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10話
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あの時は……正直に言って動転しすぎてたのもあり、たいした問題じゃないのかもしれないけど……。とか言って深く考えもせずにスルーしちゃったものの。アレは、……マズいレベルでたいした問題だよ。
……だよね?!
だって、あの場所にナイト要員のハルカ先輩が先に着いちゃってたらカスミンとモブとのあの騒動は起こりようがなくて。イベント自体が、なかったことになる……よね????
そしたらかなりたいした問題だよ!!!!イベント消滅とかっ!!あり得ないっ!!
もしそういうシャレにならないレベルのストーリー上の狂いが生じてて、しかもそれが僕がしてきた好き勝手な行動のせいとか言われたら……申し訳なさ過ぎて、死んでお詫びするしかない……っ。
もしかしたら。本当に万が一だけど、カスミンが選択して進んでるのがハルカ先輩ルートじゃない可能性も……かすかにある……のかもしれないけど……。
そんな、万に一つの可能性に縋って精神の均衡を保ってきたこの数日。
僕は、最推しのカスミンと……少し距離を置くことにした。すっごく悲しいし満たされない。深刻な推し不足だ。
ほぼ毎日会っていた放課後の誘いを断るたび、ちょっと寂しそうに『そっか、じゃあまたね』って返すカスミンのその表情を見て、良心の呵責というか……僕の心もゴリゴリ削られてくみたいな感じがする。
僕も寂しい……。すっごく、寂しいぃ……。
でも、ゲーム本編でカスミンと僕が絡むのなんて、ハルカ先輩を巡って僕からケンカふっかけに行く時くらいなものだったから。つまり、今までの僕の行動がイレギュラーすぎただけなんだよね!?
そこはちゃんと自覚してるし、最推しにツラく当たることなんかできるはずない!!っていうのっぴきならない思いがあったからではあるものの。
……きっと、軽率すぎたんだろうなぁ。
だから、今さらだけど。これから先、カスミンのことは陰でひっそり見守って堪能するだけにとどめようかと思う。新たにそう決意した。
あと、これも今さらすぎるけど。
だいぶ前、会長が言ってたことに『……あー、もしかしてこのことか??』になってる僕がいる。
……なぜか。結局未消化になっちゃったあのイベントの翌日あたりから、ハルカ先輩の姿をよく見かけるようになった。
見かける、というか……特に意味もなく声をかけられるようになったというか。
『どこ行くんだ?』とか『今日も貴文のとこに行くのか?』とか。廊下でバッタリ出会した時に軽い挨拶を寄越されたり。
ただそれだけなんだけど、前より話しかけられる回数が確実に増えた。そして、存在を認識されてる感。
以前のハルカ先輩だったら、僕がいようといまいと基本なにをしてようが完スルーに近かったから。これもバグに近い異常事態の一つだな、と。
ついさっきも、最近よく耳にする気がする「貴文のとこか?」って問いかけをされたから、正直に答えるのもアレだなと思って「いえ、図書室に行こうかと思ってたんですけど。……やっぱり、先輩についてっちゃおっかな」なんて、……ちょっぴりだけど僕頑張ったっ!!って思えるような模範解答を返してみた。そしたら。
…最近のハルカ先輩の言動からして、多少喜ぶとか機嫌が良くなるだろうって予想してたのに。急に冷めたような表情になって「は?迷惑だ」の一言を残してそのまま立ち去ってしまった。……とかいう、完全に想定外な対応をくらった。
……え。一体どうしろと。
いや、……いやいや待て。待つんだ。一旦冷静になれ、僕。
もしかして、これが正常な反応なんじゃない??バグがなければ僕に対するハルカ先輩の態度なんか一律に。終始。徹頭徹尾。ああ、こんなもんだろうなぁ。の、まるで見本のようなものだったでしょ。つまり正解ってことだよ。おめでとう、よくやった僕。
そういうわけで多分、さっきのが『僕』としての正回答だったんだろうけど。ここ最近、ハルカ先輩の行動がますます読みにくくなってる感がある。
おそらく。ゲーム通りのライバルポジションに収まった『僕』が発しそうなセリフなら、一切のバグは起きずにハルカ先輩の態度もゲーム通りのものになる……ってことなのかな。とボンヤリと予想していた。
だって、さっきのやりとりがまさにそんな感じだったから。
……自分から話しかけてきたくせに、急にゴミを見るような目をして無関心になることある??さすがの僕でもビックリした。
だけど。それはそれとして。
じゃあ、この先もこんな感じで頑張ろう!!……って、心の底から思えない僕がいるのも確かだった。
だって、楽しかったんだよ。今までが。
ゲームの流れと違って、カスミンもずっとずっとのびのびしてて楽しそうだったし、僕は僕でわりと邪険に扱われるはずのハルカ先輩から睨まれることも少ないし。
それでも、やると決めたからには徹底的にゲームキャラ『小野寺 愁』に近づけなきゃ。
カスミンにひどい言葉をかけるのは……それだけはできそうにもないから、せめてハルカ先輩への態度だけでも変えなきゃ。
……でもさ。好きな人に、好んで冷たくあしらわれたい奴なんかこの世にいるのかなぁ……。たとえそれが、恋愛的に好きな人って意味じゃないとしても。
真面目に考えれば考えるほど気分が暗く沈んでいくばかりで。
トボトボ力なく歩きながら、なんとなく無意識に足が向いたのが生徒会室だった。
……とか。僕ってどこまでも救えない奴だよな。なんて自嘲の笑みがこぼれた。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
目の前のテーブルに取り揃えられているのはお菓子とジュースと、人数分の紙コップ。それらの存在が放課後のちょっと楽しいひと時!みたいな緩い空気を醸し出してるんだけど。
でも……。
「……あの。僕、絶対ここにいていいメンバーじゃないですよね?」
隣に座ってる会長に肩を抱かれた状態で小さくなっていた僕は、恐る恐る問いかける。
「ん?あいつらが連れてこいってうるさかったからな。それに、部外者でいうなら陽加と香純もそうだろ」
「そ、それは……そうかもしれないですけど……」
そのハルカ先輩に睨まれてるのもまた怖いんです!!って口に出せないのがもどかしい。
「オレのまわりをチョロチョロしてるわりに、追い払われるわけでもない奴がいる。って噂があんの知ってるか?」
「なんですかそれ。知るわけないじゃないですか」
「それを聞きつけて特に面白がってたのがそこにいる桧室さんと聖でな?前からうるせぇくらいに色々言われてたんだよ」
「……色々?……って、なんです?」
聞くのも怖い気がするけど。なんて思いながら、肩に重くのしかかる手をどけようとしてたら。
「離してやってもいいけど、そしたら逃げるだろ。お前」
「それはっ……」
逃げますよ!そりゃ逃げるでしょ!!揃ってるメンツからしてまずおかしいもん!!
一人は部外者感丸出しの僕。右隣に会長。正面のソファに並んで座ってるのが、会長と同じ2年生で現副会長の芹澤 聖先輩と3年生で元生徒会長の桧室 玲司先輩。会長を素通りして右斜横に目をやれば、ちょっと居心地悪そうにつま先を擦り合わせてるカスミンがいる。その様子に少し心が和んだ。…ほんの一瞬だったけど。
もちろん、さっき会長が言ったとおり左斜横。つまり、僕のほぼほぼ真隣にはハルカ先輩がいて。
しかも、なぜかハルカ先輩の目つきが普段の三割り増しで悪くなってるし……。正面にカスミンが座ってるんだからきっと嬉しいはずなのに、なんで僕が睨まれてるんだろ。
……あ。自分以外の攻略対象キャラが勢揃いしてるから??それとも、正面だと距離が遠いから僕と場所変われってこと??でもでも、それだとカスミンが会長の隣に座ることになるし、尚更気分悪いんじゃ……とか考えて心の中で半泣きになっていると、
「四六時中纏わりつかれてんのに、お前が放置してるなんて珍しい。一度見てみたい。連れてこい。果ては、実は付き合ってるんじゃないかとまで言い出しやがったから。それなら会わせてお前の口から誤解解いてもらった方が手っ取り早いな、とか思ってたところに呼ばれたからってのこのこ出て来る方が悪い」
この状況を楽しんでるみたいな軽い口調で返されて項垂れた。
昼休み。あの時なんとなく足が向いた生徒会室に、会長は確かにいた。いたし、室内には会長の他にも人がいた。
今ここに揃ってる中でハルカ先輩とカスミンを除く、2人が。そう、副会長と元会長の2人。
そういえば、『この子が?』とか『香純といるとこよく見かけてたな』とか。口々になんか言われた気がするけど、僕より遥かに背が高い上級生……しかも、全員が全員攻略対象の美形キャラに囲まれるとか平静でいられるはずがない。心臓バクバクで死ぬかと思ったくらいだもん。
そして、こっちの存在そっちのけで会長を含めた3人で一頻り盛り上がったあとに言われたのが『放課後、またここに集合な』だった。
嫌もなにもいう暇を与えられず『来なかったら寮まで迎えに行く』とまで言われたらもう。わかりましたよ、と渋々でも頷くことしかできなかった。
そして、結果がコレとかさ。
___________
ようやく忙しない所を越えたので、投稿再開させていただきます。
※サイトを開けなかった期間に感想をいただき、それにお返事することができず申し訳ありません。
読んでくださって本当にありがとうございます!とってもありがたく嬉しかったです!取り急ぎ、続きを投稿に参りました…
……だよね?!
だって、あの場所にナイト要員のハルカ先輩が先に着いちゃってたらカスミンとモブとのあの騒動は起こりようがなくて。イベント自体が、なかったことになる……よね????
そしたらかなりたいした問題だよ!!!!イベント消滅とかっ!!あり得ないっ!!
もしそういうシャレにならないレベルのストーリー上の狂いが生じてて、しかもそれが僕がしてきた好き勝手な行動のせいとか言われたら……申し訳なさ過ぎて、死んでお詫びするしかない……っ。
もしかしたら。本当に万が一だけど、カスミンが選択して進んでるのがハルカ先輩ルートじゃない可能性も……かすかにある……のかもしれないけど……。
そんな、万に一つの可能性に縋って精神の均衡を保ってきたこの数日。
僕は、最推しのカスミンと……少し距離を置くことにした。すっごく悲しいし満たされない。深刻な推し不足だ。
ほぼ毎日会っていた放課後の誘いを断るたび、ちょっと寂しそうに『そっか、じゃあまたね』って返すカスミンのその表情を見て、良心の呵責というか……僕の心もゴリゴリ削られてくみたいな感じがする。
僕も寂しい……。すっごく、寂しいぃ……。
でも、ゲーム本編でカスミンと僕が絡むのなんて、ハルカ先輩を巡って僕からケンカふっかけに行く時くらいなものだったから。つまり、今までの僕の行動がイレギュラーすぎただけなんだよね!?
そこはちゃんと自覚してるし、最推しにツラく当たることなんかできるはずない!!っていうのっぴきならない思いがあったからではあるものの。
……きっと、軽率すぎたんだろうなぁ。
だから、今さらだけど。これから先、カスミンのことは陰でひっそり見守って堪能するだけにとどめようかと思う。新たにそう決意した。
あと、これも今さらすぎるけど。
だいぶ前、会長が言ってたことに『……あー、もしかしてこのことか??』になってる僕がいる。
……なぜか。結局未消化になっちゃったあのイベントの翌日あたりから、ハルカ先輩の姿をよく見かけるようになった。
見かける、というか……特に意味もなく声をかけられるようになったというか。
『どこ行くんだ?』とか『今日も貴文のとこに行くのか?』とか。廊下でバッタリ出会した時に軽い挨拶を寄越されたり。
ただそれだけなんだけど、前より話しかけられる回数が確実に増えた。そして、存在を認識されてる感。
以前のハルカ先輩だったら、僕がいようといまいと基本なにをしてようが完スルーに近かったから。これもバグに近い異常事態の一つだな、と。
ついさっきも、最近よく耳にする気がする「貴文のとこか?」って問いかけをされたから、正直に答えるのもアレだなと思って「いえ、図書室に行こうかと思ってたんですけど。……やっぱり、先輩についてっちゃおっかな」なんて、……ちょっぴりだけど僕頑張ったっ!!って思えるような模範解答を返してみた。そしたら。
…最近のハルカ先輩の言動からして、多少喜ぶとか機嫌が良くなるだろうって予想してたのに。急に冷めたような表情になって「は?迷惑だ」の一言を残してそのまま立ち去ってしまった。……とかいう、完全に想定外な対応をくらった。
……え。一体どうしろと。
いや、……いやいや待て。待つんだ。一旦冷静になれ、僕。
もしかして、これが正常な反応なんじゃない??バグがなければ僕に対するハルカ先輩の態度なんか一律に。終始。徹頭徹尾。ああ、こんなもんだろうなぁ。の、まるで見本のようなものだったでしょ。つまり正解ってことだよ。おめでとう、よくやった僕。
そういうわけで多分、さっきのが『僕』としての正回答だったんだろうけど。ここ最近、ハルカ先輩の行動がますます読みにくくなってる感がある。
おそらく。ゲーム通りのライバルポジションに収まった『僕』が発しそうなセリフなら、一切のバグは起きずにハルカ先輩の態度もゲーム通りのものになる……ってことなのかな。とボンヤリと予想していた。
だって、さっきのやりとりがまさにそんな感じだったから。
……自分から話しかけてきたくせに、急にゴミを見るような目をして無関心になることある??さすがの僕でもビックリした。
だけど。それはそれとして。
じゃあ、この先もこんな感じで頑張ろう!!……って、心の底から思えない僕がいるのも確かだった。
だって、楽しかったんだよ。今までが。
ゲームの流れと違って、カスミンもずっとずっとのびのびしてて楽しそうだったし、僕は僕でわりと邪険に扱われるはずのハルカ先輩から睨まれることも少ないし。
それでも、やると決めたからには徹底的にゲームキャラ『小野寺 愁』に近づけなきゃ。
カスミンにひどい言葉をかけるのは……それだけはできそうにもないから、せめてハルカ先輩への態度だけでも変えなきゃ。
……でもさ。好きな人に、好んで冷たくあしらわれたい奴なんかこの世にいるのかなぁ……。たとえそれが、恋愛的に好きな人って意味じゃないとしても。
真面目に考えれば考えるほど気分が暗く沈んでいくばかりで。
トボトボ力なく歩きながら、なんとなく無意識に足が向いたのが生徒会室だった。
……とか。僕ってどこまでも救えない奴だよな。なんて自嘲の笑みがこぼれた。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
目の前のテーブルに取り揃えられているのはお菓子とジュースと、人数分の紙コップ。それらの存在が放課後のちょっと楽しいひと時!みたいな緩い空気を醸し出してるんだけど。
でも……。
「……あの。僕、絶対ここにいていいメンバーじゃないですよね?」
隣に座ってる会長に肩を抱かれた状態で小さくなっていた僕は、恐る恐る問いかける。
「ん?あいつらが連れてこいってうるさかったからな。それに、部外者でいうなら陽加と香純もそうだろ」
「そ、それは……そうかもしれないですけど……」
そのハルカ先輩に睨まれてるのもまた怖いんです!!って口に出せないのがもどかしい。
「オレのまわりをチョロチョロしてるわりに、追い払われるわけでもない奴がいる。って噂があんの知ってるか?」
「なんですかそれ。知るわけないじゃないですか」
「それを聞きつけて特に面白がってたのがそこにいる桧室さんと聖でな?前からうるせぇくらいに色々言われてたんだよ」
「……色々?……って、なんです?」
聞くのも怖い気がするけど。なんて思いながら、肩に重くのしかかる手をどけようとしてたら。
「離してやってもいいけど、そしたら逃げるだろ。お前」
「それはっ……」
逃げますよ!そりゃ逃げるでしょ!!揃ってるメンツからしてまずおかしいもん!!
一人は部外者感丸出しの僕。右隣に会長。正面のソファに並んで座ってるのが、会長と同じ2年生で現副会長の芹澤 聖先輩と3年生で元生徒会長の桧室 玲司先輩。会長を素通りして右斜横に目をやれば、ちょっと居心地悪そうにつま先を擦り合わせてるカスミンがいる。その様子に少し心が和んだ。…ほんの一瞬だったけど。
もちろん、さっき会長が言ったとおり左斜横。つまり、僕のほぼほぼ真隣にはハルカ先輩がいて。
しかも、なぜかハルカ先輩の目つきが普段の三割り増しで悪くなってるし……。正面にカスミンが座ってるんだからきっと嬉しいはずなのに、なんで僕が睨まれてるんだろ。
……あ。自分以外の攻略対象キャラが勢揃いしてるから??それとも、正面だと距離が遠いから僕と場所変われってこと??でもでも、それだとカスミンが会長の隣に座ることになるし、尚更気分悪いんじゃ……とか考えて心の中で半泣きになっていると、
「四六時中纏わりつかれてんのに、お前が放置してるなんて珍しい。一度見てみたい。連れてこい。果ては、実は付き合ってるんじゃないかとまで言い出しやがったから。それなら会わせてお前の口から誤解解いてもらった方が手っ取り早いな、とか思ってたところに呼ばれたからってのこのこ出て来る方が悪い」
この状況を楽しんでるみたいな軽い口調で返されて項垂れた。
昼休み。あの時なんとなく足が向いた生徒会室に、会長は確かにいた。いたし、室内には会長の他にも人がいた。
今ここに揃ってる中でハルカ先輩とカスミンを除く、2人が。そう、副会長と元会長の2人。
そういえば、『この子が?』とか『香純といるとこよく見かけてたな』とか。口々になんか言われた気がするけど、僕より遥かに背が高い上級生……しかも、全員が全員攻略対象の美形キャラに囲まれるとか平静でいられるはずがない。心臓バクバクで死ぬかと思ったくらいだもん。
そして、こっちの存在そっちのけで会長を含めた3人で一頻り盛り上がったあとに言われたのが『放課後、またここに集合な』だった。
嫌もなにもいう暇を与えられず『来なかったら寮まで迎えに行く』とまで言われたらもう。わかりましたよ、と渋々でも頷くことしかできなかった。
そして、結果がコレとかさ。
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