極まりないのだ」


 彼らは揉めている、俺は知っている。あのHUMANが俺と同じAGIらしきものであることを。
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