お飾りな伴侶になった過去の自分へ忠告します「お飾りは捨てるな」と

るい

文字の大きさ
9 / 9

忠告9.お飾りを今すぐに拾ってください

しおりを挟む
 夜も深くなった頃、私は少し寝てしまっていたようだ。ただ堅苦しい衣装を着て寝た所為で目が覚めてしまった。

 私は服を脱ごうと手をかけたがこんな時間にノック音がした。誰だと私は言おうとするもそれよりも先に扉が開き、オルウェンが現れた。意外な人物すぎて私は夢かと考えたがかなりリアルだ、オルウェンの不機嫌な空気が……。

 コツコツと革靴を鳴らし、私の前に来たオルウェンはベッドに乗り上げ私の顎と肩に手を置きバルコニーであった時と同じ苛立った声で「どうしてあそこにいた?」と問い詰める。

「……パーティーだからでしょう?」

 私は意図していないが苛立ちを込めて言ってしまった。なんだろうやはりむかついていたのかもしれないが相手は公爵だ、馬鹿。もう遅いが発言に後悔する私の一方でオルウェンは無表情からわずかに眉を寄せた。

「パーティーだから何しても許されると?」
「私はパーティーに参加しただけで罰せられることはしていません」
「部屋から抜け出し、僕の前で堂々と女と踊っていてもか?」

 オルウェンはかなり怒っているらしいがその言葉は……特に後半を返してやりたくなる。私がなんだ浮気したとでも思って苛ついているのならお門違いだ、それは彼もそうだろう。

「それなら貴方はどうなる。お飾りの私を放って隠し、自分は楽しくダンスパーティー?」

 嫌味ったらしく言い切る私をオルウェンの手は強く掴んできた。本気で怒り心頭のようだがもう、私も相手が公爵だろうがどうだってよくなった。この生活を終わらせたかった、人質になるものが変わると思うが生きていれば父上を支えたいと思う。

 そう私が考えているとオルウェンが一度だけ鼻で笑う。そして冷たい目つきで私を見た彼は「お飾りが嫌ならこれから僕の妻らしく脚を開くといい」と鋭い口調で言い私を押し倒す。強引な出来事に反応が遅れる私に彼は腕と顎、身体を押さえ唇を重ねた。

「んんっ」

 無理やりなことに心が追いつかないもののだんだんと体が拒絶をみせる。体が震え、視界が歪む。誰かに助けを求めるように体が暴れた。けれどもオルウェンは構わないというように私の体を暴いていく。




「シェイン、きみがお飾りを放棄したんだ。わかるかい?」

 私を見下ろし、語りかけるオルウェンの顔がよく分からなかった。それに私の腹の中を抉るものが痛い、きっと怪我している……。

「っ痛、い……、あぁ、嫌だっ……」
「はは、僕の伴侶だろう? 痛がろうと嫌がろうと僕達は夫婦だ、子を成す行為、正当性がある……。もう逃げられないんだよ、シェイン」

 オルウェンは私の涙を指ですくい、その涙へキスする。私へ微笑みながら……。



しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

運命よりも先に、愛してしまった

AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。 しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、 2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。 その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する

子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき 「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。 そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。 背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。 結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。 「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」 誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。 叶わない恋だってわかってる。 それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。 君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。

一度は逃がしてあげたが、次は無いよ

BL
獣人もの。 今でも、昔付き合っていた狼獣人への恋慕が隠せない健気なリス獣人。 振られたのはリス獣人なのに、医師で狼の男は別れた後から何故か遊び方が派手になり、リス獣人に優しくしたり…突き放したり……。 狼獣人×リス獣人

生まれ変わりは嫌われ者

青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。 「ケイラ…っ!!」 王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。 「グレン……。愛してる。」 「あぁ。俺も愛してるケイラ。」 壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。 ━━━━━━━━━━━━━━━ あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。 なのにー、 運命というのは時に残酷なものだ。 俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。 一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。 ★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!

偽物勇者は愛を乞う

きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。 六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。 偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。

処理中です...