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Destiny~君は私の運命の人~【スピンオフ】
第14話
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グスターヴァルは山頂に下り立つと、最後に乗せたアリスとジェイクが下りたことを確認した後、皆の前でゆっくりと頭を下げた。
「今日は私に会いに来てくれてありがとう」
まさかドラゴンに頭を下げられるとは思っておらず、そこにいた全員が驚きの表情になっていた。
「ふふっ、グスターヴァルはそれだけ皆に愛されているということですよ」
代表するように、ルイがにこりと笑ってグスターヴァルに答えた。
その場にいたアリスを始めエリス、ジェイク、ライアン、キティそしてユウキも笑いながら頷いている。
カイトだけは無表情のまま特に反応はない。こういう所がまたイーサンに似ているなとイアンは感じていた。
そしてこれだけ皆に愛されているグスターヴァルのことを、やはり独り占めすることはできないのだろうなと考える。
どれだけ好きでも彼は皆のものなのだ。
「イアン……本当は、危険かもしれない場所へ君を連れて行きたくはない。だが、イアンがそばにいてくれると私も心強い。……一緒に来てくれるか?」
すると突然、グスターヴァルが顔を寄せてイアンに話し掛けてきた。
ぼんやりと周りを見ていたイアンは驚いて顔を赤らめる。
「も、もちろんだよっ。そ、そりゃ、ちょっとは怖いけど、俺だって騎士なんだよ。これくらい大丈夫っ! うっ……ゴホッ」
胸を張って、ばんっと勢いよく右手で自分の胸を叩いたら、むせてしまってなんとも格好がつかなかった。情けない……。
「大丈夫か?」
じっとイアンを心配そうにグスターヴァルが見つめている。
「う、うん……うっ、大丈夫」
ゴホゴホと止まらず咳をしていたが、涙目でグスターヴァルを見上げる。
やはりグスターヴァルは優しい。
先程もユウキと仲良くしているグスターヴァルのことを見て、泣きそうになっていた自分を気遣ってくれた。
心配してくれるグスターヴァルの態度が嬉しい。
そして、何より自分が一緒に行くことで心強いと言ってもらえたことが本当に嬉しかった。
改めてグスターヴァルのことが大好きだと自覚する。
「心配するな。イアンのことは、命に替えても私が必ず守る」
今度は真剣な顔でグスターヴァルがじっと見つめてきた。
その表情にドキッと心臓が大きく飛び跳ねた。
「グスターヴァルって、ユウキのことを凄く大事にしてたけど、イアンのことはそれ以上なんだねっ」
ふふっと笑いながら突然アリスが口を挟んできた。
その言葉に再び顔が熱くなる。
しかし同時にありえないと考える。
主であるホワイトキャットよりも? まさか、そんなはずはない。
「ユウキは私の主だ。大事にするのは当たり前だろう。私が人間になったとしても、それはずっと変わらない。しかし、イアンは違う。イアンは私の……私の大事な人なんだ」
真剣な顔のままグスターヴァルが答える。
「っ!」
まさかの言葉に驚いて息ができない。
「わぁっ! 告白だねっ!」
グスターヴァルの言葉にアリスが両手をぱんっと叩いて喜んでいる。
しかし、グスターヴァルは肯定も否定もしない。
(告白だなんて……)
止まっていた息を大きく吐いた。
漸く息ができるようにはなったが、驚きと恥ずかしさで体が動かない。
「まったく……野暮なことを言いますね、アリスは」
ルイが大きく溜め息を付いている。
ますます意味が分からなくて頭の中が混乱していた。
「ええっ、なんでー? だって、グスターヴァルだよ?」
目をぱちぱちっと瞬きさせると、口を尖らせながらアリスが文句を言う。
「ふたりの邪魔しちゃダメってことだよ」
ふぅっと溜め息を付きながらジェイクがアリスの頭を優しく撫でる。
そんなジェイクをアリスは嬉しそうに見上げている。
このふたりの関係もなんだか不思議だなと眺めていたら、動揺していた気持ちが少し落ち着いてきていた。
「イアン、そろそろ行こう。遅くなってしまった」
まるで何事もなかったかのようにグスターヴァルが話し掛けてきた。
いつもと変わらない表情に戻っている。
あれ? と思いながらも、この話は終了ってことかとなんだか残念な気持ちになった。
「どうした? 乗れないのか?」
きょとんとした顔で首を傾げているイアンに向かって、グスターヴァルが心配そうに顔を向けてきた。
「あっ、ごめんっ。大丈夫っ!」
ぼんやりしすぎてしまった。
慌てて声を上げると、急いでグスターヴァルの前脚の方へと移動する。
戦闘能力は低いが小柄のため体は軽い。
ひょいっと脚を伝って背中まで上る。
思った以上にグスターヴァルの背中は広くて長い。いや、尻尾があるから長く見えるだけかもしれない。
体はごつごつとしているが、棘などもなく、乗り心地が悪そうでもない。
そっとグスターヴァルの首の後ろ辺りに座ってみたが、温かくて心地良く感じる。
ドラゴンの背中がこんな感じだとは思いもよらなかった。
そして何よりグスターヴァルに触れられるのが凄く嬉しい。
「あったかい……」
そっと手で触れてみた。
今から白の魔女の所へ行くというのに全く怖さを感じない。不安もない。
きっと、グスターヴァルが一緒だからなのだとイアンは考えていた。
グスターヴァルはイアンがそばにいてくれると心強いと言っていたが、自分も同じ気持ちだった。
きっと大丈夫だ。
「では、行ってくる」
周りで見上げている人たちに向かってグスターヴァルが顔を向ける。
「行ってきます」
イアンもまた、グスターヴァルの背中の上から手を振る。
見上げている人たち全員が笑顔だった。
「行ってらっしゃい」
にこりと笑ったルイが言った後、他の人たちも口を揃えて「行ってらっしゃい」と言いながら手を振ってくれた。
いよいよ白の魔女の所へと向かう。
「今日は私に会いに来てくれてありがとう」
まさかドラゴンに頭を下げられるとは思っておらず、そこにいた全員が驚きの表情になっていた。
「ふふっ、グスターヴァルはそれだけ皆に愛されているということですよ」
代表するように、ルイがにこりと笑ってグスターヴァルに答えた。
その場にいたアリスを始めエリス、ジェイク、ライアン、キティそしてユウキも笑いながら頷いている。
カイトだけは無表情のまま特に反応はない。こういう所がまたイーサンに似ているなとイアンは感じていた。
そしてこれだけ皆に愛されているグスターヴァルのことを、やはり独り占めすることはできないのだろうなと考える。
どれだけ好きでも彼は皆のものなのだ。
「イアン……本当は、危険かもしれない場所へ君を連れて行きたくはない。だが、イアンがそばにいてくれると私も心強い。……一緒に来てくれるか?」
すると突然、グスターヴァルが顔を寄せてイアンに話し掛けてきた。
ぼんやりと周りを見ていたイアンは驚いて顔を赤らめる。
「も、もちろんだよっ。そ、そりゃ、ちょっとは怖いけど、俺だって騎士なんだよ。これくらい大丈夫っ! うっ……ゴホッ」
胸を張って、ばんっと勢いよく右手で自分の胸を叩いたら、むせてしまってなんとも格好がつかなかった。情けない……。
「大丈夫か?」
じっとイアンを心配そうにグスターヴァルが見つめている。
「う、うん……うっ、大丈夫」
ゴホゴホと止まらず咳をしていたが、涙目でグスターヴァルを見上げる。
やはりグスターヴァルは優しい。
先程もユウキと仲良くしているグスターヴァルのことを見て、泣きそうになっていた自分を気遣ってくれた。
心配してくれるグスターヴァルの態度が嬉しい。
そして、何より自分が一緒に行くことで心強いと言ってもらえたことが本当に嬉しかった。
改めてグスターヴァルのことが大好きだと自覚する。
「心配するな。イアンのことは、命に替えても私が必ず守る」
今度は真剣な顔でグスターヴァルがじっと見つめてきた。
その表情にドキッと心臓が大きく飛び跳ねた。
「グスターヴァルって、ユウキのことを凄く大事にしてたけど、イアンのことはそれ以上なんだねっ」
ふふっと笑いながら突然アリスが口を挟んできた。
その言葉に再び顔が熱くなる。
しかし同時にありえないと考える。
主であるホワイトキャットよりも? まさか、そんなはずはない。
「ユウキは私の主だ。大事にするのは当たり前だろう。私が人間になったとしても、それはずっと変わらない。しかし、イアンは違う。イアンは私の……私の大事な人なんだ」
真剣な顔のままグスターヴァルが答える。
「っ!」
まさかの言葉に驚いて息ができない。
「わぁっ! 告白だねっ!」
グスターヴァルの言葉にアリスが両手をぱんっと叩いて喜んでいる。
しかし、グスターヴァルは肯定も否定もしない。
(告白だなんて……)
止まっていた息を大きく吐いた。
漸く息ができるようにはなったが、驚きと恥ずかしさで体が動かない。
「まったく……野暮なことを言いますね、アリスは」
ルイが大きく溜め息を付いている。
ますます意味が分からなくて頭の中が混乱していた。
「ええっ、なんでー? だって、グスターヴァルだよ?」
目をぱちぱちっと瞬きさせると、口を尖らせながらアリスが文句を言う。
「ふたりの邪魔しちゃダメってことだよ」
ふぅっと溜め息を付きながらジェイクがアリスの頭を優しく撫でる。
そんなジェイクをアリスは嬉しそうに見上げている。
このふたりの関係もなんだか不思議だなと眺めていたら、動揺していた気持ちが少し落ち着いてきていた。
「イアン、そろそろ行こう。遅くなってしまった」
まるで何事もなかったかのようにグスターヴァルが話し掛けてきた。
いつもと変わらない表情に戻っている。
あれ? と思いながらも、この話は終了ってことかとなんだか残念な気持ちになった。
「どうした? 乗れないのか?」
きょとんとした顔で首を傾げているイアンに向かって、グスターヴァルが心配そうに顔を向けてきた。
「あっ、ごめんっ。大丈夫っ!」
ぼんやりしすぎてしまった。
慌てて声を上げると、急いでグスターヴァルの前脚の方へと移動する。
戦闘能力は低いが小柄のため体は軽い。
ひょいっと脚を伝って背中まで上る。
思った以上にグスターヴァルの背中は広くて長い。いや、尻尾があるから長く見えるだけかもしれない。
体はごつごつとしているが、棘などもなく、乗り心地が悪そうでもない。
そっとグスターヴァルの首の後ろ辺りに座ってみたが、温かくて心地良く感じる。
ドラゴンの背中がこんな感じだとは思いもよらなかった。
そして何よりグスターヴァルに触れられるのが凄く嬉しい。
「あったかい……」
そっと手で触れてみた。
今から白の魔女の所へ行くというのに全く怖さを感じない。不安もない。
きっと、グスターヴァルが一緒だからなのだとイアンは考えていた。
グスターヴァルはイアンがそばにいてくれると心強いと言っていたが、自分も同じ気持ちだった。
きっと大丈夫だ。
「では、行ってくる」
周りで見上げている人たちに向かってグスターヴァルが顔を向ける。
「行ってきます」
イアンもまた、グスターヴァルの背中の上から手を振る。
見上げている人たち全員が笑顔だった。
「行ってらっしゃい」
にこりと笑ったルイが言った後、他の人たちも口を揃えて「行ってらっしゃい」と言いながら手を振ってくれた。
いよいよ白の魔女の所へと向かう。
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