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樽井 奈央 Tarui Nao 悪魔のささやき
第2話
しおりを挟むこの時間ともなると、私たちみたいな年頃の子供はいない。
まあ、私も高校三年生だし、18だし、制服着てないからそんな風には見られないと思うけど。
女の子らしい、でも可愛すぎない、そして男ウケを狙ったワンピースを着て、メイクをして、髪もセットして、合コンへの準備はできてる。
ワンピースは、上着を脱ぐと背中が大きめに開いていて、座ると太もももが見えるような感じ。
どこへ行こうかな、と考えていた時
「おねーさん、1人?」
私よりも2つや3つくらい年上のおにーさんに声をかけられた。ホストみたいなチャラチャラ感はなくて、見た目は大学生っぽい。身長は高めで、髪の毛はすこし緑がかった茶髪にしていた。
私はコクン、と初々しさを出しながら頷いて
「はい」
と答えた。
すると、
「え、まじ?これからの予定とかって決まってた?」
とおにーさんがいうので、首をすこし大げさにぶんぶんふりながら、上目遣いをして、
「ただ、ここら辺を歩いてただけです」
と言った。
こういうあざとさに男はすぐにひっかかる。
そう答えるとおにーさんは、よっしゃ、と小声で言ったあとにこういった。
「え、彼氏とかいるの?」
「いませんよ」
こういう話題になったらもうこっちのもん。
合コンとまではいかなくてもご飯くらいご馳走してくれるかも。
「え、じゃあさ、合コンこない?」
「えっ?」
まさか、合コンの誘いだと思わなくてびっくりした。
合コンとかだったら普通、複数人でくるか、複数人のグループをナンパするものだと思ってた。
「あ、いやだった?ごめんね」
「あ、いえ、いやじゃないです!」
「え、ほんとに?」
「はい!」
「ちょうど1人足りなかったんだよね」
なんだ、ただの人数合わせなのか。
すこしがっかりしてしまった。
おにーさんは私の表情からそう思ったことを読み取ったのか
「人数合わせなんかじゃないからね!おねーさんが可愛いから声かけたんだからね!」
そう言われてほっとして、笑みがこぼれた。
ほら、男は簡単にだまされる、って。
「俺の名前は達也(たつや)!よろしく!」
「あ、えっと、奈央です、よろしくお願いします」
「そんなに固くなんないで!俺のことは達也でいいから!
ほかのやつらも呼び捨てでいいよ!」
「はい!」
達也の笑った顔はまぶしくて、ああ、たくさんの人に好かれてそうだなって思った。
「そんじゃ、早速行こう!」
そういうと、達也は私の手を引っ張って、合コンをするであろう場所へと連れて行った。
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