NEVER☆AGAIN~それは運命の出会いから始まった~

ハルカ

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第8章『正体』

13話

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(このままもし目を覚まさなかったら……もし、タクヤが死――)
 ふと考えてしまったことにハッとする。こんなことを考えてしまうなんてありえない。助けることを考えなければならない筈が、最悪の事態が頭から離れない。
 イズミは不安と恐れに支配されていた。
 緊張でタクヤの肩を押さえる手が震える。
 すると、ふと何かを感じハッとしてタクヤの顔を見た。
 ぴくぴくっと瞼が動いている。
 目を大きく見開き、イズミは思わずカオルを見た。
 今まで何か呪文を唱えていたカオルだったが、手元を見るとうっすらと光っている。そして、ぐっと更に力を入れ、ゆっくりと剣を抜いていく。
 カオルを見ているうちに、今まで頭の中を支配していた不安の塊が少しずつなくなっていくのを感じた。
 イズミはタクヤを押さえる手に力を込める。そしてじっとタクヤの顔を見つめた。

「うぁっ……」

 突然タクヤが苦しそうに声を上げた。その声に反応してカオルが真剣な表情で声を上げる。
「イズミっ、しっかり押さえてろっ!」
「うるせぇっ、分かってるよっ!」
 強く返事をしながらも、イズミはじっと不安そうな顔でタクヤを見つめる。
 少しずつだが顔に血色が戻ってきているように見える。
 もう少しだ。絶対に大丈夫だ。
 イズミは自分自身に言い聞かせるかのように心の中で強く思っていた。
 そして、鋭い目付きになると更に強くタクヤを押さえる。
「イズミ、コイツが抜けたらすぐに止血だ」
 先程よりも強く、カオルは剣を持つ手に力を込める。ぐっと剣を引き、大きく目を見開く。手元で光っていた光が剣を包み込むようにして大きく広がっていく。
 そしてカオルは立ち上がると、剣を持ち変え一気に引き抜いた。
 その瞬間、傷口から大量の血が噴き出す。びくんとタクヤの体が跳ねる。
「っ!」
 イズミが急いで傷口を両手で押さえる。そして左手が光る。目を瞑り、両手で強く押さえる。
 押さえる手の端から流れていた血液が、すーっとまるで逆再生のように戻っていく。
「くっ……」
 苦しげな表情で傷口を押さえ続ける。イズミの左手が大きく光る。そして溢れ出ていた血がいつの間にか見えなくなっていた。
 しかしまだタクヤは目を覚まさない。顔色も先程少しだけ血色が戻ったと思っていたが、再び真っ青な顔をしている。
 そんなタクヤの顔を見てイズミの手元の光がスッと消えてしまった。不安で気が逸れてしまったのだ。
「後は俺がやろう。お前はこいつに膝枕でもしてやれ」
 すると、隣でじっと様子を見ていたカオルがイズミに声を掛けた。ハッとしてイズミが見上げると、にやりといつものように笑っている。
「は?」
 思わず眉間に皺を寄せながら睨み付けてしまった。
「できるだけ頭を高くした方がいい」
 しかし、カオルはゆっくりとタクヤの横に腰を下ろし胡坐をかくと、イズミを見ることなく真剣な顔で答える。
「だったら石でも置いとけばいいだろ?」
「お前、そりゃ冷たすぎるんじゃないのか……。どうせこいつには分かんねぇんだからいいだろう?」
 さらりと言い返すイズミをカオルは苦笑いしながら見上げる。
「ちっ……」
 軽く舌打ちするとイズミは仕方なさそうにタクヤの頭の前へと移動し、足を崩して座ると膝にタクヤの頭を乗せる。
 それを確認すると、カオルは両手をタクヤの傷口に当て、再び別の呪文を唱え始めた。じわりとカオルの手元が赤く光り始める。そしてその光はタクヤの傷口、そして顔の方にまで広がる。
 タクヤの頭を膝に乗せていたイズミは、うっすらと温かい空気を感じていた。恐らくカオルの魔法の影響だろう。
 自分では使えない魔法を使うカオルのことを、今はただ、タクヤを助けて欲しいと、それだけ考えて信じて見つめていた。

 すると、真っ青だったタクヤの顔に徐々に血の気が戻っていくのが確認できた。
 先程イズミが治療した傷もゆっくりと塞がっていく。
 光が赤色から徐々に黄色に変わる。そしてゆっくりと消えていった。
「よし、終わり。思ったより厄介だったな……。もう少し遅かったらやばかったかもな」
 カオルは勢いよく立ち上がると、服に付いた砂をパンパンと払い、腰に手を当て難しい顔つきでタクヤを見下ろす。
「…………」
 しかし、イズミはカオルの言葉に答えることなく黙ってタクヤを見下ろしていた。
 その時、ぴくっとタクヤの指が動いたのが見えた。
「おい」
 ハッとしてイズミはぼそりとタクヤに声を掛ける。
 しかしタクヤが目を覚ます様子はない。
「おいっ、タクヤ」
 もう一度、今度は声を大きくしてタクヤの名前を呼ぶ。
 ぴくっと瞼が動く。
「タクヤっ!」
 もう一度叫ぶようにタクヤの名前を呼んだ。
 目を覚ましてほしい。今はただそれだけを願う。
 すると、再びぴくっと瞼が動き、ゆっくりと目を開き始める。
「ん……」
 そして何度か瞬きをして、タクヤはしっかりと両目を開けたのだった。
「もう大丈夫だな」
 後ろで立ったまま、にやりとカオルが笑う。
「……ん?……え?…………イズミっ!?」
 再びぱちぱちと瞬きをしてゆっくりと周りを見回す。一体どうしたんだ? といった感じで自分の周りを一周したところでふとイズミと目が合った。しかもすぐ目の前で。タクヤは思わず驚いて声を上げる。
「…………」
 じっと見下ろしながらイズミは何も返事をしなかったが、ただ深く息を吐き、安心した顔になっていた。
「えっ? えっ? 何? どういうこと? なんでこんな嬉しい状況になってんの?」
 自分が置かれた状況を全く理解できていないタクヤは、イズミに膝枕をしてもらっていることに気が付き、嬉しさと驚きで声を上げる。
「っ!」
 すっかり油断していたイズミはハッとすると、思わずタクヤの頭を地面に落としてしまった。
「いっ!……ってぇ……。ちょっとっ、何すんだよっ!」
 急に落とされ頭を打ったタクヤは、涙目になりながら頭を押さえる。そして体を起こすと、顔を顰めながらイズミに文句を言ったのだが――。
「っ!?」
 次の瞬間、信じられないような状況に思わず目を丸くしてしまった。
 突然イズミがタクヤの上着をぎゅっと掴み、しがみついてきたのだ。
「えっ? 何? どうしたんだよっ?」
 嬉しさよりも動揺が勝り、抱き締めることもできずにどうしたらいいのかと、両手の行き場がないままイズミに問い掛ける。
「……ばかやろう……。この……すっとこどっこいが……」
「なんだよ。そんなに言うこと――っ!?」
 上着を掴んだままタクヤの胸の辺りに顔を埋めて話すイズミの言葉に、タクヤはむっとして口を尖らす。しかし、すっと顔を上げたイズミを見て思わず息を呑んだ。
「もうっ……たくさんだっ。目の前で人が死ぬなんて……。絶対、絶対に許さないからなっ。許さない……もう……死んじまったらどうしようかって……」
 イズミは溢れる涙を止めることなく、タクヤをじっと睨み付けるように見上げていた。ぎゅっと上着を掴んだまま、大きな瞳から涙の粒がどんどん流れている。
 こんなイズミの姿を見たのは初めてだった。
「イズミ……」
 動揺しながらも、自分に何が起こったのかを思い出し、大事な人を泣かせてしまったことを酷く後悔した。しかし、タクヤは優しくイズミと見下ろすと、自分の胸の中で泣くイズミをぎゅっと強く抱き締めた。
「ごめん、イズミ。心配かけた。俺は大丈夫だから。絶対に死んだりしないから。ずっと、ずっとイズミのそばにいるから……ごめんっ」
「ふんっ。死に掛けたくせに」
 不機嫌に返事をしながらも、イズミはタクヤの背中に手を回し、ぎゅっと上着を掴んだ。
 ちゃんと体温を感じる。生きている。今は本当に、それだけでいい……。
「ほんとごめんな」
 そう言ってタクヤは自分の頭をイズミの頭に軽く当てる。すると――、
「あっ!」
 ハッとしてイズミが声を上げ、そして顔を上げた。
「いてっ!」
「っ!」
 イズミが顔を上げた拍子に、勢いよくふたりの頭がぶつかり、ふたり同時に顔を顰める。
「お前っ、石頭っ」
 涙目になりながらイズミがタクヤを睨み付ける。
「なんだよっ! 急に顔上げるのが悪いんだろっ」
 いててと頭を摩りながらタクヤが言い返す。
「そんなことはどうでもいい」
 しかし、イズミはそう言ってタクヤから離れ、立ち上がった。
「ちょっとっ! どうでもいいってっ! 自分のことはすぐに棚に上げるんだもんなっ」
 いつものようにタクヤがムッとして声を上げるが、イズミはタクヤを無視して何かを探すように周りを見回している。
「どうかしたのか?」
 不思議そうに首を傾げ、自分も立ち上がるとイズミに声を掛ける。
 誰か探しているのだろうか?
「カオルがいない」
 ぼそりとイズミが話す。
「ええっ! あいつ来てたのっ?」
 まさかの名前が出てぎょっとする。自分の意識がない間にイズミの所に来ていたなんて、とタクヤは腹を立てていた。
 しかし、そんなタクヤのことには気にも留めず、イズミはカオルもユキノの姿もなくなっていることに困惑していた。

(いつの間にいなくなったんだ?)

「イズミ? どうかしたのか?」
 ぼんやりと立ち尽くしてしまっているイズミを、覗き込むようにしてタクヤが声を掛ける。
「別に。……お前を助けたのはアイツだ。今度会ったらお礼言っとけよ」
 ぼそりと不機嫌そうに話すと、イズミは突然歩き出した。
「えぇっ! うそぉー……最っ悪……アイツに貸しを作るなんて……。って、イズミどこ行くんだよ」
 更にぎょっとした顔で驚くと、物凄く嫌そうな顔でぶつぶつと独り言を呟く。しかし、イズミが歩き出してしまったことに気が付き、タクヤは慌てて追いかけた。
 体はすっかり治っているようであった。
「なぁっ、イズミは? イズミは何かしてくんなかったのかよ?」
 追い付くなりタクヤは覗き込むようにしてイズミを見ると、口を尖らせながら問い掛ける。カオルだけに助けてもらったなんて絶対に嫌であった。
「見守っててやった」
「はぁ? それだけ?」
 さらりと答えるイズミに不満そうに聞き返す。
「それだけ」
「なんだとぉーっ!」
 無表情に一言だけ返すイズミにタクヤは顔を赤くしながら怒鳴る。すっかりどころか、完全に元に戻っているようである。とても死にかけていたとは思えない元気さであった。
 そんなタクヤをちらりと鬱陶しそうに見ると、
「うるせぇ死にぞこない。助かったんだから文句言うな」
 イズミは溜め息を付きながら言い返した。
「なんだよ。さっきは凄いこと言ってたくせに。可愛くねぇ」
「可愛くなくて結構だ。……畜生、カオルの奴、どこ行ったんだ」
 口を尖らせているタクヤを相手にすることなく、イズミは苛つきながら呟く。
 どうやらカオルを探して歩いているようだった。
「なんなんだよ……。なぁ、カオルってよく分かんねぇ。アイツ一体何者なんだ? イズミ、本当に知らねぇの?」
 さっきのはなんだったんだと、まるで夢でも見てたかのような気持ちになったタクヤ。少しでも心配してくれていたと思ったのにこの扱いである。
 再びムスッと口を尖らせるが、ふと真剣な顔になるとイズミの後ろを歩きながらカオルのことを訊いた。面白くはないが、タクヤ自身もカオルのことは気になっていたのだ。
「知らね。宇宙人じゃねぇ?」
 しかしイズミは面倒臭そうに答えるだけであった。
「もうっ、真剣に話してんだから、ちゃんと答えろよっ」
 真面目に聞いているのにと、イズミの横に並ぶと覗き込むようにして怒鳴る。
 すると、
「あいつ……絶対何か隠してる」
 イズミは立ち止まると怒ったような表情で俯き、呟いた。
「隠すって、何を?」
 じっとイズミの顔を見つめながら訝しげにタクヤが問い返す。
「あいつ……絶対分かってた。お前が――」

「はい、そこまで」

 顔を上げ、イズミが答えようとしたその瞬間、突然聞き覚えのある声がした。
「えっ?」
 ハッとしてタクヤは周りを見回すが、誰もいない。今の声は……。
「ね、今の声ってさ――」
 そう言ってイズミの方を振り返った時、そこにはにこやかに笑うレナが立っていた。
「レナっ!……一体なんで――っ!」
 やはりレナの声だった。しかし、なぜまたこんな所に……。そう思って話し掛けようとしたが、レナに支えられるようにして抱き留められているイズミを見て言葉を失った。
「イズミっ!」
 声を上げるが、イズミは気を失っているのかぴくりとも反応しない。
 すると動揺しているタクヤに向かって、レナはにっこりとした顔で思いもよらない言葉を発したのだった。

「タクヤ君。あなたが知りたいこと、私が教えてあげるわ」
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