ダンボール装備の俺、なぜか聖騎士団に勧誘される

チー牛Y

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箱になるか、箱を捨てるか

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【呪い蓄積率:98%】

その表示が、
俺の視界から消えなくなった。

まぶたを閉じても、
夢を見ても、
数字はそこにある。

世界の“穢れ”は、
もうほとんど、俺の中だ。


神官が、静かに言った。

「……“満杯”になると、
あなたの人格は、器と同化します」

「どうなるの?」

「“方舟そのもの”になります」

「俺、消える?」

「はい」

……やっぱ、そうだよな。


選択肢は二つ。

① 箱を捨てる
→ 世界に呪いが溢れ、災厄時代に逆戻り
→ 数百万人単位で死ぬ

② 箱になる
→ 世界は救われる
→ 俺は“神話”になる

最低すぎる二択。





その夜。

俺は、夢の中で箱世界を見下ろした。

神殿都市《コンビニ》。

子供たちが、走っている。 笑っている。 誰も、死にたがっていない。

……守ったんだ。

知らない間に。


……


朝。

俺は、団長の前に立った。

「……俺、箱になる」

団長は、深く、頭を下げた。

「ありがとう」

それだけだった。



儀式は、静かに行われた。

光。 祈り。 鐘の音。

俺の視界は、ゆっくり、白くなっていく。

意識が、薄れる。

その最後の瞬間、
俺は、ひとつだけ願った。

「……いつか、コンビニ行きたかったな」


世界は、救われた。

“方舟神”は、
静かに、箱になった。

物語は、神話になった。

――はずだった。

だが。

誰も知らない。

箱の中の最奥で。

“俺の意識”が、まだ、微かに残っていることを。 
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