ハートキラーズ

十月の兎

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5.届かない不幸

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行ったか、


空へ消えてった鉄船を眺めながらタバコをふかす



「おいトラフ、タバコはやめろって二隊長にたいちょうに言われなかったかお前」



二隊長とはレッタのことだ、2つの部隊長をやっているのはレッタのみだから、軍隊長はこう呼んでいる、以前名前で呼んだらいいと指摘したら、軍隊長は兵士と仲良くなるのはいけないだとか、訳の分からないことを言った、


「そう、でしたね、じゃあこれで最後にします」


「いますぐ、やめろ?」


「これは吸わせてください」


「軍隊長の命令だ、いますぐ、煙を切れ」


「・・・申し訳ございません」



トラフはタバコを地面に捨て、


ダンッ!


力任せに踏みつけた



「ごめんって!怒んないで!」


「冗談です」


「絶対怒ってるでしょ、トラフ顔変わんないから分からないよ」



軍隊長は深く関わらないなどと言って俺に対しては名前呼びだ、それが別に嫌なわけじゃない



「怒ってませんよ、たしかにかげで吸うのは、騙してるようで気分が良くないと思っただけなんで」



トラフは吸殻を拾い上げ簡易的な水の術式で濡らす



「後処理もちゃんとしてるのか、捨てといてやる」


「軍隊長にやらせる訳には、自分で捨てます」


「じゃあそこまで歩くか」



トラフは疑問だった、今、なぜこの人は俺に絡んできているのか、何が意図がある、そう思った、これはただの勘だが、可能性はゼロじゃない


「ところでトラフ」


「なんでしょう」


「今回コーステッドは戦争を仕掛けてくると思うか」


「いえ、ないかと思います」


「どれくらいだ、」


「1割、いえ、それ以下、ですが」


「なんだ、何かあるのか」


「それ以外があるかもしれません」


「それ以外と?戦争以外に何があるんだ」


「コーステッドが他の国と結んでいた場合です、兵を我が国に送っている最中、他の国からの侵攻がないとは限りません、その可能性は、あるかもしれませんから」


「なるほどな、ただ、半数が居ないとはいえ、お前がいるからな、」


「私は、もう若くはありません、お力にさえ慣れれば」


「謙遜するな」



吸い殻を焼却炉に捨てる、ボッという音とともに灰も煙も残さず燃え尽きる、



「私は向こうの方が心配です」


「二隊長たちか、彼女たちならよくやってくれると思うが」


「いえ、向こうの宗教上、たぶん、カルラにはあの戦地は、精神に来るでしょう」


「一般人も戦闘員のようなものだからな、そこは本人達を信じよう」


「はい、」



焼却炉を後にし、広場へ向かう途中、二人は妙なものを見つける



「おいトラフ」


「はい、」


「あれは、なんだ?」



トラフは軍隊長が指を刺す方角、太陽と反対側の空を見上げる、するとそこには



「なんだあれは?」



トラフは分からなかった、記憶がある20年、その中で見たことの無い、似たようなものすら、それは、言葉にするならば



「黒い、太陽・・・?」


「燃えているのか、いや、だがあれは、落ちてる、」


「わかりません、魔獣でしょうか、それとも巨大術式による魔導なのか」



分からない、魔獣なら、魔力を燃やし尽くせばいい、だが巨大術式ならもっと真上に落とすはずだ、あれはなんなんだ



「巨大術式なら、場所が悪いです、あそこは、4国の、真ん中?何故あそこに」


「わからん、だがこれが敵国の攻撃だとすれば全ての国に被害が出てしまうだろうな、だからその線は低そうだ」


「魔獣なら落ちてからでも、処理は間に合いますから少し様子を、え、止まっ」



次の瞬間、黒い太陽はのようにまばゆき光を発した



「ぐっ、」


「うわっ!」



光は一瞬だった、



「なんだったんでしょうあれは」


「わからん、それに、


「我が国に被害がないか確認して参ります」


「ああ、私も他の国に異常がないか確認してみよう」



二人は疾風のように分かれ、トラフは広場に兵士を集めた



「先程謎の光が発生した、それについての原因は不明だ、軍隊長殿が今懸命に調べていらっしゃる、そこでお前達には我が国の状態を確認してきていただきたい、全ての家だ、忙しい奴もいるだろうが、なにか異常があれば私に連絡し、処置をおこなってほしい、それでは解散!」



その号令で兵士たちは街に散り、救護活動に向かった



「さて、」



トラフは自室に向かい、無線機を取り出す、レッタ特製受信妨害、傍受できない、二機のみをつなぐことの出来る便利魔具まぐだ、



「俺だ、トラフだ」


『トラフさん、さっきの光の件ですか』


「話が早くて助かる、そっちは異常はあるか」


『いえ、特に何もありません、我が兵士達はほとんどが船内にいたので』


「そうか、何かあればまた連絡してくれ、頼んだぞ」


『はっ!はい!あ、そうだトラフさん』


「なんだ?」


『タバコは吸っちゃダメですよ?』



ブッ、通信が切断されてしまった、


面白くなさそうな顔をしながらも、トラフは無線機を切り、軍隊長のもとへ向かう



「失礼します」


「おお、トラフ、入ってくれ」


「何か異常はありましたでしょうか」


「いや、今のところ他の国も大丈夫だそうだ、」


「他の国の反応は」


「たぶん、いや、私は得意じゃないんだが、他国の攻撃ではないと思っている、」


「じゃああれは一体」


「空中に浮いている魔力か、そんな長い間保っていられるのは、まてよ、異様な魔力量なら」


「心当たりがあるのですか」


「ある、が、いや、もしかしたら」



軍隊長は唸りながら本棚を漁る


「あった、これだ、」


軍隊長が出した本は古代生物と書かれた本だった


「私は古代生物マニアでね、見たことあった気がする、だがこれは神話だと思ってたが、そうだ、これだ」


トラフは軍隊長の開いたページに目をやる、そこには空に浮かぶ同じ黒い太陽、そして



『人類の半数を死に至らせる古代生物「siサイ


その生物は、人類では処理できない


諦めろ、そして認めよ、己が無能ということを』


という一文が書かれていた
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