ダンボール装備の俺、なぜか聖騎士団に勧誘される

チー牛Y

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神は、まだ箱の中にいる

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光は、消えた。

祈りも、鐘も、遠くなった。

俺は――

“箱”になった。

……はずだった。

だが、完全には、消えていなかった。

「……あれ?」

意識が、ある。

体は、ない。

でも、考えている。

俺は“どこか”にいた。

暗い。
でも、何もないわけじゃない。

風がある。
星がある。

……箱の中の、世界の“さらに奥”。

「……まだ、生きてる?」

声は、出ない。

でも、“考え”は、届いている気がした。

その時。

誰かの声が、響いた。

『……主よ』

聞き覚えのある声。

あの、崖の上の少女だった。

彼女は、もう大人になっていた。

神殿都市《コンビニ》の中央で、
祈りの姿勢で、目を閉じている。

『……神は、まだ、ここにいます』

彼女だけが、気づいていた。

俺の“意識”に。


彼女は、“最初の信徒”だった。

神話の始まりを、
俺の“声”を、
誰よりも真剣に受け取った人間。

そして今。

世界は、平和だった。

あまりにも。

だが――

完璧な世界は、必ず、停滞する。

箱の中の世界では、
“新しい呪い”が、生まれ始めていた。

「……え?」

人の欲望。 争い。 満たされすぎたが故の歪み。

それは、
“俺の箱に入れられない種類の呪い”。

つまり。

この世界は、
次の“方舟”を必要としている。

俺は、気づいてしまった。

「……俺、まだ終われないじゃん」

神は、もう一度、目を覚ます。

箱の中から。 
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