アルファポリスに週一で小説を投稿していたら気づけば5年が経っていました。

hennmiasako

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 アルファポリスへの小説投稿を毎週続けていくと、徐々に読者が増えていき、お気に入り登録数も増えていきました。
 「24h.ポイント」が0の時間帯も減っていきました。

 その事実は私が思っていた以上に私に喜びを与えてくれました。
 他人に読んでもらえること、その人数が増えることは私の想像以上に満足感を与えてくれました。
 他にも達成感や充足感や幸福感や自己肯定感も得ることができました。

 読者やポイントやお気に入り登録数が増えれば増えるほど私が得られる喜びも倍増していきました。

 自分の作品が他人に認められたようでとても嬉しい。
 価値があると認められたような気分になれる。
 自分が褒められているように感じられる。

 だから、もっと頑張ろうとモチベーションを上げることができました。

 しかし、それに伴い欲も出てきました。
 もっともっと多くの人に読んでもらいたいという欲が。

 私はアルファポリスに小説を投稿してとても幸せになれました。
 投稿を始めた当初はこんな幸せは想像もしていませんでした。
 だからこそ、逆もまた想像できていませんでした。

 そのようにマイペースにアルファポリスへ毎週日曜日に小説を投稿し続けて3年が経過したころ、私は初めて壁にぶち当たってしまいました。

 ある日、突然お気に入り登録数が減っていました。
 「24h.ポイント」も減って、0の時が増えました。

 気付くと読者が離れていました。

 私は衝撃を受けました。

 他人からの感想を受け付けなければ大丈夫だと過信していました。
 他人からの評価が数字として表れることがどういうことか全然分かっていませんでした。

 私はやっと小説を投稿して公開して評価されることの怖さを知ることができました。

 最初はポイントが0から増えて他人に評価されることが単純に嬉しかったのに、減ると他人に評価されることが恐ろしくなってしまいました。

 閲覧数という数字ではっきりと評価が表れるということは良い評価も悪い評価も一目で分かってしまいます。

 私はポイントや登録数が減ることにショックを受けて、傷ついて、焦って、慌てました。

 でも、私には何が原因で読者が離れたかが分かりません。
 最初に話の流れを決めて、それに沿って書き続けているので、突然、話の流れを変えることはできないし、変えられるほどの技量もありません。
 私は内心で大慌てしながらも今まで通りに小説を書いて投稿を続けることしかできませんでした。

 そして、ポイントや登録数はどんどん減っていきました。

 「面白くない」と思われてしまった。
 読む価値が無いと判断された。
 見捨てられてしまった。
 否定された。
 拒絶された。
 嫌われた。

 言葉にされなくても数字がはっきりとそれを表して私に伝えてきました。
 数字が如実に読者の気持ちを代弁しています。
 数字は冷たく無情に現実だけを私に突き付けてきました。

 私は天国から地獄に落とされました。
 気持ちが高いところに上がっていた分だけ勢いよく下に落ちました。
 喜びの分だけ哀しみが深くなり、未知の絶望を味わうことになりました。

 私のモチベーションは下がりに下がり、完全に自信喪失して、自己嫌悪に陥り、自暴自棄になりました。

 小説を書くだけなら1人でこっそり書くことはできる。
 無理にアルファポリスに小説の投稿を続ける義務も必要も無い。

 私は何もかもを投げ出したくなってしまいました。

 しかし、私がそんな状態に陥った原因が読者という存在でありながらも、そんな状態から私を救ったのも読者の存在でした。

 ポイントや登録数が減ったとは言ってもまだ完全に0にはなっていません。

 「週間ポイント」はアルファポリスからもらえる200ポイントだけではありませんでした。

 1週間に数人は私の小説を読んでくれています。
 読者が0人にはなっていません。

 私は自分の気持ちの置き場を変えることにしました。
 私の小説を読まない人の方に重きを置くのではなく、私の小説を読んでくれる人の方に重きを置いて考えてみることにしました。
 
 少なくとも小説を読んでくれている人は私の小説に読む価値があると思ってくれている。
 こんなに多くの小説がある中でわざわざ私の小説を選んで読んでくれる人が確かに存在している。

 私は自分の小説を読んでくれる人を裏切りたくないと思いました。
 せっかく読んでくれる人がいるのに中途半端に未完で投げ出してしまうのはあまりにも無責任で読者に対して不誠実だと考え直しました。

 私はお気に入り登録数が0になるか週間ポイントが200ポイントになるかしない限り小説の投稿を完結まで続けることを改めて決心しました。

 私はそれからも何度も挫けそうになる自分を叱咤しながらその決意に縋りながら必死に小説を書き続け投稿を続けました。





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