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箱、祀られる
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翌朝。
俺は、異変に気づいた。
窓の外が、うるさい。
「……なんか、人の声しない?」
ざわざわ、ざわざわ。
部屋のカーテンを少し開けて、俺は凍りついた。
そこには――
正門前に、行列。
百人はいる。
手には、花。 パン。 果物。 ……なぜか、みかん。
「え、何?」
ルシアに聞く。
「……“箱様”へのお供えです」
「神格化やめて」
もう遅かった。
◇
聖騎士団の庭には、即席の祭壇が作られていた。
白布。 ロウソク。 金色の飾り。
中央には――
俺用の“立ち位置”。
「……俺、立つの?」
「立ってください」
即答。
最初に来たのは、昨日泣いてた子供だった。
「……あの、箱さま」
「箱って言うな」
「おなか、いたいのなおして」
……え?
神官が耳打ちしてくる。
「あなたの周囲は、自然治癒が促進されます」
知らなかった。
とりあえず、子供の頭を、ダンボールの角でそっと撫でた。
……五秒後。
「……あれ? いたくない」
治った。
ざわっ。
人の目の色が変わった。
「次!」 「俺も!」 「腰が!」 「二日酔いが!」
地獄が始まった。
◇
昼には、完全に宗教になった。
《箱の方舟教》
設立者:知らない神官。
教義:
・箱様の近くにいれば健康になる
・呪いは箱に捨てる
・ガムテープは神聖
意味がわからない。
団長が頭を抱えて言った。
「……すまない。もう、止まらん」
「俺、帰っていい?」
「国家案件だ」
詰んだ。
◇
夕方。
事件は“さらに上”から来た。
黒いローブの集団が、門前に現れる。
「……異端審問庁です」
やばいやつ来た。
団内、緊張。
リーダーが俺を見る。
「“聖なる箱”……調査対象とする」
「俺、ただの人なんだけど!」
だが、ローブの男は言った。
「……その箱は、“世界の呪いを集める器”」
「それ、俺が聞いてない設定」
「つまり――」
男は静かに言った。
「魔王級の災厄を、あなたが引き寄せる」
……。
「今日から、あなたは
“世界のゴミ箱”です」
やめろ。
……
こうして俺は、
“神”になり、
“国家兵器”になり、
“世界のゴミ箱”になった。
全部、ダンボールのままで。
俺は、異変に気づいた。
窓の外が、うるさい。
「……なんか、人の声しない?」
ざわざわ、ざわざわ。
部屋のカーテンを少し開けて、俺は凍りついた。
そこには――
正門前に、行列。
百人はいる。
手には、花。 パン。 果物。 ……なぜか、みかん。
「え、何?」
ルシアに聞く。
「……“箱様”へのお供えです」
「神格化やめて」
もう遅かった。
◇
聖騎士団の庭には、即席の祭壇が作られていた。
白布。 ロウソク。 金色の飾り。
中央には――
俺用の“立ち位置”。
「……俺、立つの?」
「立ってください」
即答。
最初に来たのは、昨日泣いてた子供だった。
「……あの、箱さま」
「箱って言うな」
「おなか、いたいのなおして」
……え?
神官が耳打ちしてくる。
「あなたの周囲は、自然治癒が促進されます」
知らなかった。
とりあえず、子供の頭を、ダンボールの角でそっと撫でた。
……五秒後。
「……あれ? いたくない」
治った。
ざわっ。
人の目の色が変わった。
「次!」 「俺も!」 「腰が!」 「二日酔いが!」
地獄が始まった。
◇
昼には、完全に宗教になった。
《箱の方舟教》
設立者:知らない神官。
教義:
・箱様の近くにいれば健康になる
・呪いは箱に捨てる
・ガムテープは神聖
意味がわからない。
団長が頭を抱えて言った。
「……すまない。もう、止まらん」
「俺、帰っていい?」
「国家案件だ」
詰んだ。
◇
夕方。
事件は“さらに上”から来た。
黒いローブの集団が、門前に現れる。
「……異端審問庁です」
やばいやつ来た。
団内、緊張。
リーダーが俺を見る。
「“聖なる箱”……調査対象とする」
「俺、ただの人なんだけど!」
だが、ローブの男は言った。
「……その箱は、“世界の呪いを集める器”」
「それ、俺が聞いてない設定」
「つまり――」
男は静かに言った。
「魔王級の災厄を、あなたが引き寄せる」
……。
「今日から、あなたは
“世界のゴミ箱”です」
やめろ。
……
こうして俺は、
“神”になり、
“国家兵器”になり、
“世界のゴミ箱”になった。
全部、ダンボールのままで。
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