王家から追放された貴族の次男、レアスキルを授かったので成り上がることにした【クラス“陰キャ”】

時沢秋水

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美少女の誘惑

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 俺が魔石を拾うとダンジョンが崩れ去りレベルが2つアップした。
 ソラとベルはそれぞれレベルが4つアップした。

--------------
【レオ・グリフォン】
〈基本ステータス〉
 Lv :74
 HP :360/360
 MP :405/740
 魔法力:860
 攻撃力:450
 防御力:370
 回避力:410
--------------
【ソラ・クリア】 
〈基本ステータス〉
 Lv :30
 HP :110/110
 MP :125/165
 魔法力:230
 攻撃力:110
 防御力:180
 回避力:200
--------------
【ベル・フィオーレ】 
〈基本ステータス〉
 Lv :36
 HP :165/165
 MP :80/240
 魔法力:405
 攻撃力:290
 防御力:245
 回避力:320
--------------
 
 俺は新たに〈土魔法・砂塵鋭波〉を獲得した。

 ソラは新たに〈水魔法・荒天〉を獲得した。

 ベルは新たに〈雷魔法・避雷針〉を獲得した。
 

 それから俺達は紆余曲折を経てソラの故郷アルカルンへと辿り着いた。

 外観だけで言えば今まで見てきた都市で一番栄えているように見える。

 だが外壁は魔獣の攻撃による痕跡が深く刻まれており、街全体に活気がない。

「ソラお嬢様だ!ソラお嬢様がお帰りなったぞ!」

「皆さん、ただいま戻りました」

 民衆の出迎えにソラが答えた。

 ソラはアルカルンを統治している貴族の娘であった。

 そういえばクリア家は聞いたことがある。爺さんやパレスは没落貴族だと言っていたがそんなことはないだろう。

 俺達はソラに案内されて宮殿へと向かった。

「ソラ、本当に……本当に無事でよかった」

 ソラのお父さんが声を詰まらせながらソラを抱きしめた。

「お父さま、心配をお掛けしてごめんなさい」

 俺は事情を説明すると〈無人境セーフゾーン〉を都市全体に発動。その後に永続効果の魔石を都市の中心部に設置した。

 更に復興費として1億5000万G寄付した。

 所持金:4200万G

「これでもうアルカルンは魔獣には襲われません」

「レオ君、なんとお礼を言ったらいいのやら」

「気にしないでください、僕もソラさんにはお世話になってるので」

「せめて歓待させてもらいたい。今日は祝宴にしよう」

 俺達は宮殿で食事を食べることになった。

 次々と料理が運ばれてくるが高級食材がたくさん入っており盛り付けも豪華だ。

 俺は王族出身だが、ぞんざいな扱いを受けて育ってきたから豪華な料理を食べるのは生まれて初めてだ。

「レオ君、料理の味はどうかね?」

「絶品です。こんなにも美味しい食事は生まれて初めてです」

「それはよかった。私はね、レオ君にはソラの結婚相手として婿入りしてほしいと思っているよ」

「お父さま、おやめください」

 ソラは顔を赤らめながら言ったが、俺は冗談だと思って愛想笑いで受け流した。

 食後に大浴場へと案内された。

 こんなにも大きな風呂に入るのは生まれて初めてだ。

 俺は1人で悠々自適に風呂に入り泳いだりしていたが、脱衣所の戸が開くとソラのお父さんが入ってきた。

「レオ君、さっきの話だが私は本気なのだ。もし婿入りする気がないのならばソラには何も言わず、ひっそりとアルカルンを去ってほしい」

「なんでですか?」

「私にとってソラは愛する一人娘であり、もう離れ離れにはなりたくない。一週間以内には決断してほしい」

 なるほどソラを溺愛してるのか。まあ、お父さんの気持ちも理解できる。

 俺は風呂を出るとソラとベルと合流して寝室へと向かった。

 寝室は簡素なデザインながら広々としていた。フカフカのベッドがきちんと三つ用意されていた。

「もしも私が初夜の邪魔なら別室で寝ようか?」

 ベルが真顔で言った。

「な、なに言ってんだよベル!俺とソラはそういう関係じゃないよ」
「そ、そうだよ。やめてよベル!」

 俺はベッドに入ったがベルが変なことを言ったせいで興奮して眠れなくなった。

 こうなったらトイレに行ってスッキリしてくるしかない。

 俺は寝静まっているソラとベルを起こさないように慎重に起きあがりトイレへと歩きだした。

 だが、その時だった。

「レオ……私が処理してあげようか?」

 寝ているはずのベルが唐突に俺に話しかけてきた。

「な、なに言ってんだよ!?」

「冗談に決まってるでしょ」

 ベルが笑顔で言った。

 俺はベルにからかわれて動揺したが、我慢できないから構わずトイレへ行った。

 俺がスッキリして寝室へと戻ってくるとベルと目があった。

「レオ、お疲れさま!」

「な、なにがお疲れだ。誤解しないでくれ」

 俺はベッドに入ると賢者タイムに入りソラの今後を考えた。
 
 ソラの冒険者としての目的は今日で達成された。俺の目的にソラを付き合わせることはないのではないか。ソラにとっては俺と命懸けの冒険をするよりもこの都市で平和に暮らした方が幸せになれるはずだ。

 でも、俺はソラと一緒に冒険を続けたい。どうするべきか……
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