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第47話
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「やっと終わったー」
ずっと座っていて硬直していた体をほぐすべく、両手を上に挙げて大きく伸びをする。
授業説明や校内紹介のオリエンテーションが終わり今日は下校となった。今日はちょっと早いが、普段の授業も午後四時には終わり夕飯の七時までは自由時間となるらしい。
「おいアスカ、この後用事あるか?」
「いや、無いけどどうかしたの?」
隣の席の仁が配られた教科書に目を通しながら話しかけてくる。自分から話しかけておいて目も合わせないとは全く礼儀がなってない奴だ。
「この後図書館に行かないか、さっきの校内説明であっただろ?」
「図書館に?いいけどなんか読みたい本でもあるの?」
「魔導書が無いか見に行くんだよ」
「魔導書?でも魔導書って取り扱いが大変なんでしょ、誰でも触れるところに置いてあるかな?」
前にカインが言ってたけど、扱いが難しくて突然爆発したり火を吹いたりするような本はいくら図書館とは言え無造作に置いてあるとは思えない。
「それを確かめに行くんだよ、どうせ暇だしな」
確かに暇なのは暇だし、あったら儲け物かもしれない。とりあえず目当ての魔導書に危険性は無いんだし。
「いいよ、じゃあ試しに見に行ってみようか」
今日は授業が早く終わったし、確認しに行くなら丁度良いのは間違い無いだろう。
「アスカ、一緒に帰ろう」
「ジン君も途中までだけど一緒に帰ろうよ」
とりあえずこの後の予定が決まったところでクローディアとペロが話しかけてくる。
「ごめんペロ、クローディア、僕達今から図書館に行こうかと思うんだ」
「図書館か~私は用事無いかな」
「ウチももう眠くてたまんないから部屋で昼寝する」
「じゃあ途中まで一緒に戻るか、どうせ寮と図書館は近いんだし」
二人は図書館に興味は無さそうだったが、仁の意見で話がまとまりかけたところに更に一人の少年がこちらへと歩いてくる。背は仁と変わらないか少し低いかくらいで、金髪のボサボサ頭に少し制服を着崩した如何にも年頃らしい少年だ。
「流石イケメン様、初日からモテモテですな」
「妬くなエド、男の嫉妬はみっともないぞ」
「そう言うなって、なぁ俺たちの仲だろ?ちょっと紹介してくれよぉ」
「俺たちの仲もクソも昨日寮で会ったばかりだろ、引っ付くな暑苦しい!」
情けなく懇願するエドと呼ばれた少年に流石の仁も手を焼いている。突然の乱入者にペロとクローディアもどう反応すればいいのか分からず困惑して黙ってしまった。
「ええっと、エドワード君だったよね?」
「え、俺の名前覚えててくれたの!?嬉しいなぁ。俺はこいつと相部屋になったエドワード、気軽にエドって呼んでね。」
そう言って挨拶ついでにさりげなく握手してくる、まぁ別に握手くらい減るもんじゃ無いからいいんだけど。
「それでエド、俺たちは今から図書館に行くんだがお前はどうせ部屋に戻るんだろ?」
「いやまあそうなんだけどさ、そんな冷たくあしらわなくてもいいじゃん」
そこまでなんだから一緒に帰ろうとか言ってくれてもいいのにとごねるエド少年。さっきから感じていたけど、どうやらエドはちょっと残念な子らしい。
「ああもう分かった、分かったから着いて来たいなら着いて来い」
「やりぃ、流石ジンだぜ」
とにかくどうにか話もまとまったので、今度こそ図書館へと向かう一団。
「いや~俺こうやって女の子と通学するの夢だったんだ」
「そりゃ安い夢でよかったな」
仁とエドのやりとりを横に僕達女子組は何とも言えずとりあえず愛想笑いをしている。流石にここで僕がツッコミを入れるのは面倒になりそうなので控えよう。
それに下手に話してるとボロが出そうだし、ここは他の女子に合わせるのが無難だろう。
そのまま当たり障りの無い会話をしながら歩き、図書館への分岐路まで来て三人と別れる。寮まで後少しとは言え、ペロとクローディアには悪いことをしたかもしれない。
「やっと静かになったな」
「でも相部屋なんだからまた後で会うでしょ?」
「いや、あいつ部屋だと大人しいんだ」
女子の前だと思って張り切ったんだろうなと仁が笑うが、だとすれば僕が言うのも何だけど思いっきりスベってたと思う。
三人と別れてすぐ図書館に着き、受付のおばちゃんに魔導書が無いか確認してみたがやはり取り扱いはないらしい。
一応魔導教本のコーナーはあるからどうしても気になるならそこを見てみると良いと勧められ、とりあえず勧められたコーナーへと足を運ぶと三メートル程の高さの本棚四台分ほど魔導教本が詰まっていた。
「ここを探すのも一苦労だな」
「脚立が一脚しかないし、まずは協力して上の方から探そうか」
それっぽい本を探そうと本棚の前に脚立を据え置き、天板には乗らないようにと言われたので一つ下の段に跨るように登って探してみる。
「この棚にはあの時の魔導書っぽいのは無いね」
「一応俺たちの勉強になるかもしれないから初心者向けっぽい教本があるなら取っておいても良いかもな」
「そうだね、ってなんでそんな顔を赤くしてるの?」
「気にするな、後残りの上は俺が探すから下の方を見ててくれないか?」
降りて来たら顔を赤くした仁がそう言って僕から脚立を取り上げる。よく分からないが、まぁ登らなくて良いなら楽だし言われた通り下を探してよう。
結局その後手分けして探すもそれらしい本は見つからなかったが、代わりに為になりそうな教本を数冊借りて帰ることにした。
ずっと座っていて硬直していた体をほぐすべく、両手を上に挙げて大きく伸びをする。
授業説明や校内紹介のオリエンテーションが終わり今日は下校となった。今日はちょっと早いが、普段の授業も午後四時には終わり夕飯の七時までは自由時間となるらしい。
「おいアスカ、この後用事あるか?」
「いや、無いけどどうかしたの?」
隣の席の仁が配られた教科書に目を通しながら話しかけてくる。自分から話しかけておいて目も合わせないとは全く礼儀がなってない奴だ。
「この後図書館に行かないか、さっきの校内説明であっただろ?」
「図書館に?いいけどなんか読みたい本でもあるの?」
「魔導書が無いか見に行くんだよ」
「魔導書?でも魔導書って取り扱いが大変なんでしょ、誰でも触れるところに置いてあるかな?」
前にカインが言ってたけど、扱いが難しくて突然爆発したり火を吹いたりするような本はいくら図書館とは言え無造作に置いてあるとは思えない。
「それを確かめに行くんだよ、どうせ暇だしな」
確かに暇なのは暇だし、あったら儲け物かもしれない。とりあえず目当ての魔導書に危険性は無いんだし。
「いいよ、じゃあ試しに見に行ってみようか」
今日は授業が早く終わったし、確認しに行くなら丁度良いのは間違い無いだろう。
「アスカ、一緒に帰ろう」
「ジン君も途中までだけど一緒に帰ろうよ」
とりあえずこの後の予定が決まったところでクローディアとペロが話しかけてくる。
「ごめんペロ、クローディア、僕達今から図書館に行こうかと思うんだ」
「図書館か~私は用事無いかな」
「ウチももう眠くてたまんないから部屋で昼寝する」
「じゃあ途中まで一緒に戻るか、どうせ寮と図書館は近いんだし」
二人は図書館に興味は無さそうだったが、仁の意見で話がまとまりかけたところに更に一人の少年がこちらへと歩いてくる。背は仁と変わらないか少し低いかくらいで、金髪のボサボサ頭に少し制服を着崩した如何にも年頃らしい少年だ。
「流石イケメン様、初日からモテモテですな」
「妬くなエド、男の嫉妬はみっともないぞ」
「そう言うなって、なぁ俺たちの仲だろ?ちょっと紹介してくれよぉ」
「俺たちの仲もクソも昨日寮で会ったばかりだろ、引っ付くな暑苦しい!」
情けなく懇願するエドと呼ばれた少年に流石の仁も手を焼いている。突然の乱入者にペロとクローディアもどう反応すればいいのか分からず困惑して黙ってしまった。
「ええっと、エドワード君だったよね?」
「え、俺の名前覚えててくれたの!?嬉しいなぁ。俺はこいつと相部屋になったエドワード、気軽にエドって呼んでね。」
そう言って挨拶ついでにさりげなく握手してくる、まぁ別に握手くらい減るもんじゃ無いからいいんだけど。
「それでエド、俺たちは今から図書館に行くんだがお前はどうせ部屋に戻るんだろ?」
「いやまあそうなんだけどさ、そんな冷たくあしらわなくてもいいじゃん」
そこまでなんだから一緒に帰ろうとか言ってくれてもいいのにとごねるエド少年。さっきから感じていたけど、どうやらエドはちょっと残念な子らしい。
「ああもう分かった、分かったから着いて来たいなら着いて来い」
「やりぃ、流石ジンだぜ」
とにかくどうにか話もまとまったので、今度こそ図書館へと向かう一団。
「いや~俺こうやって女の子と通学するの夢だったんだ」
「そりゃ安い夢でよかったな」
仁とエドのやりとりを横に僕達女子組は何とも言えずとりあえず愛想笑いをしている。流石にここで僕がツッコミを入れるのは面倒になりそうなので控えよう。
それに下手に話してるとボロが出そうだし、ここは他の女子に合わせるのが無難だろう。
そのまま当たり障りの無い会話をしながら歩き、図書館への分岐路まで来て三人と別れる。寮まで後少しとは言え、ペロとクローディアには悪いことをしたかもしれない。
「やっと静かになったな」
「でも相部屋なんだからまた後で会うでしょ?」
「いや、あいつ部屋だと大人しいんだ」
女子の前だと思って張り切ったんだろうなと仁が笑うが、だとすれば僕が言うのも何だけど思いっきりスベってたと思う。
三人と別れてすぐ図書館に着き、受付のおばちゃんに魔導書が無いか確認してみたがやはり取り扱いはないらしい。
一応魔導教本のコーナーはあるからどうしても気になるならそこを見てみると良いと勧められ、とりあえず勧められたコーナーへと足を運ぶと三メートル程の高さの本棚四台分ほど魔導教本が詰まっていた。
「ここを探すのも一苦労だな」
「脚立が一脚しかないし、まずは協力して上の方から探そうか」
それっぽい本を探そうと本棚の前に脚立を据え置き、天板には乗らないようにと言われたので一つ下の段に跨るように登って探してみる。
「この棚にはあの時の魔導書っぽいのは無いね」
「一応俺たちの勉強になるかもしれないから初心者向けっぽい教本があるなら取っておいても良いかもな」
「そうだね、ってなんでそんな顔を赤くしてるの?」
「気にするな、後残りの上は俺が探すから下の方を見ててくれないか?」
降りて来たら顔を赤くした仁がそう言って僕から脚立を取り上げる。よく分からないが、まぁ登らなくて良いなら楽だし言われた通り下を探してよう。
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