ダンボール装備の俺、なぜか聖騎士団に勧誘される

チー牛Y

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箱の中に、世界が生まれた

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その晩。

俺は、眠れなかった。

理由は単純。

胸のダンボールが、重い。

物理的にじゃない。

“中が詰まってる感じ”がする。

変な言い方だけど、
ゴミ袋が満杯になった時の、あのイヤな圧迫感。

「……俺、そろそろ爆発しない?」

怖い。

かなり、怖い。





神官と魔術師長に呼び出された。

部屋の中央に、俺が立つ。

周囲には、転送陣。

「……中を、確認します」

「確認って、箱の中?」

「はい」

え、開けんの?

やめて?



剣で、
ダンボールの“フタ”が切られた。

その瞬間。

……世界が、開いた。

中は、暗い。

だが、ただの暗闇じゃない。

奥に――

星空があった。

風が吹いていた。

小さな山脈と、湖と、
……さっき回収した“元・世界級災厄トカゲ”が、のそのそ歩いてた。

「……え?」

魔術師長、声が震える。

「……“内包世界”だ……」

俺、箱の中に、異世界を作ってた。

……。


神官が、膝をついた。

「……これは、神話より古い概念です」

「もうやめて、怖い」

「“世界は、最初、箱の中から生まれた”」

「やめてって」

どうやら俺の箱は、

呪いを“消す”んじゃなく、
“別世界に隔離してる”らしい。

俺、異世界の神だった。


そして、その瞬間から。

世界が、俺を見つけた。

遠くの街。
山奥の遺跡。
地下深くの封印室。

世界中の“呪物”が、勝手に光り出す。

《……還る……》

全部、俺の箱に向かって、動き出した。

「え、待って!?
 集まってくんな!?」

俺は、世界の“掃除場”に設定された。

自動で。


団長が、真顔で言った。

「……君は、もう“逃げられない”」

「そんな」

「だが、選択肢は一つある」

「なに?」

「“箱の中の世界”を、育てることだ」

……育成ゲー、始まった。

俺の意思関係なく。


こうして俺は、

世界を救う“方舟の管理人”になった。

望んでないのに。 
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