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箱になるか、箱を捨てるか
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【呪い蓄積率:98%】
その表示が、
俺の視界から消えなくなった。
まぶたを閉じても、
夢を見ても、
数字はそこにある。
世界の“穢れ”は、
もうほとんど、俺の中だ。
神官が、静かに言った。
「……“満杯”になると、
あなたの人格は、器と同化します」
「どうなるの?」
「“方舟そのもの”になります」
「俺、消える?」
「はい」
……やっぱ、そうだよな。
選択肢は二つ。
① 箱を捨てる
→ 世界に呪いが溢れ、災厄時代に逆戻り
→ 数百万人単位で死ぬ
② 箱になる
→ 世界は救われる
→ 俺は“神話”になる
最低すぎる二択。
◇
その夜。
俺は、夢の中で箱世界を見下ろした。
神殿都市《コンビニ》。
子供たちが、走っている。 笑っている。 誰も、死にたがっていない。
……守ったんだ。
知らない間に。
……
朝。
俺は、団長の前に立った。
「……俺、箱になる」
団長は、深く、頭を下げた。
「ありがとう」
それだけだった。
儀式は、静かに行われた。
光。 祈り。 鐘の音。
俺の視界は、ゆっくり、白くなっていく。
意識が、薄れる。
その最後の瞬間、
俺は、ひとつだけ願った。
「……いつか、コンビニ行きたかったな」
世界は、救われた。
“方舟神”は、
静かに、箱になった。
物語は、神話になった。
――はずだった。
だが。
誰も知らない。
箱の中の最奥で。
“俺の意識”が、まだ、微かに残っていることを。
その表示が、
俺の視界から消えなくなった。
まぶたを閉じても、
夢を見ても、
数字はそこにある。
世界の“穢れ”は、
もうほとんど、俺の中だ。
神官が、静かに言った。
「……“満杯”になると、
あなたの人格は、器と同化します」
「どうなるの?」
「“方舟そのもの”になります」
「俺、消える?」
「はい」
……やっぱ、そうだよな。
選択肢は二つ。
① 箱を捨てる
→ 世界に呪いが溢れ、災厄時代に逆戻り
→ 数百万人単位で死ぬ
② 箱になる
→ 世界は救われる
→ 俺は“神話”になる
最低すぎる二択。
◇
その夜。
俺は、夢の中で箱世界を見下ろした。
神殿都市《コンビニ》。
子供たちが、走っている。 笑っている。 誰も、死にたがっていない。
……守ったんだ。
知らない間に。
……
朝。
俺は、団長の前に立った。
「……俺、箱になる」
団長は、深く、頭を下げた。
「ありがとう」
それだけだった。
儀式は、静かに行われた。
光。 祈り。 鐘の音。
俺の視界は、ゆっくり、白くなっていく。
意識が、薄れる。
その最後の瞬間、
俺は、ひとつだけ願った。
「……いつか、コンビニ行きたかったな」
世界は、救われた。
“方舟神”は、
静かに、箱になった。
物語は、神話になった。
――はずだった。
だが。
誰も知らない。
箱の中の最奥で。
“俺の意識”が、まだ、微かに残っていることを。
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