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まず始めにやることは
しおりを挟む「どうしてそんなことも言わないの?そんな簡単な気持ちを伝えることすらしないなら、これから相談が必要になった時には絶対に伝えることはできないわ。それともエドはリーシャさんがお嫌いなの?」
「そ、そんなわけないだろ?リーシャはその…可愛くて……」
そう、リーシャさんが当家に家族でいらした際、エドはリーシャさんに一目ぼれしているのです。でもリーシャさんの前ではなんというか、いつもクールに決めてると言うか、すごく作られたエドを演じていて、リーシャさんとどこかぎこちないのです。
「では、好きではなくその一言は言っているの?いつも可愛いよ。ですとか……」
「そ、そんなこと言ったら軽薄な男と思われるかもしれないじゃないか」
軽薄……
「じゃあどんなことなら言ってるの?」
「どんなことってそんなことはべつに…」
べつに……べつに!?
べつにってなによ!?
「あら、あなたはなにも言わなくてもリーシャさんの気持ちがわかるの?もしリーシャさんがべつな男性と二人きりで話していてもなにも思わずになにも責めずにいられるのね?」
「なっ、リーシャがそんなことするわけないじゃないか」
そう、自分はなにもしない、なにも伝えないのに相手の心が動いたら相手が悪いのよね。
「あら、どうして?あなたがなにも伝えてくれなくて不安に思っていたとしたら他の方に心が移ってしまうこともあるわ。それにリーシャさんがそんなつもりはなくてもそういう場面に遭遇してしまったら誤解が生まれてしまうこともあるのよ」
「そ、それは…」
「だからこそ普段から言葉で伝えることが大事なのよ。もしその言葉が負の言葉だったとしたらそれが本心だろうとそうでなかろうと相手にとってはそれが事実になるのよ」
私の言葉を聞いたらエドが黙ってしまった。
なに?嫌な言葉を言っちゃってたりしたのかな…それならやっぱり今から修復しなきゃ!ヒロインと仲良くなっちゃう
「な、なら、どんな言葉を囁くというのですか?」
ちゃんと聞く気はあるみたい。それなら私がシナリオ書くときに言って欲しいこと、して欲しいことを伝えなきゃ
「最初はただ思ったことでいいのよ。その髪飾り似合ってるね。とか、髪型が変わってたらいつもの髪型もいいけど、今日の髪型も素敵だねとか。そんな言葉をあなたも言えるようになって、リーシャさんも受け止められるようになったらリーシャといると幸せだとか、好き、愛してるを言えるようになればいいのよ。ちなみに今まではどんなことをお話ししていたの?」
私の疑問にエドが固まった。え?なに話してたら固まるの?
「えと…その時の食事のことや読んでる本のこととかですかね」
私の弟…だめだめなのかも…
よしっ!まず最初にやるべきことが決まった。
まずはじめにやることは弟のアップデート!
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