NAMI NOTE ~緒ノ道あやかし~

二三野 花

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一章 緒ノ道あやかし

一話

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 ──次はオノミチ……次は緒ノ道……
 うつらうつらと、うたた寝から目覚めていくと文字の羅列は言葉に変わる。おのみち、緒ノ道──目的地だ。彼女は一度きゅうと瞬きした。
「ぁ、着いた」
 左を見れば島に挟まれた狭い水道、右を見れば坂にへばり付くように立ち並ぶ古民家。電車の速度で流れ行くのは古寺、錆びたバス停、石畳の小径──初めて訪れた港町の風景に、月見里やまなししずくは感嘆の吐息を溢す。
 みぎわと坂と猫の町。彼女はこの駅で降りる。
「よっ……と」
 キャリーケースを転がしながらホームへ出て、一度辺りを見渡す。……そろそろ待ち合わせの時間だが、叔父はまだ到着していないらしい。すれ違いになってもいけないしここで待っていよう。と、しずくはホームの端にあるベンチに腰掛けた。
「ふう」
 海から吹く春風はずいぶんと心地良く彼女はぐんっと背伸びをする。誰もしずくに注目せず、行き交う人とあやかしはどこか急ぎ足で……彼女はぼんやりとそれらを異国の風景のように眺めていた。
 ざわめきと──待合室に掛かったテレビからはお昼のニュースをバックミュージックにして時間を潰す。──陰陽寮の抜本的な改革うんぬん──どこどこ刑務所から脱獄うんぬん──八島狸の相続問題──
 暫く中空に心を奪われていたが、ふと声を掛けられた。人間が発声するにはあり得ない低い位置からだ。
「お嬢さん、ハンカチを落としてましてよ」
 声の持ち主はするりとしずくの座るベンチへ移動した。
「あり……わわ……ありがとうこざいます」
 思わずしずくは吃ってしまった。おまけに受け取る手を途中で固まってしまった。──あまりにも美しい猫がそこにいた。
 真珠を砕いて紡いだ糸で作ったような毛色に、受胎を告げたガブリエルのような声、そして海とも空とも言えぬ青い瞳にしずくはすっかり魅入ってしまった。
 猫が話しかけてくるなんて滅多に無い体験だがしかし、こんなにも美しい猫が喋れない筈が無いだろうと妙に納得してしまう佇まいだったのだ。
 美猫はしずくの隣に彼女は腰を落ち着けその顔を見上げている──宝石を生きものにしたらきっとこんな形をしているに違いない。そしてその麗しの頭の上にちょこんとハンカチが一枚。
「可愛らしいハンカチですものね。汚れてしまっては大変だわ」
「──ご丁寧にありがとうございました」
「いいのよ」
 人ならばきっと蕩けるような微笑みを浮かべていただろう声音で美猫は小首を傾げた。
「お嬢さんは緒ノ道へ観光にいらしたの? 大きなキャリーケースね。……緒ノ道の人は猫又に話しかけられてもそんなにビックリなさらないからつい聞きたくなってしまったのよ」
「いえ、お気になさらず……私も待ち人がまだ来ないので時間を潰してたんです。猫又さんに話しかけられたのは初めてなので、少し驚いちゃって」
「猫又さん! そう呼ばれるのもとても擽ったくて好きよ。でもお名前を教えないと。──菫青キンセイと申しますの、初めまして。改めまして緒ノ道にようこそ」
「ご丁寧に、本当にすいません。私、月見里しずくと言います。地元にも猫又さんは居ましたけどこんな町中で会えるのは初めてです」
「緒ノ道には猫も猫又もたくさん住んでますのよ」
「なるほど……。あ、それで、緒ノ道へは大学に入学するのでこっちに越して来たんです」
「まぁ引っ越しとなると遠方からかしら? ……不躾になったらごめんなさい、どちらからいらしたの?」
帝都とうきょうです」
「まぁ、まぁまぁ。とっても遠くからいらしたのね。お嬢さん一人だと心配なさる方もいるでしょう」
竜希たつき君……えっと、従兄にはすごく心配だから地元に残ってって言われました、あはは……」
「ええ、ええ、可愛らしいお嬢さんですもの。手元にいて欲しい気持ち、わかりますわ」
 可愛らしいお嬢さん、と言われるのが擽ったいのかしずくはスマホを少し突いて照れ隠しをする。──叔父には新幹線の中でメッセージを送信したのだが、まだ返事は来ていなかった。
「あら、お迎えのご連絡かしら。いらっしゃったの?」
「あ、ごめんなさい、お話途中だったのに。ちょっと時間を確認したかったんです」
 綺麗なあなたに褒められて舞い上がってしまいそうだった、とはどうにも言えずしずくははぐらかす。
「でも待ち合わせの時間からだいぶ過ぎちゃってて。何があったのかと、心配ですね……」
「お迎えはお車?」
「はい」
「なら道が混んでるのかもしれないわ。何ヶ所か混むところがあるのよ」
「……それか急なお仕事が入ってしまったか、とかかもです」
「お忙しい方なのね。ひょっとして陰陽庁の方かしら?」
「いえ、フリーの退魔師……? というのをしているらしくて。話に聞いただけで詳しくは無いんですが……」
 叔父はフリーランスとして働いているからまま、そういう事態に陥るのだ……と本人から先日電話越しに聞いたばかりだった。
「あら、じゃあもしかしてお待ちになってるのは月見里──」
 と、言いかけたところでふと、しずくは気が付いた。駅内が賑やか──いや、騒がしい、と説明した方が差し支えない。ガヤガヤと誰かと誰かが肩を寄せ合い或いは、怪訝な顔をして急遽用意されたホワイトボードを見つめていた。駅員が慌ただしく大声を上げるものだから余計に緊張感が高まる。
「申し訳ありませぇんっ! 牛鬼出没に付き運転見合わせとなりましたー!」
「ぎゅうき……?」
「たいへん、牛鬼が出たのね」
 時間が経てど騒々しさと人々の訝しむ顔は解消される事無く、麗しい菫青の声さえかき消されていく。
 ──牛鬼じゃと? 何十年ぶりかのォ……
 ──妖が緒ノ道水道に出たんだってさ。
 ──陰陽師さんか退魔師さんがもう行ってるじゃろ。
 ──なら渡船も停止かぁ。
 ──大橋の下じゃってさ。東緒ノ道からはこっち来れないじゃろうね。
 喧騒達が各々に口を開くたびにしずく背中に冷たいものが滑り落ちてくる。
「しずくさん落ち着いて。月見里秋彦さんならきっと大丈夫よ」
 予感めいたものは、あった。これは大変な事態が起きたのだろう、とも。
「もしかして」
 ──叔父の職業は、退魔師だ──
 一抹の不安が過り、そして不安があっさりと現実になってしまったのはホワイトボードが現れて一時間ほど経ってからだ。牛鬼討伐成功、の報せが入り人の波が落ち着いた頃、不意にスマホが震えた。
「秋彦叔父さんからです」
 着信にしずくはギクッと肩を揺らすが、表示は【秋彦おじさん】となっていて溜め込んだ息を一気に吐いた。「よかった」と傍らの菫青も二本の尾っぽを揺らす。
『もしもし?』
「もしもし、あのー……」
『こちら【しずく】さんの電話であってます?』
「……。……どちら、さまですか?」
 電子越しに聞こえた声は言葉尻が軽い、若い男の声だった。叔父の秋彦のものではない。
『僕は廣島県陰陽庁の御立花と申します。月見里秋彦氏の電話をちょっと拝借しております』
「あの、叔父に何かあったんですか」
『確認したいんですが、あなたはしずくさんですか? ご親族?』
「はい、姪の月見里しずくです』
『あ、よかった。……ええ、ちょっと。……先ほど妖の牛鬼が顕現したのはご存知です?』
「はい、駅でお知らせが出てました」
『それで近くに居た月見里さんにも出動要請が出たんですけど──少々問題が起きまして……ええ……』
 御立花と名乗った声のトーンが落ちる。
『今はー……まだ駅に居ますか?』
 しずくが「はい」と答えると御立花はホッとしたように安堵のため息を漏らしていた。
『なら病院に来ていただけますかね。村守記念病院って分かりますか?』
「病院って、まさか叔父さんに何か」
『あぁ、いえいえ落ち着いて。命に別状はないんですよ』
「よかった……」
『でもちょっと色々と、おそらくご家族が迎えにこないと色々大変かなぁ、そんな状況でして」
 御立花は妙に答えをはぐらかしている。しかししずくは二つ返事で「今から行きます」とだけ言った。
《緒ノ道に着いたらケーキを食べに行こう。合格祝いしたいんだ》
 最後に叔父と話したのは昨日の夜だったか。気をつけておいでと締めくくられた言葉を思い出す。
 ──滅多に会う事は無かった叔父だがそれでも大学進学の話を聞いた時は喜んでくれた、そして下宿としてウチに住めばいいと申し出てくれた人だ。
「すぐ向かいます」
『到着したらもう一度こちらに電話を。僕はロビーで待ってます』
「はい」
 情が湧く程の付き合いはまだ無い。けれども誠意を持ってくれた叔父には誠意でもって返さなくては──と、自分にできる事があればと、彼女はタクシー乗り場へ目を向けた。
「秋彦さんでは無かったのね、しずくさん」
「御立花って方でした……叔父が病院に運ばれたそうです」
「大丈夫よ、その人は御立花みたちばなかおるさんとおっしゃるの。緒ノ道の陰陽庁の方」
 どうやら菫青と電話越しの彼は知り合いらしい。「病院はどちら?」と続けて聞かれたので「村守です」と言えば尾っぽをピンと伸ばして彼女は立ち上がった。
「なら本当にすぐ近くよ、ご案内させてね」
「菫青さん、でも……」
「こっちよ。お急ぎあそばせ」
 しずくはたたらを踏んだが彼女はお構いなしにするりと駅から出て行こうとする。
「ちょっと待ってください……っ」
 慌ててしずくがキャリーケースを引っ掴むと菫青はやっと振り向いた。そして青い瞳でじいっと見上げてくる。
「──私の尾っぽをじっと見て、目印のように目を離してはだめ」
「それはいったい?」
「尾の路を使いますわ」
「オノジ?」
「──緒ノ道の猫が使う小径ですのよ」
 さぁ、と促されしかし説明不足であるがしずくは流されるまま白い猫の尾っぽを見つめ、一歩足を前に出した。
「──っ!」
 一歩出しただけだ、足を。
 だのに目の前の風景が一瞬で変わった。映像を早送りするような、走馬燈を平穏に眺めたような、えも知れぬ一瞬にしずくは腰が抜けそうになる。海の波が波打つように周りの風景が押しては返す、これが猫達の使う小径なのか──無くしたような気分になってしずくは慌ててキャリーケースを握り締めた。
「着きましたわ」
「ろ、ろびーで、御立花さんが待って、るそうです」
「なら私はそのままロビーまでお付き合いしますわ」
 しずくは緒ノ道に来てからずっと夢を見続けている気分だった。ふわふわした頭でロビーまで行けば叔父が悪戯っ子のように待ち構えているかもしれない──とも空想したが、しかし待っていたのは線の細い和装の青年だった。
「こんにちは。月見里しずくさんですね」
「御立花さんですか?」
「ええ」
 テレビでよく見かける陰陽師の制服だ。服装と提示された陰陽手帳で少し威圧感があるが、柔和な顔つきで幾らか中和されている。
「それじゃあこちらに。──レディ菫青、あなたが一緒だったんですねぇ。どおりで到着が早い」
「私の事も気にかけてくれてありがとう芳さん。でも今はしずくさんと秋彦さんの助けになってあげてくださいな」
 菫青はやはりロビーで待機するようだ。
「では月見里さん、こちらに」
「は、はい」
 足早に歩く御立花の後をしずくは慌てて追いすがる。ふと後ろを振り返ると受付に居た鯖雉の猫又が菫青にするりと寄って来て、何か話しかけていた。彼女の知り合いらしい。
「──道すがらにざっと状況をお伝えします」
「はい」
「緒ノ道と迎島ムカエシマの間にある水道──他の町の人にはイマイチぴんとこないか……うん、狭い狭い海峡、と思ってください──そこで牛鬼が現れました。対話は不可能で即討伐命令が発令される妖なんです」
 ここでエレベーターに乗って、御立花はひと呼吸入れた。
「僕含め何名かが討伐に当たりましたが、緒ノ道付近にいたフリーの方にもそのサポートとして招集がかかりました」
「叔父さんもその中に?」
「そうです。今回の牛鬼は特に恨みが籠っていたらしく、力も強く……包囲網をかいくぐって商店街の方へ逃げました。ええ、しずくさんがいた駅の方角です」
「それは……」
「月見里さんが──あぁ分かりづらいですねぇ……秋彦さんはこれをどうやら読んでいたらしく、たった一人で牛鬼を迎え撃ったんです」
 御立花の口ぶりから察するに相当な無謀を叔父はしでかしたようだった。彼ははふん、とため息をついている。
「牛鬼は彼のおかげで討伐できたんですが、秋彦さんは海に落ちてしまいましてね。ええ、すぐ救助しましたよ。でも、けったいな事が起こりまして」
 目的の階に着いて、ドアが開いたのだがそのタイミングで御立花の声色が変わった。しずくは思わず彼の顔をまじまじと眺めるが、彼はお手上げ状態だと言わんばかりに両手を軽く上げてみせた。
「皮膚が爛れる呪詛」
「ひぇ」
「──とかならまだ解除の術で対応できたんですよ、これが」
「た、ただれてない?」
「はい。ただ何というかちょっと前代未聞でして」
「でも命に別状ないって伺いました……」
「ないですよ。ないない。本人、いたってピンピンしてます。さっき起きてご飯食べてましたし」
 長い廊下を歩ききった後に辿り着いた個室のドアを御立花はノックした。
「月見里さん、ご家族の方がお見えになりました」
『──あァ、どうぞ』
 くぐもった声がドアの向こうから響いたが、しずくは違和感に眉を少し上げてしまう。
 ──叔父の声はこんなに高かっただろうか? 例えるならばこれは声変わりを迎える前の──
「入りますねぇ」
 だが御立花はしずくを待たずガラガラと引き戸を開けてしまう。
「叔父さん……?」
「──しずくか?」
 ──病室は窓が開けてあるらしい、春風がひゅうとしずくの額を撫でていった。
「え、ええ……?」
「はは、驚いてるなァしずく。ほら、こっちにおいで」
 手招きされて言われるがままにしずくは彼の元へ近づいていった。予想外過ぎて理解が追い付かなかった、とも言おうか。包帯でぐるぐる巻きで無く、血まみれでも無く月見里秋彦はベッドの上で寛いていた。
「腕が細い」
「そりゃあ、このくらいの歳ならお前よりは細いだろうさ」
「声が高い」
「声変わりしてないからなァ」
「電話の時と性格がちがう」
「ヤンチャだったんだよ」
「どう見ても小学三年生くらいなんですが、それは」
「正確に検査したらちょうど十歳の子供の平均数値に当てはまったらしい」
「なんと」
 叔父は子供になっていた。そんな漫画があった気がしないでもないが、兎角衝撃的な事実にしずくはぱくぱくと口を動かすばかりだ。
 多くの事例然り、怪我病気は本人でなく周囲の人間の方が心配するというがこれは余りにあんまりではないだろうか。
「こういう呪いなんだ。困った困った、わははは」
 そしてしずくは月見里秋彦にひょいっとベッドに引っ張り込まれ、そうして押し倒された。

 ──これが、三年と半年ぶりに再開した叔父と姪の会話である。

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