成瀬さんは世渡りが下手すぎる

喜島 塔

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第三部

25

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「あっ! ごめんなさい。私が仲良くさせていただいているママ友さんたちの写真なんですけど……もし良かったら、御覧になりますか?」
 と、せいらは、唯香と栞に尋いてきた。

「えっ! 私たちが見てもいいんですか? せいらさんほどの素敵な方のお友達がどんな方なのか、すごく興味ありますっ!」
 と、栞が身を乗り出した。なかなかの名演だなと唯香は感心していた。栞の名演に便乗して唯香も、

「私も見たいですっ!」
 と、『スナック美沙』での美希の指導を思い出しながら笑顔を繕った。少し気恥ずかしそうにしながら、せいらは、テーブルの上に二枚の写真を置いた。洗練された明るい店内。せいらを含め三人のママ友が横一列に座っているライトグレーのソファの背後には、光を浴びキラキラと輝いている青葉が写っている。おそらく、上野うえの公園か日比谷ひびや公園内にあるレストランなのだろう。せいらの右隣りにはダークブラウンのショートヘアの女性、左隣には栗色のロングヘアの女性が写っている。

「さすがは、せいらさんのお友達! 皆さん、上品でお綺麗ですね」

 まるで本心からそう思っているかのように栞が写真の感想を述べた。

「あれっ? 片山さん、髪切ったよね? 肩に着くくらいのボブだったよー」

 タケルが、唯香と栞が分かるように、せいらの左隣に写っている栗色ロングヘアの女性を指さしながら言った。

「せいらさんと、“かたやま”さんと、こちらのショートヘアの方は、どういった繋がりのママ友さんなんですか?」

 栞が、好奇心にかられた様子で、せいらに問い掛けた。

「あっ、はい。理花りかさんと奈津美なつみさんのお子さんが、長女の愛奏かなでと同じ小学校のクラスメイトで、うちのミュージックサロンでピアノのレッスンを受けてくださっているので、自然と仲良くなった感じです。本当に、理花さんと奈津美さんには仲良くしていただいていて、感謝しかないです」

 と、せいらは、嬉しそうに答えた。
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