5 / 15
最初の世界級ゴミがやってくる
しおりを挟む
その夜。
俺は、自分の部屋でスープを飲んでいた。
「……コンビニ、行きたいなぁ」
箱の神扱いされてるけど、
中身はただの元ニートだ。
そんな時だった。
ズ……ズ……ズ……
床が、震えた。
「え?」
壁の聖印が、一斉に淡く光り出す。
外から、鐘が鳴る。
ドォォォン……ドォォォン……
低く、重い、警告音。
ルシアが、血相を変えて飛び込んできた。
「市外・北方結界に、“災厄反応”!」
「え、もう?」
「……“世界級”です」
世界級。
つまり、
“国が滅ぶやつ”。
◇
城壁の上。
夜の森の向こう。
空気が、黒く、歪んでいた。
まるで“夜そのものが腐っている”みたいだった。
魔術師長が、声を震わせる。
「……あれは《灰の黙示録獣》」
「え、名前もうヤバくない?」
「存在するだけで、大地が死にます」
……ひどすぎる。
だが。
そいつは、真っ直ぐ俺を見ていた。
いや。
“俺のダンボール”を。
ズル……ズル……
巨大な影が、箱の方へ近づいてくる。
「……呼ばれてる」
神官が言った。
「世界の呪いは、方舟に還る」
……俺、回収業者か。
◇
結界の外。
騎士たちが必死に構える。
だが近づけない。
霧に触れた瞬間、鎧が腐る。
俺は――
一歩、前に出た。
「……俺が、行くしかない?」
団長が、静かに頷く。
「頼む」
俺は、深呼吸して、歩いた。
ガムテープが、ペタペタ鳴る。
ダンボールの角が、淡く光る。
世界が、俺を見ていた。
……。
灰の獣が、低く唸る。
《ゴォ……オ……》
その瞬間。
黒い瘴気が、渦を巻いて俺に殺到した。
……が。
全部、箱に吸われた。
ズゴゴゴゴゴ……!!!
まるで、世界が掃除されていくみたいに。
灰の獣は、
霧を失い、
骨と皮だけの“普通の巨大トカゲ”になる。
「……トカゲ?」
「……トカゲだな」
パタン。
気絶。
世界級災厄、回収完了。
だが。
俺の箱が、また、光り出す。
【呪い蓄積率:70%】
【“方舟装甲・第二段階”に移行します】
「ちょ、待って、溜めないで!?
捨てて!?
どっか捨てて!?」
神官が言う。
「……“満杯”になると、次の器が必要になります」
「え?」
「あなた自身です」
……は?
こうして俺は、
“世界のゴミ箱”から
“世界そのものの器”に進化しようとしていた。
全然、望んでないのに。
俺は、自分の部屋でスープを飲んでいた。
「……コンビニ、行きたいなぁ」
箱の神扱いされてるけど、
中身はただの元ニートだ。
そんな時だった。
ズ……ズ……ズ……
床が、震えた。
「え?」
壁の聖印が、一斉に淡く光り出す。
外から、鐘が鳴る。
ドォォォン……ドォォォン……
低く、重い、警告音。
ルシアが、血相を変えて飛び込んできた。
「市外・北方結界に、“災厄反応”!」
「え、もう?」
「……“世界級”です」
世界級。
つまり、
“国が滅ぶやつ”。
◇
城壁の上。
夜の森の向こう。
空気が、黒く、歪んでいた。
まるで“夜そのものが腐っている”みたいだった。
魔術師長が、声を震わせる。
「……あれは《灰の黙示録獣》」
「え、名前もうヤバくない?」
「存在するだけで、大地が死にます」
……ひどすぎる。
だが。
そいつは、真っ直ぐ俺を見ていた。
いや。
“俺のダンボール”を。
ズル……ズル……
巨大な影が、箱の方へ近づいてくる。
「……呼ばれてる」
神官が言った。
「世界の呪いは、方舟に還る」
……俺、回収業者か。
◇
結界の外。
騎士たちが必死に構える。
だが近づけない。
霧に触れた瞬間、鎧が腐る。
俺は――
一歩、前に出た。
「……俺が、行くしかない?」
団長が、静かに頷く。
「頼む」
俺は、深呼吸して、歩いた。
ガムテープが、ペタペタ鳴る。
ダンボールの角が、淡く光る。
世界が、俺を見ていた。
……。
灰の獣が、低く唸る。
《ゴォ……オ……》
その瞬間。
黒い瘴気が、渦を巻いて俺に殺到した。
……が。
全部、箱に吸われた。
ズゴゴゴゴゴ……!!!
まるで、世界が掃除されていくみたいに。
灰の獣は、
霧を失い、
骨と皮だけの“普通の巨大トカゲ”になる。
「……トカゲ?」
「……トカゲだな」
パタン。
気絶。
世界級災厄、回収完了。
だが。
俺の箱が、また、光り出す。
【呪い蓄積率:70%】
【“方舟装甲・第二段階”に移行します】
「ちょ、待って、溜めないで!?
捨てて!?
どっか捨てて!?」
神官が言う。
「……“満杯”になると、次の器が必要になります」
「え?」
「あなた自身です」
……は?
こうして俺は、
“世界のゴミ箱”から
“世界そのものの器”に進化しようとしていた。
全然、望んでないのに。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
淫紋付きランジェリーパーティーへようこそ~麗人辺境伯、婿殿の逆襲の罠にハメられる
柿崎まつる
恋愛
ローテ辺境伯領から最重要機密を盗んだ男が潜んだ先は、ある紳士社交倶楽部の夜会会場。女辺境伯とその夫は夜会に潜入するが、なんとそこはランジェリーパーティーだった!
※辺境伯は女です ムーンライトノベルズに掲載済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる