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第39話【軽くですが血の描写があります】
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「つ、遂にこの日が来てしまったのか……」
キャンプから戻った翌日、「悪い、しばらくはまたゴーレムと戦っててくれ」と言い残しカイン達は慌ただしく城を出て行った。
仕方ないので再びゴーレムと戦い出して一週間ほどしたある日の朝、事件は起きた。
いつも通り仁より早く起きて髪を解かそうとすると下腹部の鈍痛と股の所に違和感があり、恐る恐る調べてみると股が血が出ていて慌てて目を逸らしてしまった。
考えられる要因は二つ、一つは昨日も容赦なくゴーレムにぶっ飛ばされたから傷が残っていた説。
そしてもう一つはあまり考えたくは無いが、女の子特有のアレが始まった説。
痛いやら恥ずかしいやら困惑やらでグチャグチャになってる頭を一旦落ち着かせて一個づつできる事を考える。
「と、とりあえずメイドさんを呼んでどうにかしてもらおう」
シーツを汚した事も謝らないといけないし、出血が続いてるならその対処もしなければいけない。そうなればメイドを呼ぶのが最善だろうと考えメイドを呼びに寝てる仁を放って部屋を出る。
「それで初潮が来てたって訳か」
「まぁそうだったんだけど、もう少しデリカシーって物は無いの?」
「来て悪いもんでも無いだろ、子供同士でもあるまいし」
医務室に行ってから食堂に来ると仁が待っていた。待ってくれていたのは良いのだが、その発言にはデリカシーの欠片も無い。
ただでさえ股の異物感や下腹部に鉄球でも入れられた様な違和感があるのに、これ以上神経を逆撫でするのは止めて欲しいんだが。
「それに俺だって精通が来てるぞ、これでおあいこだ」
「いや要らないよそんな情報」
そんなしょうもない情報を伝えられておあいこと言われてもこっちが困る。確かに来てたのは初耳だったが、その情報を伝えられて僕は一体どうすれば良いのか。
「まあなんだ、要するに誰にでも来るんだ、そう落ち込むなってこった」
「まったく、分かったよ僕も不機嫌晒してごめん」
これでも仁なりに励ましてくれてた様だし、僕も年甲斐もない態度だったのは間違いないのでとりあえず今回はこれで終わりにする。
「あ、じゃあさお詫びに僕の残り食べない?食欲無くって」
「前に言われたろ?食べるのも修行の内だって。我慢して食べるんだな」
そう言って仁は食べてくれない。クソ、許してやらないからなと心の中で悪態を吐きながら結局無理やり全部食べ終えて庭へ向かう。
「それで、運動自体はできるのか?」
「激しい運動は控えろって、特にゴーレムと戦うのはダメだってさ」
後者については元々ワーナーが反対だったからかもしれないが、医者の言うことには大人しく従っておくべきだろう。何かあった時、治してもらえなくても困るし。
「だから治るまでしばらくは素振りかな」
「じゃあさ、お前も魔法の訓練して見ないか?」
この前だって暴発したとは言え魔法自体は出たんだし、頑張れば制御できるだろと仁が誘ってくる。カインにはそんなこと言われてないけど、僕にアレが来るなんてカインも予想外だろうし良いか。
「いいけど具体的に何をするつもりなの」
「俺が前にもらった魔導教本に載ってたんだが、相手に魔力を流して魔力制御を学ぶって方法があるらしいんだ。魔力を使える人間が二人以上いないとできないのが欠点の方法らしいんだが、俺たちなら二人とも魔力が使えるだろ?」
「分かった分かった、要はそれが試して見たいんでしょ」
こちらとしてもデメリット自体は無さそうだし、試してみるくらいなら良いだろう。どうせしばらくは素振りくらいしかまともにできないんだし。
「それでどうすればいいの?」
「手を繋ぎ合って片方がもう片方に魔力を流すらしい。初めに俺がお前に流してみるぞ」
そう言って早速両手を手を握られる。
「お前の手、見た目の割にゴワゴワしてんな」
「余計なお世話だよ、剣を振ってるんだから当たり前でしょ」
むしろ本当は見た目の方が筋肉質になって欲しいのだが、やっぱり見た目にはあまり筋肉が無さそうに見える。つまり僕の努力を証明してくれるのは唯一手のひらだけだ。
「分かったよ、それじゃ流してみるぞ」
そういうと仁が目を閉じ集中し始める。最初は何も感じなかったが、しばらくすると腕になんか爽やかなミントと言うかキシリトールと言うか、アルコール消毒の液に手を突っ込んで引き上げたような涼しげな感覚が流れ始める。
「どうだ、なんか感じるか?」
「なんか腕がスースーしてきたんだけどこれかな?」
「多分それだろう、試しに一度止めてみるぞ」
仁がそう言うとさっきのスースーした感覚が段々薄れていく。どうやらこれで合ってたらしい。
「凄いね、やっぱり感じてる感覚は触覚なのかな?」
「さぁな、でも魔力がある人間と無い人間で五感が違うとは考えにくいから五感のどれかだろうな」
それじゃ今度はお前がやってみろと仁に促される。
「でも突然そう言われても、どうやって流せば良いのか良く分かんないんだけど?」
「とりあえずこの前暴発して時の感覚をもう一度試してみたらどうだ」
そう言われてこの前みたくいろんなアニメの事を思い出しつつ両手に集中してみるが、どうやら仁に変化は無いみたいだ。
「ダメだ、何も感じないぞ」
「仁が鈍いんじゃない?」
「お前には言われたくないわ。上手く流せてないんだよ、もっと集中してみろって」
本当にこんな方法で上手くいくのかな?でも仁がうるさいしとりあえずもう一度やってみるか。
結局その後あれこれ試行するもこれっぽっちも魔力は送れす、ただただ時間だけが過ぎていく。
「ダメだな、やっぱり何も感じない」
「やっぱり仁が鈍いんだって」
「いや、そんなはずはない。お前ちゃんと魔法の存在を認めてるか?」
仁に聞かれて思い出してみる。魔法の存在そのものは目で見てしまった以上今更疑ってないが、そう言えばあの時は一応魔法を使えるかどうかを疑うことも止めていた気がする。だが今は魔法どころか方法自体を疑っている状態だ。これがいけないのかもしれない。
しかし、そんな事で上手くいくのだろうか?いやこの思考がダメなのか?
「ちょっと、もう一度試してみるね」
「おう、今度こそ成功させろよ」
訳が分からなくなって来たのでとりあえず疑うことは全部止めて、できることだけを考えてみる。これでダメなら仁が鈍いんだ。
手の先に意識を集中して、記憶にあるアニメキャラ達を頼りに火が付くイメージを頭の中に思い描く。
「おっ、おいなんか暖かいのが来てるぞ!」
「えっ、ホント!?」
仁にそう言われ集中が切れた瞬間、ポンッと軽い音を立てて繋いでいる両手に火が灯った。
「アッチィ!」
両手が火に包まれた仁が僕の手を乱暴に振り解き手を振り回す。
「あ、ごめん火が点いちゃった」
「バカ、ごめんじゃあるか!」
自分の魔法で生成した水を使って手を冷やしながら仁が怒るが、焦っているからかいつもより水の出が悪く四苦八苦している。
「どう、手は大丈夫?」
「この手が大丈夫そうに見えるか?」
水魔法で冷やす事から回復魔法で治す事に方針を変えた仁が治療中の手を見せつけてくる。
「ごめんごめん、魔力が来てるって聞いてちょっと集中切れたんだよ。悪気は無かったんだ」
「それは分かってるが、悪気が無いなら何しても許される訳じゃねぇぞ」
仁が恨みがましい目でこちらを見てくるが、こちらとしては謝る以外どうする事もできない。大体、仁がやりたいって言い始めたのだからこのくらいのトラブルは想定しておいてほしい。暴発の前科はあるんだし。
「でも、仁の手が尊い犠牲になってくれたおかげでちょっと分かって来たかも」
「そりゃよかったな、俺の手も燃えた甲斐があったってんだ」
そう言いながらやっと回復し終わった手を見せつけてくる。ワーナーやカインの様にみるみるうちにとはいかなくとも、このくらいの軽い怪我なら仁でも治せるようになったのは大きい。
「それじゃもう一度試してみるか」
「良いの?また暴発するかもしれないよ?」
「ちょっと分かって来たんだろ?なら忘れないうちにもっと試しといた方がいいだろ」
大体そう何度も暴発するんじゃ全然分かってないしなと仁が笑う。
結局、その日のうちに意図的に魔力の流れを変える方法については分かるようになったが、魔法の意図的な発動には至らないのだった。
キャンプから戻った翌日、「悪い、しばらくはまたゴーレムと戦っててくれ」と言い残しカイン達は慌ただしく城を出て行った。
仕方ないので再びゴーレムと戦い出して一週間ほどしたある日の朝、事件は起きた。
いつも通り仁より早く起きて髪を解かそうとすると下腹部の鈍痛と股の所に違和感があり、恐る恐る調べてみると股が血が出ていて慌てて目を逸らしてしまった。
考えられる要因は二つ、一つは昨日も容赦なくゴーレムにぶっ飛ばされたから傷が残っていた説。
そしてもう一つはあまり考えたくは無いが、女の子特有のアレが始まった説。
痛いやら恥ずかしいやら困惑やらでグチャグチャになってる頭を一旦落ち着かせて一個づつできる事を考える。
「と、とりあえずメイドさんを呼んでどうにかしてもらおう」
シーツを汚した事も謝らないといけないし、出血が続いてるならその対処もしなければいけない。そうなればメイドを呼ぶのが最善だろうと考えメイドを呼びに寝てる仁を放って部屋を出る。
「それで初潮が来てたって訳か」
「まぁそうだったんだけど、もう少しデリカシーって物は無いの?」
「来て悪いもんでも無いだろ、子供同士でもあるまいし」
医務室に行ってから食堂に来ると仁が待っていた。待ってくれていたのは良いのだが、その発言にはデリカシーの欠片も無い。
ただでさえ股の異物感や下腹部に鉄球でも入れられた様な違和感があるのに、これ以上神経を逆撫でするのは止めて欲しいんだが。
「それに俺だって精通が来てるぞ、これでおあいこだ」
「いや要らないよそんな情報」
そんなしょうもない情報を伝えられておあいこと言われてもこっちが困る。確かに来てたのは初耳だったが、その情報を伝えられて僕は一体どうすれば良いのか。
「まあなんだ、要するに誰にでも来るんだ、そう落ち込むなってこった」
「まったく、分かったよ僕も不機嫌晒してごめん」
これでも仁なりに励ましてくれてた様だし、僕も年甲斐もない態度だったのは間違いないのでとりあえず今回はこれで終わりにする。
「あ、じゃあさお詫びに僕の残り食べない?食欲無くって」
「前に言われたろ?食べるのも修行の内だって。我慢して食べるんだな」
そう言って仁は食べてくれない。クソ、許してやらないからなと心の中で悪態を吐きながら結局無理やり全部食べ終えて庭へ向かう。
「それで、運動自体はできるのか?」
「激しい運動は控えろって、特にゴーレムと戦うのはダメだってさ」
後者については元々ワーナーが反対だったからかもしれないが、医者の言うことには大人しく従っておくべきだろう。何かあった時、治してもらえなくても困るし。
「だから治るまでしばらくは素振りかな」
「じゃあさ、お前も魔法の訓練して見ないか?」
この前だって暴発したとは言え魔法自体は出たんだし、頑張れば制御できるだろと仁が誘ってくる。カインにはそんなこと言われてないけど、僕にアレが来るなんてカインも予想外だろうし良いか。
「いいけど具体的に何をするつもりなの」
「俺が前にもらった魔導教本に載ってたんだが、相手に魔力を流して魔力制御を学ぶって方法があるらしいんだ。魔力を使える人間が二人以上いないとできないのが欠点の方法らしいんだが、俺たちなら二人とも魔力が使えるだろ?」
「分かった分かった、要はそれが試して見たいんでしょ」
こちらとしてもデメリット自体は無さそうだし、試してみるくらいなら良いだろう。どうせしばらくは素振りくらいしかまともにできないんだし。
「それでどうすればいいの?」
「手を繋ぎ合って片方がもう片方に魔力を流すらしい。初めに俺がお前に流してみるぞ」
そう言って早速両手を手を握られる。
「お前の手、見た目の割にゴワゴワしてんな」
「余計なお世話だよ、剣を振ってるんだから当たり前でしょ」
むしろ本当は見た目の方が筋肉質になって欲しいのだが、やっぱり見た目にはあまり筋肉が無さそうに見える。つまり僕の努力を証明してくれるのは唯一手のひらだけだ。
「分かったよ、それじゃ流してみるぞ」
そういうと仁が目を閉じ集中し始める。最初は何も感じなかったが、しばらくすると腕になんか爽やかなミントと言うかキシリトールと言うか、アルコール消毒の液に手を突っ込んで引き上げたような涼しげな感覚が流れ始める。
「どうだ、なんか感じるか?」
「なんか腕がスースーしてきたんだけどこれかな?」
「多分それだろう、試しに一度止めてみるぞ」
仁がそう言うとさっきのスースーした感覚が段々薄れていく。どうやらこれで合ってたらしい。
「凄いね、やっぱり感じてる感覚は触覚なのかな?」
「さぁな、でも魔力がある人間と無い人間で五感が違うとは考えにくいから五感のどれかだろうな」
それじゃ今度はお前がやってみろと仁に促される。
「でも突然そう言われても、どうやって流せば良いのか良く分かんないんだけど?」
「とりあえずこの前暴発して時の感覚をもう一度試してみたらどうだ」
そう言われてこの前みたくいろんなアニメの事を思い出しつつ両手に集中してみるが、どうやら仁に変化は無いみたいだ。
「ダメだ、何も感じないぞ」
「仁が鈍いんじゃない?」
「お前には言われたくないわ。上手く流せてないんだよ、もっと集中してみろって」
本当にこんな方法で上手くいくのかな?でも仁がうるさいしとりあえずもう一度やってみるか。
結局その後あれこれ試行するもこれっぽっちも魔力は送れす、ただただ時間だけが過ぎていく。
「ダメだな、やっぱり何も感じない」
「やっぱり仁が鈍いんだって」
「いや、そんなはずはない。お前ちゃんと魔法の存在を認めてるか?」
仁に聞かれて思い出してみる。魔法の存在そのものは目で見てしまった以上今更疑ってないが、そう言えばあの時は一応魔法を使えるかどうかを疑うことも止めていた気がする。だが今は魔法どころか方法自体を疑っている状態だ。これがいけないのかもしれない。
しかし、そんな事で上手くいくのだろうか?いやこの思考がダメなのか?
「ちょっと、もう一度試してみるね」
「おう、今度こそ成功させろよ」
訳が分からなくなって来たのでとりあえず疑うことは全部止めて、できることだけを考えてみる。これでダメなら仁が鈍いんだ。
手の先に意識を集中して、記憶にあるアニメキャラ達を頼りに火が付くイメージを頭の中に思い描く。
「おっ、おいなんか暖かいのが来てるぞ!」
「えっ、ホント!?」
仁にそう言われ集中が切れた瞬間、ポンッと軽い音を立てて繋いでいる両手に火が灯った。
「アッチィ!」
両手が火に包まれた仁が僕の手を乱暴に振り解き手を振り回す。
「あ、ごめん火が点いちゃった」
「バカ、ごめんじゃあるか!」
自分の魔法で生成した水を使って手を冷やしながら仁が怒るが、焦っているからかいつもより水の出が悪く四苦八苦している。
「どう、手は大丈夫?」
「この手が大丈夫そうに見えるか?」
水魔法で冷やす事から回復魔法で治す事に方針を変えた仁が治療中の手を見せつけてくる。
「ごめんごめん、魔力が来てるって聞いてちょっと集中切れたんだよ。悪気は無かったんだ」
「それは分かってるが、悪気が無いなら何しても許される訳じゃねぇぞ」
仁が恨みがましい目でこちらを見てくるが、こちらとしては謝る以外どうする事もできない。大体、仁がやりたいって言い始めたのだからこのくらいのトラブルは想定しておいてほしい。暴発の前科はあるんだし。
「でも、仁の手が尊い犠牲になってくれたおかげでちょっと分かって来たかも」
「そりゃよかったな、俺の手も燃えた甲斐があったってんだ」
そう言いながらやっと回復し終わった手を見せつけてくる。ワーナーやカインの様にみるみるうちにとはいかなくとも、このくらいの軽い怪我なら仁でも治せるようになったのは大きい。
「それじゃもう一度試してみるか」
「良いの?また暴発するかもしれないよ?」
「ちょっと分かって来たんだろ?なら忘れないうちにもっと試しといた方がいいだろ」
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