ダンボール装備の俺、なぜか聖騎士団に勧誘される

チー牛Y

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箱、祀られる

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翌朝。

俺は、異変に気づいた。

窓の外が、うるさい。

「……なんか、人の声しない?」

ざわざわ、ざわざわ。

部屋のカーテンを少し開けて、俺は凍りついた。

そこには――

正門前に、行列。

百人はいる。

手には、花。 パン。 果物。 ……なぜか、みかん。

「え、何?」

ルシアに聞く。

「……“箱様”へのお供えです」

「神格化やめて」

もう遅かった。





聖騎士団の庭には、即席の祭壇が作られていた。

白布。 ロウソク。 金色の飾り。

中央には――

俺用の“立ち位置”。

「……俺、立つの?」

「立ってください」

即答。


最初に来たのは、昨日泣いてた子供だった。

「……あの、箱さま」

「箱って言うな」

「おなか、いたいのなおして」

……え?

神官が耳打ちしてくる。

「あなたの周囲は、自然治癒が促進されます」

知らなかった。

とりあえず、子供の頭を、ダンボールの角でそっと撫でた。

……五秒後。

「……あれ? いたくない」

治った。

ざわっ。

人の目の色が変わった。

「次!」 「俺も!」 「腰が!」 「二日酔いが!」

地獄が始まった。





昼には、完全に宗教になった。

《箱の方舟教》


設立者:知らない神官。

教義:

・箱様の近くにいれば健康になる
・呪いは箱に捨てる
・ガムテープは神聖

意味がわからない。



団長が頭を抱えて言った。

「……すまない。もう、止まらん」

「俺、帰っていい?」

「国家案件だ」

詰んだ。





夕方。

事件は“さらに上”から来た。

黒いローブの集団が、門前に現れる。

「……異端審問庁です」

やばいやつ来た。

団内、緊張。

リーダーが俺を見る。

「“聖なる箱”……調査対象とする」

「俺、ただの人なんだけど!」

だが、ローブの男は言った。

「……その箱は、“世界の呪いを集める器”」

「それ、俺が聞いてない設定」

「つまり――」

男は静かに言った。

「魔王級の災厄を、あなたが引き寄せる」

……。

「今日から、あなたは
 “世界のゴミ箱”です」

やめろ。

……

こうして俺は、

“神”になり、
“国家兵器”になり、
“世界のゴミ箱”になった。

全部、ダンボールのままで。
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