特技は魔力操作です

からいん

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2章

第23話

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「くそぉ、慣れてきた所だったのによぉ」
「へへん、まぁざっとこんな感じだよ!」

 まぁ操作感覚も掴んだし魔力もリンクする感じも大体わかったような気がするから次やったら絶対に負けない自信が出て来たな。
 操作感覚を復習していると回りが少し騒がしくなってきた。

「オラオラーどけどけーここは俺らが使うから退けやお前らー」

 丸坊主の高校生らしき男達が冒険者学校とは違う学校の制服でぐるぐる広場へ声を上げ入ってきた。
 少年に何だあいつはと聞くと、本所工業学校の生徒らしく、トイズバトラーなどの大会の常連校らしく最近ここら辺で幅を利かせているらしい。

「ほらっ!邪魔だ退け退けー」

 俺が来て間もなく帰ろうとしている子供達を見てせっかく楽しく教えて貰ってたのに気にくわねぇなぁと感じて文句の一つも言いたくなる。

「おいハゲ!」
「これはファッションハゲなんだよ?!ああ?」
「そうか……ファッションハゲ!!」
「ハゲハゲ言うなやぁ!?」
「なんだよめんどくせぇなぁ、俺は今この少年に御教授してもらってんだよ邪魔すんな」
「え?僕を巻き込まないで?!」

 まぁまぁと少年を落ち着かせているとハゲの高校生が初心者は黙ってどっか行って練習でもしていろとわめきながらこっちへと凄んで近づいてきた。

「まぁまぁファッションハゲ、ここはみんなの公園なんだから、な?」

 ハゲハゲうるさいわ!と胸倉を掴んできたので喧嘩だったら分が悪いぞと言うと少し怯んだファッションハゲ。

「お、俺らは本所工業の者だぞ!!」
「トイズバトラーがつえー学校なんだろう?なら専用の練習場くらいあんだろ?」
「それは大会出場者だけだよ!俺らは強くなってあいつら見返すんだよ!!」
「お?なら一緒にやればいいじゃんやろうぜ?」
「え?まじ?じゃあレッツトイズバトル!!……ってちがうからぁ!!俺らは強くなりたいの!!弱い奴とやっても意味無いの!!」
「うるせぇなぁ、じゃあ俺とやろうぜ」
「人の話聞いてましたー?……もういいや、俺が勝ったら出てけよな」
「おう」

 お兄さん大丈夫なのと少年が心配そうにしていたが大丈夫と言って後ろへ下がってもらいファッションハゲと握手をしてフリーバトルを開始した。

「初心者が俺に勝てる訳ねーだろ、行け!俺のブルーストライカー!!」

 ファッションハゲがブルーストライカーと呼んだ機体が立ち上がる、槍を持って青い鎧を来た西洋風の騎士みたいなトイズバトラーのようだ。

「みんなトイズバトラーに名前つけてんだな、よし行け!俺のトイズ!」
「なんだお前のトイズバトラーは防具もぐちゃぐちゃだし武器が木刀でバランスタイプのトイズバトラー?わはははは勝つ気あんのかよ!」
「大丈夫だ問題ない」

 これがスピード&槍のリーチの長さで絶望しろ!と言いながらファッションハゲのトイズバトラーが接近して攻撃を繰り出してきた。

「すばしっこいだけで槍の扱いが全然なってねぇなぁ」

 ただ突いてくるだけの槍を木刀で柄の部分に下から切り上げると見本のように槍が弾かれた。

「なに?!だが俺のスピードには着いてこれまい!!」
「確かにすばしっこいなぁ……じゃあ、抜刀・緋炎の太刀」

 俺のトイズバトラーの木刀が緋炎の炎に包まれ太刀の長さを得る、そしてその太刀を地面へと突き立てる。

「一ノ太刀・楔の炎クサビノホムラ

 地面から炎が巻き上がりブルーストライカーに炎が巻き付き始める、ファッションハゲは驚きブルーストライカーを動かそうとするが炎に巻き付かれたブルーストライカーは動かせない。

「これが本当の戦闘って奴だ、二ノ太刀・獅子炎滅シシエンメツ

 緋炎の太刀を振りぬくと炎の獅子がブルストライカーへと襲い掛かり炎の牙がブルストライカーに齧りつくと多段ヒットしてブルーストライカーは機能停止した。

「うぃいいいー俺の勝ちぃぃぃぃ」
「な、なななななんだそれ!?B級冒険者でもそんな技出してる所見た事ねぇぞ!!」
「うぃぃぃぃぃぃ初心者に負けてどんな気分んんんん?」
「し、しつこいわっ!!」

 これ以上言うとファッションハゲが泣き出しそうだったのでこれ以上言うのは辞めておくかと考えていると子供達がわらわらと俺に集まって来た、スゲーだのどうやったのかだの大人げないけどスゲーなど子供達が騒ぎ始めた。

「まぁまぁ落ち着け、あんなのは誰でも練習すりゃあ出来る」
「う、嘘だ!!俺は冒険者チャンネルを憧れて色々見ているがそんなの見た事も聞いた事もねぇ!!」
「そのちゃんねるとやらは知らないが逆に聞くが冒険者でもないお前がなんで全てを知った気でいるんだ?」
「た、確かに?」
「それに俺はダンジョンもクリアしたしっかりとした冒険者だ!」

 子供達がワーワー騒ぎ出すのをまぁまぁと落ち着かせながらも、ファッションハゲの足りない部分を教えてやる。

「魔力操作は多少できんのかもしれんが結局は武器の使い方を知らなすぎる、見様見真似でももっとマシになるはずだぜ!」
「そ、そうなのか……」
「ここで仲良く遊ぶってんなら武器の使い方を教えてやってもいい、その代わり俺にもトイズの主流やら楽しい事教えろ」
「そ、そんな事で良ければ!!」

 これでファッションハゲの脅威からこの公園の秩序は守られた、ダンジョン攻略しないといけないのにお節介が過ぎるな俺は。
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