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第五章 悪魔騎士団襲来編
六
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行軍を再開したけれど、やっていたことは食料探しだった。
洞窟に転移した時、荷物を全部失い、もとの地点に戻っても、荷物はなかった。
ひどい話である。しかし食べないと生きていけない。
木の実を求めつつ、方向感覚を失わないように移動した。シリュウは、どこかに罠を仕掛けて、しばらくある程度の範囲に留まることを提案したけど、僕が却下した。
上級悪魔を絶対に黒の領域で相手する必要はない。僕の中では、あの連中が一般人を無駄に殺戮しないことに確信が出来つつあった。
どうにかこうにか先へ進んで、やがて、人間が切り開いた道路に出た。
ただ、待ち伏せるように悪魔がそこにいた。
ローブを脱ぎ捨て、銀髪を赤い瞳が明らかになる。しかし見たことのない顔。六花騎士団は六人と聞いている。二人倒したので、目の前にいるのは顔を知らなかった唯一の一人だ。
「お仲間はいないのか?」
シリュウが悠然と歩み寄った。対する悪魔も、少しも気持ちを乱していない。自分からも歩を進めていく。
「一人でもお前は倒せる。ベラ団長の判断だ」
「失敗だったな」
シリュウが剣を抜いた。悪魔も鞘走らせる。
シリュウの体が不自然に見える動きをした。前進と後退が不規則に連続する。
悪魔は明らかに動揺した。間合いを取ろうと、後退する。
それを見逃すシリュウではない。
一閃。
悪魔の腕が切り飛ばされた。続けざまに両足が切断された。
地面に倒れこんだ悪魔が絶叫する。その残っている腕に剣を突き立て、地面に磔にする。
「俺に構わない方が良いと伝えておけ」
剣を捻って、シリュウが悪魔の唯一無事な腕をもぎ取った。さらなる絶叫。
僕は嘔吐しそうだったのをどうにか耐えて、こちらに歩み寄ってくるシリュウを迎える。
「一方的だったな。あんな苦痛を与えなくても良いほどに」
シリュウはこちらを睨んだが、すぐに視線を柔らかいものに変えた。
「お前は優しいな、アルス」
「誰かさんが非情なだけだよ。早く移動しよう。街に戻るべきだ」
二人で街の方へ歩いていくとすぐに輸送部隊の馬車がやってきた。助け合いが暗黙のルールなので、彼らは僕たちを乗せ、走り出した。
デリア砦に到着したのは深夜だった。宿泊施設が満室だったので、僕たちは砦の通路で休んだ。そして翌朝、痛む体に呻きつつ、空いた宿泊施設の部屋を押さえ、存分に食事をしてから、部屋に入って休んだ。
二人で目覚めたのは宵の口で、また腹が減っている。改めて、二人で食堂で食べられるだけ食べた。
「借金地獄に転落しつつあるな」
どこか楽しそうにシリュウが呟くが、無視。
手持ちが底を尽いたので、紹介所の支部から紹介してもらった金貸しから資金を借りていた。砦にいる金貸しだから、返済する人間が少ないのだろう、かなりな高利だった。
その日も部屋で休んで、翌日には砦を出た。
乗合馬車でリーンへ戻る。結局、紹介所に提出した計画書とは全然、合致しない行動だったなぁ。イレギュラーが多すぎた。
僕たちは風呂屋に行って、それからメリッサの軽食屋に顔を出した。彼女も、店に出ていたトウコも驚いていた。
仕事の最中で邪魔もできないので、僕たちは食べてすぐに店を出た。
借金のことを考えつつ、集合住宅へ帰ろうとすると、二人のローブ姿が待ち構えていた。
さすがにもう慣れたので、僕は驚きもせずに間合いを取った。
「残酷なことをするな、八英雄」
二人がローブを脱ぎ捨てる。一人はベラ、もう一人はヨヨだった。
シリュウは周囲を見ている。通行人は不思議そうにしているか、何かの決闘かと注意を向けているか、どちらかだ。
ベラとヨヨが剣を抜いた。それでも悲鳴をあげるような市民は、リーンにはいない。通行人が遠巻きにして、眺め始める。
シリュウも剣を抜いた。
「どちらからだ?」
ヨヨが一歩、前に踏み出した。まだ一対一は原則のようだ。
シリュウとヨヨが向かい合った。ヨヨの剣は不倒の剣、つまり、致命傷以外は無効化される。実際、彼の鎧は傷だらけだった。飾りのようなものか。
二人は間合いを計っている。
仕掛けたのはヨヨだった。ジグザグにステップを踏み、間合いを詰める。
二人の剣が複雑に交錯した。
地面に黒い血飛沫が広がる。
ヨヨが苦鳴を上げながら下がる。その腹部がパックリと切り裂かれている
ただ、彼はすぐに姿勢を元に戻す。痛みはあっても、傷はやはり治るのだ。
そのことをシリュウは完全に把握している。
ヨヨが再び、間合いを詰める。そして交錯、湿った音。
今度はシリュウが一歩、後退した。肩に傷ができていた。
そこへつけ込むように、ヨヨが迫る。
二人の剣が三度目の交錯。
地面に何かが転がった、と思うと、それは腕だった。
ヨヨが剣を片手で握りしめ、よろめている。彼の腕の一本をシリュウが切り飛ばしたのか。
あまりに動きが早くて、何が起こったか、すぐには理解できない。
どうやらシリュウの剣の間合いが、ヨヨには掴めていない。
それがどういう技術、どういう工夫なのか、僕にはわからない。
超一流の剣術の技だった。
ヨヨの腕の断面が煙あげて、治癒されていく。しかし腕が生えるわけではない。
ここが勝機なのは誰にでもわかる。
だけどシリュウの剣はヨヨにとどめをさせなかった。
ベラが割り込んだのだ。ベラの剣とシリュウの剣が噛み合い、弾く。
二人が間合いを作る。ベラの方はヨヨをかばい、彼を抱えて下がっている。
何事かをヨヨに告げてから、ベラはシリュウの前に立った。
「これで終わりにしても俺は構わない」
シリュウの少しの気負いもない声音には、圧迫感がある。そのシリュウの圧力に、ベラは平然としていた。じっと剣を構え、シリュウを見ている。
二人の間で何かが弾けているように見える。それは錯覚だが、現実のように感じられる。
ベラが一歩、踏み出す。シリュウも自然に応じた。
最初の動きは遅い、次の動きは、速い。
実際に火花が散り、二人は離れる。
「我々の呼吸をどうやって会得した?」
「親切な知り合いがいてね」
シリュウはそう応じて、即座に打って出た。
何が今までと違うのか、僕にはすぐにはわからなかった。
ただ、シリュウの動きを見ていると、変な緩急がある。それが悪魔の剣術を乱しているようだった。
ものすごく奇妙な現実だった。
人間相手だと、明らかな遅さ、つまりその間に切られてもおかしくないような、そんな場面がある。
でも逆にそれが悪魔には目隠しとして作用する。
もちろん、シリュウの動きがもともと素早いがために、それが生きている。
ベラはシリュウの剣を受け損ない、体のそこここで火花が散る。鎧がなければ血が流れただろう。彼の鎧は他より硬く見えた。
攻勢に出たシリュウの剣が、ついにベラの剣を跳ね飛ばした。
そこで勝負は決着するはずだった。
二人の乱入者があった。
一人はヨヨ。ベラの前に割り込み、剣を受けようとした。
もう一人は、サザ。こちらはシリュウを止めようとしていた。
当のシリュウとベラが驚きに目を見張っている。二人とも、お互いしか見えていなかったのだろう。
まずベラがよく分からない言語で怒鳴った。ヨヨはその体を押しやって、無理やりにシリュウから離した
シリュウの方は、手をサザに押さえられ、まずはベラと、次にサザを睨んだ。
「言ったはずです」
サザは視線をすぐにベラに向けた。
「無駄な争いは無用だと」
その人語に対して、ベラはやはりよく分からない言語、悪魔の言語で応じた。ヨヨも同じ言語で何かをまくしたてたが、こちらは自分の背後にいるベラに言っているようだ。二人がしばらく怒声を交えていた。
シリュウはサザの手を振りほどき、剣を構える。しかし攻めようとはしない。
「サザ、どうなっている? 俺を切らないのか?」
「上位からの命令です。あなたを切る必要はなくなりました」
「あちらさんはそれで収まりそうにないが?」
サザがシリュウを見た。
「自分の部下を人間に二人殺され、その上、一人が使い物にならなくなった。それを許すのは無理でしょう」
「じゃあここで切った方が後腐れがない」
冗談でしょう? とサザは雰囲気で伝えてきた。シリュウは肩をすくめ、首を振ると剣を鞘に戻した。
またベラが何かを怒鳴る。
「あいつは」シリュウはサザに尋ねた。「何か罰を受けるのか?」
「それは仕方のないことです。部下をむざむざ切られる、それだけで罰は受けたのです」
なるほど、とつぶやいたシリュウが僕の方へ歩いてくる。
「大丈夫なの?」
ついにベラは沈黙し、ヨヨに支えられて離れていく。サザは少しこちらを見てから二人の後を追った。
「大丈夫じゃないかもしれないが、今は安心できる」
視線を感じたのでそちらを見ると、トウコとメリッサがいた。二人とも青い顔をしている。
「余計な注目を浴びたようだけど」
「仕方ないさ。前もそうだった」
前、というのが五十年前だということは言われなくてもわかる。
やれやれ。
僕たちはまっすぐにクルーゾーの店に行った。シリュウの剣の整備が必要だった。
僕たちを出迎えたクルーゾーは不機嫌そうな顔で、
「金のない奴しかこの店には来ない」
と、口にした。
全く、おっしゃる通り。
僕はどうにかしてクルーゾーに月賦での支払いを納得させる方法を考え始めた。
洞窟に転移した時、荷物を全部失い、もとの地点に戻っても、荷物はなかった。
ひどい話である。しかし食べないと生きていけない。
木の実を求めつつ、方向感覚を失わないように移動した。シリュウは、どこかに罠を仕掛けて、しばらくある程度の範囲に留まることを提案したけど、僕が却下した。
上級悪魔を絶対に黒の領域で相手する必要はない。僕の中では、あの連中が一般人を無駄に殺戮しないことに確信が出来つつあった。
どうにかこうにか先へ進んで、やがて、人間が切り開いた道路に出た。
ただ、待ち伏せるように悪魔がそこにいた。
ローブを脱ぎ捨て、銀髪を赤い瞳が明らかになる。しかし見たことのない顔。六花騎士団は六人と聞いている。二人倒したので、目の前にいるのは顔を知らなかった唯一の一人だ。
「お仲間はいないのか?」
シリュウが悠然と歩み寄った。対する悪魔も、少しも気持ちを乱していない。自分からも歩を進めていく。
「一人でもお前は倒せる。ベラ団長の判断だ」
「失敗だったな」
シリュウが剣を抜いた。悪魔も鞘走らせる。
シリュウの体が不自然に見える動きをした。前進と後退が不規則に連続する。
悪魔は明らかに動揺した。間合いを取ろうと、後退する。
それを見逃すシリュウではない。
一閃。
悪魔の腕が切り飛ばされた。続けざまに両足が切断された。
地面に倒れこんだ悪魔が絶叫する。その残っている腕に剣を突き立て、地面に磔にする。
「俺に構わない方が良いと伝えておけ」
剣を捻って、シリュウが悪魔の唯一無事な腕をもぎ取った。さらなる絶叫。
僕は嘔吐しそうだったのをどうにか耐えて、こちらに歩み寄ってくるシリュウを迎える。
「一方的だったな。あんな苦痛を与えなくても良いほどに」
シリュウはこちらを睨んだが、すぐに視線を柔らかいものに変えた。
「お前は優しいな、アルス」
「誰かさんが非情なだけだよ。早く移動しよう。街に戻るべきだ」
二人で街の方へ歩いていくとすぐに輸送部隊の馬車がやってきた。助け合いが暗黙のルールなので、彼らは僕たちを乗せ、走り出した。
デリア砦に到着したのは深夜だった。宿泊施設が満室だったので、僕たちは砦の通路で休んだ。そして翌朝、痛む体に呻きつつ、空いた宿泊施設の部屋を押さえ、存分に食事をしてから、部屋に入って休んだ。
二人で目覚めたのは宵の口で、また腹が減っている。改めて、二人で食堂で食べられるだけ食べた。
「借金地獄に転落しつつあるな」
どこか楽しそうにシリュウが呟くが、無視。
手持ちが底を尽いたので、紹介所の支部から紹介してもらった金貸しから資金を借りていた。砦にいる金貸しだから、返済する人間が少ないのだろう、かなりな高利だった。
その日も部屋で休んで、翌日には砦を出た。
乗合馬車でリーンへ戻る。結局、紹介所に提出した計画書とは全然、合致しない行動だったなぁ。イレギュラーが多すぎた。
僕たちは風呂屋に行って、それからメリッサの軽食屋に顔を出した。彼女も、店に出ていたトウコも驚いていた。
仕事の最中で邪魔もできないので、僕たちは食べてすぐに店を出た。
借金のことを考えつつ、集合住宅へ帰ろうとすると、二人のローブ姿が待ち構えていた。
さすがにもう慣れたので、僕は驚きもせずに間合いを取った。
「残酷なことをするな、八英雄」
二人がローブを脱ぎ捨てる。一人はベラ、もう一人はヨヨだった。
シリュウは周囲を見ている。通行人は不思議そうにしているか、何かの決闘かと注意を向けているか、どちらかだ。
ベラとヨヨが剣を抜いた。それでも悲鳴をあげるような市民は、リーンにはいない。通行人が遠巻きにして、眺め始める。
シリュウも剣を抜いた。
「どちらからだ?」
ヨヨが一歩、前に踏み出した。まだ一対一は原則のようだ。
シリュウとヨヨが向かい合った。ヨヨの剣は不倒の剣、つまり、致命傷以外は無効化される。実際、彼の鎧は傷だらけだった。飾りのようなものか。
二人は間合いを計っている。
仕掛けたのはヨヨだった。ジグザグにステップを踏み、間合いを詰める。
二人の剣が複雑に交錯した。
地面に黒い血飛沫が広がる。
ヨヨが苦鳴を上げながら下がる。その腹部がパックリと切り裂かれている
ただ、彼はすぐに姿勢を元に戻す。痛みはあっても、傷はやはり治るのだ。
そのことをシリュウは完全に把握している。
ヨヨが再び、間合いを詰める。そして交錯、湿った音。
今度はシリュウが一歩、後退した。肩に傷ができていた。
そこへつけ込むように、ヨヨが迫る。
二人の剣が三度目の交錯。
地面に何かが転がった、と思うと、それは腕だった。
ヨヨが剣を片手で握りしめ、よろめている。彼の腕の一本をシリュウが切り飛ばしたのか。
あまりに動きが早くて、何が起こったか、すぐには理解できない。
どうやらシリュウの剣の間合いが、ヨヨには掴めていない。
それがどういう技術、どういう工夫なのか、僕にはわからない。
超一流の剣術の技だった。
ヨヨの腕の断面が煙あげて、治癒されていく。しかし腕が生えるわけではない。
ここが勝機なのは誰にでもわかる。
だけどシリュウの剣はヨヨにとどめをさせなかった。
ベラが割り込んだのだ。ベラの剣とシリュウの剣が噛み合い、弾く。
二人が間合いを作る。ベラの方はヨヨをかばい、彼を抱えて下がっている。
何事かをヨヨに告げてから、ベラはシリュウの前に立った。
「これで終わりにしても俺は構わない」
シリュウの少しの気負いもない声音には、圧迫感がある。そのシリュウの圧力に、ベラは平然としていた。じっと剣を構え、シリュウを見ている。
二人の間で何かが弾けているように見える。それは錯覚だが、現実のように感じられる。
ベラが一歩、踏み出す。シリュウも自然に応じた。
最初の動きは遅い、次の動きは、速い。
実際に火花が散り、二人は離れる。
「我々の呼吸をどうやって会得した?」
「親切な知り合いがいてね」
シリュウはそう応じて、即座に打って出た。
何が今までと違うのか、僕にはすぐにはわからなかった。
ただ、シリュウの動きを見ていると、変な緩急がある。それが悪魔の剣術を乱しているようだった。
ものすごく奇妙な現実だった。
人間相手だと、明らかな遅さ、つまりその間に切られてもおかしくないような、そんな場面がある。
でも逆にそれが悪魔には目隠しとして作用する。
もちろん、シリュウの動きがもともと素早いがために、それが生きている。
ベラはシリュウの剣を受け損ない、体のそこここで火花が散る。鎧がなければ血が流れただろう。彼の鎧は他より硬く見えた。
攻勢に出たシリュウの剣が、ついにベラの剣を跳ね飛ばした。
そこで勝負は決着するはずだった。
二人の乱入者があった。
一人はヨヨ。ベラの前に割り込み、剣を受けようとした。
もう一人は、サザ。こちらはシリュウを止めようとしていた。
当のシリュウとベラが驚きに目を見張っている。二人とも、お互いしか見えていなかったのだろう。
まずベラがよく分からない言語で怒鳴った。ヨヨはその体を押しやって、無理やりにシリュウから離した
シリュウの方は、手をサザに押さえられ、まずはベラと、次にサザを睨んだ。
「言ったはずです」
サザは視線をすぐにベラに向けた。
「無駄な争いは無用だと」
その人語に対して、ベラはやはりよく分からない言語、悪魔の言語で応じた。ヨヨも同じ言語で何かをまくしたてたが、こちらは自分の背後にいるベラに言っているようだ。二人がしばらく怒声を交えていた。
シリュウはサザの手を振りほどき、剣を構える。しかし攻めようとはしない。
「サザ、どうなっている? 俺を切らないのか?」
「上位からの命令です。あなたを切る必要はなくなりました」
「あちらさんはそれで収まりそうにないが?」
サザがシリュウを見た。
「自分の部下を人間に二人殺され、その上、一人が使い物にならなくなった。それを許すのは無理でしょう」
「じゃあここで切った方が後腐れがない」
冗談でしょう? とサザは雰囲気で伝えてきた。シリュウは肩をすくめ、首を振ると剣を鞘に戻した。
またベラが何かを怒鳴る。
「あいつは」シリュウはサザに尋ねた。「何か罰を受けるのか?」
「それは仕方のないことです。部下をむざむざ切られる、それだけで罰は受けたのです」
なるほど、とつぶやいたシリュウが僕の方へ歩いてくる。
「大丈夫なの?」
ついにベラは沈黙し、ヨヨに支えられて離れていく。サザは少しこちらを見てから二人の後を追った。
「大丈夫じゃないかもしれないが、今は安心できる」
視線を感じたのでそちらを見ると、トウコとメリッサがいた。二人とも青い顔をしている。
「余計な注目を浴びたようだけど」
「仕方ないさ。前もそうだった」
前、というのが五十年前だということは言われなくてもわかる。
やれやれ。
僕たちはまっすぐにクルーゾーの店に行った。シリュウの剣の整備が必要だった。
僕たちを出迎えたクルーゾーは不機嫌そうな顔で、
「金のない奴しかこの店には来ない」
と、口にした。
全く、おっしゃる通り。
僕はどうにかしてクルーゾーに月賦での支払いを納得させる方法を考え始めた。
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