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碧のシモベ達。咲乃と淏。
しおりを挟む私達は数日後、碧の友人グループの3人に会いに行った。
早朝に私達は友人の1人の【ノゾミ】に会いに行った。
碧のスマホにはノゾミをいじめていた後があった。
ノゾミは碧が失踪して以来大学に休学届けを出して、出身の高知県に帰っているらしい。
私達高知県のノゾミの実家に会いに行った。
『ごめんくださーい。』
「はい?どなたですか?」
「ノゾミさんの大学関係者の者です。ノゾミさんはご在宅でしょうか?」
「はい…。ノゾミに何か?」
「大学教授からノゾミさんに書類を預かって来ました。よろしければノゾミさんとお話しさせて頂けないでしょうか?」
「わかりました。確認して来ますので、少々お待ち下さい。」
『ありがとうございます。』
感じの良さそうなお母さんだなぁ。
最初はノゾミとは私も仲が良かった。
でもいつしか避けられる様にその理由は聞けてないままだった。
それは私が臆病だから。
聞くのが怖かった…。
「相手の気持ち知るのは怖いよな。」
『え?』
私今声に出してたかな?
「お前を見ていればわかるよ。ノゾミと何かあるんだろ?」
『はい。ノゾミの気持ちを知るのが怖いです。前までは碧より私の方が仲が良かったから。でもいつしか避けられる様になってしまったんです。私その理由聞けなくて…。淏さんの言う通り怖かったんですね。』
「本当に大切だったから怖かったんだよな。嫌われるのもその理由も。でもその大切な人を失いたくないなら、目を瞑るな。咲乃の気持ちをちゃんと伝えて、避けた理由も知らないとな。怖いだろうが俺がそばにいてやるからな。」
淏さん…ありがとう…。
『そうですね。私頑張ります。』
私が色々考えていると、お母さんが戻ってきた。
「あの…上がって下さい。部屋に案内します。」
そして私達が部屋に入るとノゾミがいた。
「大学関係者って咲乃だったの?」
『うん。嘘ついてごめんね、素直に話したら会ってくれないでしょ?』
「その人は誰なの?」
『碧のお兄さん』
「初めまして。碧の兄の淏です。」
「碧は帰って来たの?」
『碧は死んだんだの…。誰かに殺された。』
「え?まぁ恨んでる人は沢山いるだろうからね。」
「あなたは?」
「もちろんよ。あの女は悪魔よ!人間とは思えない。」
『だから逃げたの?』
「…そうよ。あの女が失踪したって聞いた時、あの女に恨みがある人間の仕業だと直ぐに分かった。」
真実を知らないと、碧の真実も分からない。
『何で私に相談してくれなかったの?』
「咲乃と仲が良すぎて私はいじめられたのに、咲乃に話せる訳がないじゃない。」
『本当なの?』
信じられない。
私の親友は私と仲良くしてた人を、その理由でいじめを…。
「咲乃せいにすればあなたは楽だよな」
淏さんが言った言葉にノゾミが大きく反応した。
「私はあんたの妹にいじめられたのにその言い方?さすがあの女の兄ね。」
『気づいてあげられなくて、本当にごめんね。私あの時避けられたのは嫌われたからかと思ってた。』
「…確かに咲乃は悪くない。私こそごめんなさい。」
『もしノゾミが良いなら、私の友達になってくれませんか?』
「…碧の事件解決したら戻る。戻ったら友達になっても良いよ?」
『分かった。待ってる。』
「ありがとう、真実を聞きに来てけれて。」
『うん。聞きたいことはそれだけじゃないんだ。』
「なに?私の分かることなら答えるよ?」
『碧が失踪した時何をしてた?』
「あの日は授業が無かったから1日中アルバイトを入れた。」
「碧に異変は無かった?」
「異変はあった。その時は気にも止めなかったけど、今思えばおかしな事ばかり。」
「それはどういう意味だ?」
「失踪する前の碧は、何かに怯えていたの。」
『何でそう思ったの?』
「碧は尾行されたとか、家の鍵を盗まれたとか言ってた。」
『ストーカーみたいな?』
「私たちもそ思ったけど、そういう人って姿がある程度見えるはずでしょ?なのにそいつが女か男かも分からないと言って
た。」
「そいつが怪しいな。」
『でも誰かわからないんじゃ何も変わらないようなものだよ。』
「まぁね」
『碧の好きな花分かる?』
「私は花には詳しくないから、分からないけど。ヒヤシンスが好きとか言ってたような。」
ヒアシンスの花言葉は《嫉妬》
碧はノゾミに嫉妬してたのかの?
「ありがとう。また何か分かったら教えて?」
「分かった。」
『ノゾミ、本当にありがとう。東京で待ってる。』
「うん。咲乃も気を付けて。」
『うん。』
私達はノゾミの家を出て、東京に戻った。
『淏さんは碧を知って行くの怖くなりませんか?』
「怖いのは知ってるから怖いか、知らないから怖いかのどちらかしかないって碧が言ってたんだ」
『知らないから怖いか…』
「そう、まさに今の俺らだ。知って行くのも怖いが知った後解決すれば、怖い事なんてなくなるんだ。」
『そうだね。少しずつ真実に近ずいてるだろうし。』
「うん。」
私は淏さんに惹かれてる。
淏さんも私と同じなら嬉しいな。
後日私達はグループのメンバーの【ルビ】に会いに行くことになった。
ルビは凄く明るい子で、碧とスバルくんが付き合う前にスバルくんと付き合っていた。
ルビはもしかしたらその事恨んでるのかもしれない…。
とりあえずルビに話しを聞きかない限り、真実は分からない。
「さーきーのー!」
遠くから大きな声で、声かけながら走って来た。
「凄いキャラだな…。」
小声で呟いた。
私は面白くなって、笑いをこらえるのに必死だった。
すると私達の側に来たルビが不思議そうに言った。
「2人共何で笑ってるの?」
「初めまして。碧の兄の淏です、今日は碧の話を聞きたくて来てもらったんだ。」
あ、淏さん誤魔化した。
「碧の?でも犯人はもう捕まったんじゃ?」
『そうなんだけど、私達は真犯人ががいるって考えてるんだ。』
「それで碧の事調べてるんだ。でも私碧とは失踪する前に友達辞めてるんだよんね。」
『あんなに仲が良かったのに何で?』
「知ってるでしょ?スバルと私が付き合ってたの…」
「え?」
淏さんは初耳だからびっくり。
『うん。』
「最初は恨みもあったけど。スバルくんは人気者になりたくて、碧と付き合ったって聞いたの。だから恨みも無くなり同情しかなかった。」
「なのに縁切ったんだ?」
「碧はスバルくんの本性を知ってて、付き合ったのにやっぱりあんたに返すとか言い始めて。それで私怒ったんです、そしたらもうあんたとは友達やめるとか言い始めたからいいと思った。」
『何で急にそんな事。』
「スズカの予想では、大学の中で好きな奴ができたんじゃない?と言ってたけど。」
スズカとはもう1人の碧の友人。
「それ誰か分かる?」
「知らない。もう関わりたくもなかった。」
『そうなんだ。碧が失踪した日は何してたの?』
「あの日はスバルくんに誘われて飲み会に行ったよ?」
「元彼に誘われて行ったのか?」
「だから恨んでないんだよ。」
「そうか、碧の好きな花分かるか?」
「花?碧好きだもんね!ムシトリナデシコかな?よくくれたし。」
ムシトリナデシコの花言葉は《罠•未練》か。
碧はルビはまだ未練があると思っていたのかな?
『そうなんだ。ありがとう。』
「咲乃?聞いていい?」
『何?』
「碧には秘密あった。それは何か分かる?」
『秘密?』
「ある日、碧を見かけたんだ。ホストクラブの前で。」
『ホストクラブ?』
「私そのホストクラブの近くのコンビニでバイトしてるんだけど、たまたま碧を見たの。」
「それはいつ?」
「出会って間もない時かな?でも碧に聞いたら、秘密って言われた。それに碧ホストクラブに行く時は金髪にしてるみたいだったよ?」
『それはウィックなの?』
「多分そうだよ。あれは一体なんだろう。」
『普通にホストクラブに通ってただけじゃない?』
「私もそう思ったけど、常連に聞くとホストを引き抜いたらしいよ?」
「碧が?」
「うん。なんかそのホストはナンバー2とナンバー4の、そこそこ人気のあるホストだったらしい。」
『どういう事なんだろう。』
「分からないけど、碧には何か大きな秘密がある。」
『そうなんだ。』
そして私達はルビと別れた。
碧はなんでホストを…。
確かに碧のスマホには、ホストの連絡先があった。
その人達ともいつか会わないといけないなぁ。
『淏さんはルビな話どう思いますか?』
淏さんは車を運転しながら、タバコに火を付けた。
「碧のスマホには確かに、ホストの連絡先があったから本当だとは思う。」
淏さんはため息を、つきながら話の続きを話した。
「碧は何していたんだ。」
『そのホストの方にも話を聞かなくちゃいけませんね。』
「そうだな。」
そして私達はスズカの元に向かった。
【スズカ】とは大学で待ち合わせた。
スズカは頭が良いイメージしかないなぁ。
あんまり話した事も無いし。
「咲乃?急にどうしたの?」
『急にごめんね。こちらは碧のお兄さん。』
「初めまして。碧の兄の淏です。」
「初めまして、碧の事は残念です。誰からも慕われる良い子だったのに。」
『今日はその碧の事で、話しを聞きたくて来たんだ。』
「碧の事?」
「碧が失踪した日は何してた?」
「でも犯人は見つかったんじゃ?」
『そうなんだけど、私達は真犯人がいると考えています。』
「真犯人…そうですか。私は碧に呼び出されて大学のカフェにいたよ。でもそれは警察にも話して、アリバイ証明してもらいましたよ?」
『碧はなんでスズカを…』
「それは多分ルビの事。あの2人縁切ったみたいだったから。」
「それはルビちゃんも言ってたな…。」
『碧について他に覚えてることは?』
「特には何も、私はスズカの秘密とか興味ないし。」
スズカはサバサバしてるから、確かに興味はないかもなぁ。
「じゃ碧の好きな花とかは知ってる?」
「花?リンドウかな?なんかよく私にくれた。」
リンドウの花言葉は《悲しんでるあなたを愛する》
碧からみてスズカは悲しんでるってこと?
「そうなんだ、正直スズカちゃんは碧をどう思ってた?」
「どうって…可愛そうな人だと思ってた。」
可愛そう…
『それは碧が亡くなったから?』
「違う。碧は確かに綺麗で、優しくて、勉強も運動も完璧だったから、羨ましいく思う人もいたと思うけど…私から見たら完璧な所しか見てもらえていない可愛そうな人だった。」
昔から碧は完璧に何でも出来る子だった。
だから色んな期待もされて、その裏では努力もしていた。
確かにそう何考えると、努力をしていても誰にも分かってもらえない、可愛そうな人だった。
「そうだったのか。」
『でも碧は努力を見てほしいから努力していたわけじゃないよ?碧は努力をしてその成果を、誰かに認めてもらえることで努力の意味があると思ってたんじゃないかな?』
「そんな強い人間じゃないよ、碧は弱い。」
そう言うスズカの目は少し潤んでいた。
私はそれ以上何も言えなくなってしまった。
「ありがとう。時間とらせてごめんね。」
私達はスズカと別れた。
なんかゴールが見えないな。
もしかしたら碧の事件にあの3人は関係無いのかもしれない。
もっと碧の事調べないと、でも私も淏さんも真実に近ずくのが怖い。
だって信じられないような碧が出てくるんだもん。
その帰り。
「咲乃?ちょっと真剣な話ししても良いかな?」
『はい。どうしたんですか?』
「こんな時なんだけど、俺咲乃が好きなんだ。碧の事があるのに、そんな時ではないの分かってるんだけどもう伝えないと気がすまなくて。咲乃の気持ちが知りたい。」
え?
淏さんが私を?
碧の事でお互い頭がいっぱいだったけど、私も淏さんもお互いの気持ちには薄々気づいていた。
ただその事を考えるのも、口に出すのも怖かった。
きっと淏さんも同じだったと思う。
だから今はそんな淏さんの気持ちに答えたいし、私も伝えたい。
『…正直今、凄く驚いています。でも私も気持ちは同じです。私も淏さんが好き。ずっとそばにいたい。』
言い終わると私は泣きそうになった。
嬉しさとか、碧の事とか色々気持ちが混ざった。
それに気づいた淏さんは、私の手をそっと握りそのまま私を、自分の胸に引き寄せた。
大好きな人の胸の中。
私の安心出来る場所。
私はこの人と、生きていきたい。
「なんか改めて抱きしめると緊張するなぁ。」
『私も、でも安心も出来る。淏さんに抱きしめられるの好きかも。』
「俺も抱きしめるの好きだ。」
『碧の事解決したら、デートしませんか?お母さんのことはその後でもいいので。』
「うん。でもそれでいいのか?」
『日々に後悔はしたくありません。自分達の時間も大切にしましょう。?』
「分かった。」
それから淏さんは私を家に送り帰って行った。
私は淏さんの事を考えながら眠りについた。
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