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これは確かに……
しおりを挟む……………………これは……
うん。マカロンをめざしたのはわかる!わかるけど……サクサク感もないし、ふわっと感もない…
卵白のせんべいの生焼けって感じかな…
なんかねちょ感がすごい……固まらないからってもしかして片栗粉入れた?
とりあえずお茶!……ふぅ………お腹壊しそう……
よし、次!!
大福ね。大福はまずくはならないでしょう。
……………………なぁに?これ………
まず皮!皮はお餅を使うか求肥を使うのが大福よね。
これじゃあ餃子の皮じゃない!
そして大事な大事な中の餡!あなたはもっと大事にされるべきよ!
芯があるものもあるし、小豆の甘さが出てない!
こんなの大福様への冒涜よ!!!!許せない!!!!
とりあえずお茶!………………ふぅ……これって食べて大丈夫なのかしら……
よし次!!
ババロア?かな。これは美味しいでしょ!
……………うん、、、安定してまずい……
なにこのお店、どうやって儲かってるの?
え?こんなにこの世界のお菓子ってまずかったっけ?
家でコックが作るデザートは普通に美味しかったと思うけど。
でも確かに色味が着いたデザートはあまり出てこなかった気がする。
この間エドとリーシャさんに買ってきてもらったお菓子もハート形や星形のクッキーとかマフィンを食べてた。ケーキは単純に生クリームの上にフルーツを乗せて彩りを出してた。
「ね、どう?まずいでしょ?」
お母様、たまりかねてるからってそんな直接的に……
言葉に困ってエドを見ると驚きに固まっているような吐き出したいのを耐えているようなそんな顔してた。
わかる、わかるよその気持ち……でも吐き出すのはやめて……
「確かにお世辞にも美味しいとは言えないと思いますが、、このお菓子はどうなさったのですか?」
「なんでもね、ある男爵が御商売を始めたみたいで、そこのお菓子が今までにない見た目のものだったそうなの。確かにこれらも見たことはないじゃない?そしたら美味しいからぜひと言われて、お茶会のお茶菓子として出してもらえるなら初めてに限り半額でいいって言われたそうなの。だからお取引して、お茶会で初めて召し上がってみてまぁびっくり。こんなにまずいものも珍しいわよね」
確かにこんなまずいものも珍しい…そううんうんとうなずきながら頭をかすめた嫌な予感……
「そうですね。ちなみにですが、その男爵のお名前はご存じですか?」
「ステジア男爵よ。今まで商売などには手を出されていなかったお家なのにどうしたのかしらって今日のお茶会はその話ばっかりだったわ。だって手を伸ばそうにもこんなお菓子しかないんだもの。ご招待したご婦人が必死に謝ってたわよ」
………ステジア……
やっぱりヒロインは転生者なのね……でもお菓子作りはした事がなかったと……だから見た目だけでも真似ればいいやと…………
お菓子作りを舐めるなぁぁぁぁぁ!!!!
こんなまずいお菓子、素人が作ったって許されないわ!
それなのにお金を取ってこんなまずい商品を提供して、お茶会で主催者に恥をかかせるなんて許せない!!!
そんなことを頭の中で思っているとコンコンとドアがノックされ、キャロルがカートを押して入ってきてくれた。
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