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アクアマリンの章
1. Ep-7.言葉
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王城の方から一人の老齢の男性が歩いてくるのが見える、鋭い眼差しと身なりが良さそうな服、そして服の胸辺りには元老院の紋章が見える。
いつもルゼリアに敵意を見せる元老院の一人アスミラ・レインウッドだ。見た目は80程に見えるがその鋭い眼差しは衰える気配を見せない。
「…………これはこれは、ルゼリア姫、おはようございます」
アスミラの言葉にルゼリアはビクリと体を強張らせた、シュネに助けを求めたくてもシュネは今近くには居ない、
騎士達も元老院の一人であるアスミラに発言する事は出来ず嫌そうな顔をしながらも騎士の礼を取っている。
だが臣下が礼をしているのだからルゼリアも返事をしなければならない、
ルゼリアは服の袖をつまみ頭を下げる、声を出す事の出来ないルゼリアにはこれが精一杯の挨拶でもある。
シュネに叩き込まれた礼儀作法は完璧だ、その点に関しては文句は言われた事はない。
アスミラはじっとルゼリアを不躾な瞳で見つめていたが徐に口を開いた。
「そう言えば今日は城の外に視察の日でしたな、そのお姿で行かれるおつもりか。王女には見えませぬな」
ルゼリアが着ている服は質素なものだ、豪華な装いでない事を批難しているようだ。
『………………この服はお父様から賜ったものでシュネが選んでくれたものです。とても動きやすく視察には丁度良いと思っています』
ゆっくりと口を動かして手話でもアスミラに話しかける。だがアスミラは僅かに目を細めすぐに歩き出しルゼリアの荷物を一瞥する。
「姫ともあろう者がこの程度の物しか用意できぬとは…………ああ、この程度で足りる程貴方様の医療施設は充実しているのでしょうな」
姫の癖にっと言う蔑みの言葉を言うアスミラにルゼリアはギュッと手を握り締めた。
今のルゼリアにはそれ程の物資を提供する事が出来ない、それは癒しの大樹が無償の医療施設でありその負担がすべてルゼリアに来ているからだ。
孤児院に関しても手を差し伸べているルゼリアにはこれが精一杯でそれをアスミラは嘲笑うのだ。
「宜しければ私からもこれの10倍の物資を手配させましょうか、その程度であればすぐにでもご用意できますが」
アスミラの言葉にルゼリアは唇を噛み締めながらありがとうございますと頭を下げる。
『既に先に殆どの荷物を送ってあるのです、これは時間が間に合わなかった分のみです。ですがこの量の10倍となると受け入れる癒しの大樹も困ってしまう事でしょう、癒しの大樹には毎日大勢の患者が集まります。今日は視察の日で皆忙しいでしょうから次の機会にお願いしても宜しいですか?その際は10倍と言わず20倍、30倍と用意してくださると貧民区や市外区から訪れる患者の皆様が喜びます』
「生意気な事だ。貴方はご自分が何者であるか分かっていて私に言っておられるのですかな?これでも私は先代の頃から王家に仕えるものであり純血の竜でもある、それに比べて貴方様はどうなのですかな?竜と人間との血が混じり合った異端の穢れた方だ。王の庇護の下でなければ生きる事さえ出来ぬ弱き存在だ、資金もどうやって調達しているのです?ああ、お父上に泣き付いていらっしゃるのでしたな」
アスミラの言葉に心がキシキシと軋むようだった、会う度に言われる言葉はルゼリアの心を傷つけていく。
『…………最近はお父様には会ってはおりません。常にお父様の側でいらっしゃるのですから僕が会っていない事はご存知の事と思います』
「そうでしたな。特定の日以外は会わないというのがお約束でありましたな」
『…………ええ』
「では…………」
ゆっくりとルゼリアに近づき尚もアスミラが口を開こうとした時、近くで控えていたトリノがさり気なくルゼリアの前に立っていた。
ルゼリアを庇うように背中に隠すトリノにアスミラは不快そうに眉を潜める。
「貴様は………………」
「アスミラ様、私は南方騎士団第七師団長トリノ・ヴァーリアでございます。これ以上姫君に近づくのはお控えください。我等南方騎士団、シュネリアノ様よりルゼリア様の護衛を言い付かっております」
トリノの言葉を聞きながらアスミラは威嚇するようにトリノを睨んでいた、
その後ろではルゼリアが小さく震えながら前に居るトリノの服の袖を掴んでいる。
「貴様は私が何者か分かっているのに口を聞くつもりか」
「…………シュネリアノ様はアルヴァーニ王国ラザード陛下からルゼリア様を一任されているお方、そのシュネリアノ様の言葉は我等にとってはルゼリア姫様と並ぶほどの重要事項でございます。例え元老院筆頭であるアスミラ様のお言葉でありましても我等が従うべき言葉はルゼリア様とシュネリアノ様のお言葉でございます、どうぞルゼリア姫に近づくのはお控えくださいますよう」
深々と一礼するトリノにアスミラは気に入らないっと口調を荒げた。
「南方と言えば貧民区出身であろう、貴族でもないただの卑しい貧民風情が私に口答えをするな!!」
アスミラの怒鳴り声にトリノの後ろに居たルゼリアは怯える。
幼い頃からアスミラの言葉の暴力を受けてきたルゼリアは本能的にアスミラを恐れている。
震えるルゼリアを尚も背中に庇いながらトリノは一歩も引きはしなかった。
更にトリノを罵ろうと口を開こうとしたアスミラだが別の場所からアスミラを呼ぶ声がする。
それはルゼリアの乳母でもあるシュネリアノだった。
「アスミラ様、お久しぶりでございますね?お元気にされていましたか?大きな声が聞こえましたがどうかされたのですか」
アスミラの視線がゆっくりと歩いてくるシュネへと向けられる。
「………………シュネリアノ殿、お久しぶりですな、相変わらずお美しい」
「ありがとうございます、それでアスミラ様はこのような所に何用ですか?王の臣下ともあろう者が王から離れるなど、珍しい事もございますね?」
シュネはアスミラに話しかけながらもトリノの横へと移動してくる。
アスミラは僅かに目を細めはしたものの、もうトリノには興味がなくなったのか視線を向ける事はなかった。
「良い朝でしたのでな、散歩です。これ程気持ちの良い日に部屋に篭っていては体に悪いですからな」
「さようでございますね、これ程素敵な日なのですから楽しい気分でいたいものですわね」
シュネの言葉にアスミラは一度黙ってトリノに庇われているルゼリアを見た。
「ではルゼリア姫、またの機会に」
そう言ってアスミラは一礼しその場から離れて行く、アスミラの姿が完全に消えたのを確認してからルゼリアは深々と溜息を吐き出した。
『シュネ、トリノ…………助かりました。ありがとうございます』
「アスミラ様にも困ったものです、有能なのにご自分の血を誇りすぎる、ルゼリア様、あの方に何か言われませんでしたか」
物資の援助の話をされはしたけれど、それをシュネに言う気はなかった。
アスミラからの……いや、元老院からの援助を受けいれれば一時的には患者を潤す事は出来るだろうが元老院の介入は目に見えている。
元老院が介入すれば癒しの大樹は一気に貴族のものになってしまうだろう、
そうなれば富裕層はより豊かになるだろうが貧困層はより貧困に陥ってしまう、それでは以前となんら変わらないのだ。
そうしない為にも元老院の介入は許してはいけない。そうルゼリアは思っている。
『いつもの意地悪を言われたぐらいです…………途中でトリノが庇ってくれましたから……』
一気に疲れた溜まったルゼリアは肩を落としながらも庇ってくれたトリノに改めて感謝の言葉を伝えた。
『トリノ、庇ってくれてありがとうございます…………そしてごめんなさい、僕を庇った為にトリノが酷い事を言われてしまいました』
「…………いえ、お顔の色が優れませんが大丈夫ですか」
アスミラによって傷つけられたルゼリアの顔色は酷く悪いものになっている、シュネもそれに気付き視察は延期しましょうかと問いかけるがルゼリアは首を横に振って大丈夫ですと答えた。
『お城に居ると余計に気分が滅入ってしまいます…………少しで良いので外の空気が吸いたいです』
この場に居たくないと願うルゼリアにシュネはそうでございますねっと告げ急いで城を離れましょうと促していく。
馬車の近くではアリシアが罰の悪そうな顔をしていて南方騎士団の影に隠れていた。
「アリシア、何故隠れているのですか」
シュネが尋ねればアリシアは見つからないように隠れていたんですっと答えている。
「アスミラ様に見つかると社交辞令やら見合いをしろやら言われるので隠れていたんです。姫君、助けれなくてすみません」
トリノはルゼリアを庇ったがアリシアはルゼリアを庇えなかった、それを気にしているようだ。
『いえ、アリシアが酷い事を言われなくてよかったです』
気にしないで下さい、そう言ってからルゼリアは気を取り直すように一度大きく深呼吸をして馬車へと戻って行った。
いつもルゼリアに敵意を見せる元老院の一人アスミラ・レインウッドだ。見た目は80程に見えるがその鋭い眼差しは衰える気配を見せない。
「…………これはこれは、ルゼリア姫、おはようございます」
アスミラの言葉にルゼリアはビクリと体を強張らせた、シュネに助けを求めたくてもシュネは今近くには居ない、
騎士達も元老院の一人であるアスミラに発言する事は出来ず嫌そうな顔をしながらも騎士の礼を取っている。
だが臣下が礼をしているのだからルゼリアも返事をしなければならない、
ルゼリアは服の袖をつまみ頭を下げる、声を出す事の出来ないルゼリアにはこれが精一杯の挨拶でもある。
シュネに叩き込まれた礼儀作法は完璧だ、その点に関しては文句は言われた事はない。
アスミラはじっとルゼリアを不躾な瞳で見つめていたが徐に口を開いた。
「そう言えば今日は城の外に視察の日でしたな、そのお姿で行かれるおつもりか。王女には見えませぬな」
ルゼリアが着ている服は質素なものだ、豪華な装いでない事を批難しているようだ。
『………………この服はお父様から賜ったものでシュネが選んでくれたものです。とても動きやすく視察には丁度良いと思っています』
ゆっくりと口を動かして手話でもアスミラに話しかける。だがアスミラは僅かに目を細めすぐに歩き出しルゼリアの荷物を一瞥する。
「姫ともあろう者がこの程度の物しか用意できぬとは…………ああ、この程度で足りる程貴方様の医療施設は充実しているのでしょうな」
姫の癖にっと言う蔑みの言葉を言うアスミラにルゼリアはギュッと手を握り締めた。
今のルゼリアにはそれ程の物資を提供する事が出来ない、それは癒しの大樹が無償の医療施設でありその負担がすべてルゼリアに来ているからだ。
孤児院に関しても手を差し伸べているルゼリアにはこれが精一杯でそれをアスミラは嘲笑うのだ。
「宜しければ私からもこれの10倍の物資を手配させましょうか、その程度であればすぐにでもご用意できますが」
アスミラの言葉にルゼリアは唇を噛み締めながらありがとうございますと頭を下げる。
『既に先に殆どの荷物を送ってあるのです、これは時間が間に合わなかった分のみです。ですがこの量の10倍となると受け入れる癒しの大樹も困ってしまう事でしょう、癒しの大樹には毎日大勢の患者が集まります。今日は視察の日で皆忙しいでしょうから次の機会にお願いしても宜しいですか?その際は10倍と言わず20倍、30倍と用意してくださると貧民区や市外区から訪れる患者の皆様が喜びます』
「生意気な事だ。貴方はご自分が何者であるか分かっていて私に言っておられるのですかな?これでも私は先代の頃から王家に仕えるものであり純血の竜でもある、それに比べて貴方様はどうなのですかな?竜と人間との血が混じり合った異端の穢れた方だ。王の庇護の下でなければ生きる事さえ出来ぬ弱き存在だ、資金もどうやって調達しているのです?ああ、お父上に泣き付いていらっしゃるのでしたな」
アスミラの言葉に心がキシキシと軋むようだった、会う度に言われる言葉はルゼリアの心を傷つけていく。
『…………最近はお父様には会ってはおりません。常にお父様の側でいらっしゃるのですから僕が会っていない事はご存知の事と思います』
「そうでしたな。特定の日以外は会わないというのがお約束でありましたな」
『…………ええ』
「では…………」
ゆっくりとルゼリアに近づき尚もアスミラが口を開こうとした時、近くで控えていたトリノがさり気なくルゼリアの前に立っていた。
ルゼリアを庇うように背中に隠すトリノにアスミラは不快そうに眉を潜める。
「貴様は………………」
「アスミラ様、私は南方騎士団第七師団長トリノ・ヴァーリアでございます。これ以上姫君に近づくのはお控えください。我等南方騎士団、シュネリアノ様よりルゼリア様の護衛を言い付かっております」
トリノの言葉を聞きながらアスミラは威嚇するようにトリノを睨んでいた、
その後ろではルゼリアが小さく震えながら前に居るトリノの服の袖を掴んでいる。
「貴様は私が何者か分かっているのに口を聞くつもりか」
「…………シュネリアノ様はアルヴァーニ王国ラザード陛下からルゼリア様を一任されているお方、そのシュネリアノ様の言葉は我等にとってはルゼリア姫様と並ぶほどの重要事項でございます。例え元老院筆頭であるアスミラ様のお言葉でありましても我等が従うべき言葉はルゼリア様とシュネリアノ様のお言葉でございます、どうぞルゼリア姫に近づくのはお控えくださいますよう」
深々と一礼するトリノにアスミラは気に入らないっと口調を荒げた。
「南方と言えば貧民区出身であろう、貴族でもないただの卑しい貧民風情が私に口答えをするな!!」
アスミラの怒鳴り声にトリノの後ろに居たルゼリアは怯える。
幼い頃からアスミラの言葉の暴力を受けてきたルゼリアは本能的にアスミラを恐れている。
震えるルゼリアを尚も背中に庇いながらトリノは一歩も引きはしなかった。
更にトリノを罵ろうと口を開こうとしたアスミラだが別の場所からアスミラを呼ぶ声がする。
それはルゼリアの乳母でもあるシュネリアノだった。
「アスミラ様、お久しぶりでございますね?お元気にされていましたか?大きな声が聞こえましたがどうかされたのですか」
アスミラの視線がゆっくりと歩いてくるシュネへと向けられる。
「………………シュネリアノ殿、お久しぶりですな、相変わらずお美しい」
「ありがとうございます、それでアスミラ様はこのような所に何用ですか?王の臣下ともあろう者が王から離れるなど、珍しい事もございますね?」
シュネはアスミラに話しかけながらもトリノの横へと移動してくる。
アスミラは僅かに目を細めはしたものの、もうトリノには興味がなくなったのか視線を向ける事はなかった。
「良い朝でしたのでな、散歩です。これ程気持ちの良い日に部屋に篭っていては体に悪いですからな」
「さようでございますね、これ程素敵な日なのですから楽しい気分でいたいものですわね」
シュネの言葉にアスミラは一度黙ってトリノに庇われているルゼリアを見た。
「ではルゼリア姫、またの機会に」
そう言ってアスミラは一礼しその場から離れて行く、アスミラの姿が完全に消えたのを確認してからルゼリアは深々と溜息を吐き出した。
『シュネ、トリノ…………助かりました。ありがとうございます』
「アスミラ様にも困ったものです、有能なのにご自分の血を誇りすぎる、ルゼリア様、あの方に何か言われませんでしたか」
物資の援助の話をされはしたけれど、それをシュネに言う気はなかった。
アスミラからの……いや、元老院からの援助を受けいれれば一時的には患者を潤す事は出来るだろうが元老院の介入は目に見えている。
元老院が介入すれば癒しの大樹は一気に貴族のものになってしまうだろう、
そうなれば富裕層はより豊かになるだろうが貧困層はより貧困に陥ってしまう、それでは以前となんら変わらないのだ。
そうしない為にも元老院の介入は許してはいけない。そうルゼリアは思っている。
『いつもの意地悪を言われたぐらいです…………途中でトリノが庇ってくれましたから……』
一気に疲れた溜まったルゼリアは肩を落としながらも庇ってくれたトリノに改めて感謝の言葉を伝えた。
『トリノ、庇ってくれてありがとうございます…………そしてごめんなさい、僕を庇った為にトリノが酷い事を言われてしまいました』
「…………いえ、お顔の色が優れませんが大丈夫ですか」
アスミラによって傷つけられたルゼリアの顔色は酷く悪いものになっている、シュネもそれに気付き視察は延期しましょうかと問いかけるがルゼリアは首を横に振って大丈夫ですと答えた。
『お城に居ると余計に気分が滅入ってしまいます…………少しで良いので外の空気が吸いたいです』
この場に居たくないと願うルゼリアにシュネはそうでございますねっと告げ急いで城を離れましょうと促していく。
馬車の近くではアリシアが罰の悪そうな顔をしていて南方騎士団の影に隠れていた。
「アリシア、何故隠れているのですか」
シュネが尋ねればアリシアは見つからないように隠れていたんですっと答えている。
「アスミラ様に見つかると社交辞令やら見合いをしろやら言われるので隠れていたんです。姫君、助けれなくてすみません」
トリノはルゼリアを庇ったがアリシアはルゼリアを庇えなかった、それを気にしているようだ。
『いえ、アリシアが酷い事を言われなくてよかったです』
気にしないで下さい、そう言ってからルゼリアは気を取り直すように一度大きく深呼吸をして馬車へと戻って行った。
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