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アクアマリンの章
1. Ep-10.炊き出し
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炊き出しをする場所は癒しの大樹の裏手にある、この医療施設のシンボルともなった大樹の近くに決定された。
数人の騎士達に孤児院への伝令を行ってもらいその間にルゼリアは大樹の木陰で座って溜息を吐き出していた。
近くには第七師団長のトリノが控えている、他の者達は怪我人の治療や使いに出ている。
シュネがルゼリアの護衛が少なくなる事を嫌がったがルゼリアは非常事態ですっと殆どの騎士を自分から離したのだ。
今いる騎士団の中で一番腕に自信があるトリノがルゼリアをしっかりと守っている。
木陰の地面はとてもふわふわの草が生えていた。
シュネがいれば怒るだろうがルゼリアはその地面に腰を下ろしている。
と言ってもトリノが上着を地面に敷いてその上にルゼリアを座らせているのだ。
『トリノ…………採掘場はどうなっているでしょうか、他の怪我をした方々は無事でしょうか』
不安そうに手を動かして語るルゼリアにトリノは自分の知る範囲の情報をルゼリアに伝えていく。
「現状は深刻と言う程ではないようです、労働者から話を聞いた限りでは崩落した部分は浅い場所だったそうです。
新しく掘り始めたばかりだった為ですがそれが幸いしていたようです、貴族の方々はすぐに逃げてしまったようで残されたのは怪我人ばかりだったとか」
今はどうなっているのですかと尋ねればトリノは首を横に振った、
「採掘場所は元老院の手によって我々騎士団の管理化には置かれておりません、ですが緊急時であれば東方騎士団と北方騎士団に伝わる筈なのでアリシア殿がいますからそこから何かわかるかもしれません」
『…………アリシアは知っていたのでしょうか』
アリシアは東方騎士団の第一師団長だ、採掘場は北東の方に位置していて東方騎士団であれば報告が上がる筈だ。
「どうでしょう、ですがアリシア殿は焦っていましたので知らなかったのではないでしょうか」
現在アリシアはトリノの部下数名に自分の署名の入った書状を持たせて戻らせている。
本人が戻れば早いのだろうがそうすればルゼリア達に情報がこなくなってしまう。
ふうと息を吐き出したルゼリアは不安そうに手を握り締めている
『……お父様は…………きっと動いてくれますよね?』
ルゼリアの父、アルヴァーニ王は民からの信頼が厚いカリスマ的存在だ。
水竜の一族に置いて最強の力を有している、アルヴァーニ王が動けば自体を治める事も早いはずなのだ。
「陛下の事です、すぐにでも動いている筈です」
『元老院の方々に…………止められていないでしょうか』
すぐに返事を返すトリノだがルゼリアの言葉には言葉を詰まらせた。
アルヴァーニ王は今危うい立場に立たされている、竜と人間との間に生まれた異端の姫であるルゼリアを庇護した為に元老院に追及されているのだ。
王家でありながら人間との間に異端の娘を生ませた事、それを過ちだと責める元老院達。
人間は竜達よりも当然ながら寿命は短い、アルヴァーニ王は今まで一度もルゼリアの母親の事は口にする事はなくルゼリアの母親がどんな人間だったのか誰も知らない。
ルゼリアを守る為にアルヴァーニ王は元老院にある一定の権利を与えた。
それが原因で元老院の暴走を止めれない父親にルゼリアは酷く責任を感じているのだ。
『僕がいなければお父様を苦しめる事もなかったのに…………』
口だけが紡ぐその言葉は他の騎士であれば見逃していただろうがトリノは違った。
「姫君、そのようなお考えはお止めください」
ごめんなさいと謝りながらもルゼリアはやはり自分を責めてしまうのだが今は自分を責めていても何も始まらず気持ちを落ち着かせるように何度も深呼吸を繰り返す。
しばらく経つと孤児院へと向かっていた騎士達がいくつかの荷馬車を運んでくるのが見えた。
その後ろには何台かの幌馬車のようなものが見える、恐らくは人が乗っているのだろう。
到着した荷馬車には炊き出しで使う為の食材や道具などが木箱に入って乗せられている。
人が乗っているであろう幌馬車の方へ移動すれば幌馬車から最初に一人の青年が姿を現した、それは訪れる予定だった孤児院の神父でもある。
神父はルゼリアに気付いて恭しく一礼する、その礼は騎士団の騎士達がするもので彼がかつては騎士であった事を物語っている。
「姫様、お久しぶりでございます」
神父の言葉にルゼリアはコクリと頷きながら裾を摘んで挨拶をした、
幌馬車からは小さな顔がいくつも覗いていて孤児院の子供達が興味深そうにルゼリアを見つめている。
「こら、お前達、姫様に失礼だぞ」
神父の言葉にピャっと悲鳴を上げて子供達は顔を引っ込ませる。
『子供達を下ろしてあげてください、ただ癒しの大樹の中には人が大勢居るので…………あちらの空き地へ』
怪我人もいる事を伝えれば神父は頷き騎士達の手を借りながら子供達を下ろしていく。
地面に降りた子供達は真っ先にルゼリアの下に訪れて挨拶をしていきルゼリアは一人一人に同じように挨拶をした。
子供と言っても背丈はルゼリアとほぼ同じか、それよりも高い子もいる。
幼児体系で同年代にしか見えないルゼリアは苦笑しながらも気をつけて遊んでくださいねと注意を促して炊き出しの準備をする為にその場を離れた。
騎士達が道具を荷馬車から下ろしていくのを見ながらルゼリアは炊き出しの食材が入った木箱を見つめていた。
ドンドンドンと置かれた食材の多くは野菜と魚だ、基本的に竜は何でも食べるのだがそれぞれの種族で主食が違う、
水竜は主に魚がメインだ、水の豊富なこの国では魚には事欠く事はない、肉も食べないわけではないけれどどちらかと言えば魚の方が多く食べられている。
『お魚は焼いた方が脂身が乗って美味しいですね、しかもかなり大きな物が多いですし食べ応えがありそうです、お野菜も新鮮な葉野菜が豊富です。根菜もあるようですが…………』
食べやすいような炊き出しにしなければいけない、本来は孤児院で作る予定だった為にある程度献立は考えてはいたけれどそれは健康な者達が食べる事を想定したものだった。
この場所での炊き出しとなると体に負担に掛からない物に変える必要があった。
『胃に優しい料理にする事にしましょう、でも焼き魚は外せませんね』
魚好きな水竜は焼いた魚が大好物だ、後は胃に優しく満腹になる料理で大丈夫だろう。
ただ訪れるだろう人数と食材を考えると食材が少ない事は確かだ、その為ルゼリアは事前に騎士の何人かに食材の調達に走ってもらっている。
「姫様、準備が整いました」
食材を見ていたルゼリアは声のした方を見つめれば炊き出しをする為の準備が整っている事に気付く、
簡易的な竈の上には大きな寸胴鍋がセットされている、大きさ的にルゼリアよりも確実に大きくその鍋が何個も置かれている。
鍋はルゼリアが炊き出しをする為に以前から使っているものだ、ただ、その鍋は当然ながら重くルゼリアには持つ事が出来ないものだった。
後はなんとかなりそうだ、少しでも民達の為にとルゼリアはエプロンを身につけた。
数人の騎士達に孤児院への伝令を行ってもらいその間にルゼリアは大樹の木陰で座って溜息を吐き出していた。
近くには第七師団長のトリノが控えている、他の者達は怪我人の治療や使いに出ている。
シュネがルゼリアの護衛が少なくなる事を嫌がったがルゼリアは非常事態ですっと殆どの騎士を自分から離したのだ。
今いる騎士団の中で一番腕に自信があるトリノがルゼリアをしっかりと守っている。
木陰の地面はとてもふわふわの草が生えていた。
シュネがいれば怒るだろうがルゼリアはその地面に腰を下ろしている。
と言ってもトリノが上着を地面に敷いてその上にルゼリアを座らせているのだ。
『トリノ…………採掘場はどうなっているでしょうか、他の怪我をした方々は無事でしょうか』
不安そうに手を動かして語るルゼリアにトリノは自分の知る範囲の情報をルゼリアに伝えていく。
「現状は深刻と言う程ではないようです、労働者から話を聞いた限りでは崩落した部分は浅い場所だったそうです。
新しく掘り始めたばかりだった為ですがそれが幸いしていたようです、貴族の方々はすぐに逃げてしまったようで残されたのは怪我人ばかりだったとか」
今はどうなっているのですかと尋ねればトリノは首を横に振った、
「採掘場所は元老院の手によって我々騎士団の管理化には置かれておりません、ですが緊急時であれば東方騎士団と北方騎士団に伝わる筈なのでアリシア殿がいますからそこから何かわかるかもしれません」
『…………アリシアは知っていたのでしょうか』
アリシアは東方騎士団の第一師団長だ、採掘場は北東の方に位置していて東方騎士団であれば報告が上がる筈だ。
「どうでしょう、ですがアリシア殿は焦っていましたので知らなかったのではないでしょうか」
現在アリシアはトリノの部下数名に自分の署名の入った書状を持たせて戻らせている。
本人が戻れば早いのだろうがそうすればルゼリア達に情報がこなくなってしまう。
ふうと息を吐き出したルゼリアは不安そうに手を握り締めている
『……お父様は…………きっと動いてくれますよね?』
ルゼリアの父、アルヴァーニ王は民からの信頼が厚いカリスマ的存在だ。
水竜の一族に置いて最強の力を有している、アルヴァーニ王が動けば自体を治める事も早いはずなのだ。
「陛下の事です、すぐにでも動いている筈です」
『元老院の方々に…………止められていないでしょうか』
すぐに返事を返すトリノだがルゼリアの言葉には言葉を詰まらせた。
アルヴァーニ王は今危うい立場に立たされている、竜と人間との間に生まれた異端の姫であるルゼリアを庇護した為に元老院に追及されているのだ。
王家でありながら人間との間に異端の娘を生ませた事、それを過ちだと責める元老院達。
人間は竜達よりも当然ながら寿命は短い、アルヴァーニ王は今まで一度もルゼリアの母親の事は口にする事はなくルゼリアの母親がどんな人間だったのか誰も知らない。
ルゼリアを守る為にアルヴァーニ王は元老院にある一定の権利を与えた。
それが原因で元老院の暴走を止めれない父親にルゼリアは酷く責任を感じているのだ。
『僕がいなければお父様を苦しめる事もなかったのに…………』
口だけが紡ぐその言葉は他の騎士であれば見逃していただろうがトリノは違った。
「姫君、そのようなお考えはお止めください」
ごめんなさいと謝りながらもルゼリアはやはり自分を責めてしまうのだが今は自分を責めていても何も始まらず気持ちを落ち着かせるように何度も深呼吸を繰り返す。
しばらく経つと孤児院へと向かっていた騎士達がいくつかの荷馬車を運んでくるのが見えた。
その後ろには何台かの幌馬車のようなものが見える、恐らくは人が乗っているのだろう。
到着した荷馬車には炊き出しで使う為の食材や道具などが木箱に入って乗せられている。
人が乗っているであろう幌馬車の方へ移動すれば幌馬車から最初に一人の青年が姿を現した、それは訪れる予定だった孤児院の神父でもある。
神父はルゼリアに気付いて恭しく一礼する、その礼は騎士団の騎士達がするもので彼がかつては騎士であった事を物語っている。
「姫様、お久しぶりでございます」
神父の言葉にルゼリアはコクリと頷きながら裾を摘んで挨拶をした、
幌馬車からは小さな顔がいくつも覗いていて孤児院の子供達が興味深そうにルゼリアを見つめている。
「こら、お前達、姫様に失礼だぞ」
神父の言葉にピャっと悲鳴を上げて子供達は顔を引っ込ませる。
『子供達を下ろしてあげてください、ただ癒しの大樹の中には人が大勢居るので…………あちらの空き地へ』
怪我人もいる事を伝えれば神父は頷き騎士達の手を借りながら子供達を下ろしていく。
地面に降りた子供達は真っ先にルゼリアの下に訪れて挨拶をしていきルゼリアは一人一人に同じように挨拶をした。
子供と言っても背丈はルゼリアとほぼ同じか、それよりも高い子もいる。
幼児体系で同年代にしか見えないルゼリアは苦笑しながらも気をつけて遊んでくださいねと注意を促して炊き出しの準備をする為にその場を離れた。
騎士達が道具を荷馬車から下ろしていくのを見ながらルゼリアは炊き出しの食材が入った木箱を見つめていた。
ドンドンドンと置かれた食材の多くは野菜と魚だ、基本的に竜は何でも食べるのだがそれぞれの種族で主食が違う、
水竜は主に魚がメインだ、水の豊富なこの国では魚には事欠く事はない、肉も食べないわけではないけれどどちらかと言えば魚の方が多く食べられている。
『お魚は焼いた方が脂身が乗って美味しいですね、しかもかなり大きな物が多いですし食べ応えがありそうです、お野菜も新鮮な葉野菜が豊富です。根菜もあるようですが…………』
食べやすいような炊き出しにしなければいけない、本来は孤児院で作る予定だった為にある程度献立は考えてはいたけれどそれは健康な者達が食べる事を想定したものだった。
この場所での炊き出しとなると体に負担に掛からない物に変える必要があった。
『胃に優しい料理にする事にしましょう、でも焼き魚は外せませんね』
魚好きな水竜は焼いた魚が大好物だ、後は胃に優しく満腹になる料理で大丈夫だろう。
ただ訪れるだろう人数と食材を考えると食材が少ない事は確かだ、その為ルゼリアは事前に騎士の何人かに食材の調達に走ってもらっている。
「姫様、準備が整いました」
食材を見ていたルゼリアは声のした方を見つめれば炊き出しをする為の準備が整っている事に気付く、
簡易的な竈の上には大きな寸胴鍋がセットされている、大きさ的にルゼリアよりも確実に大きくその鍋が何個も置かれている。
鍋はルゼリアが炊き出しをする為に以前から使っているものだ、ただ、その鍋は当然ながら重くルゼリアには持つ事が出来ないものだった。
後はなんとかなりそうだ、少しでも民達の為にとルゼリアはエプロンを身につけた。
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