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婚約は白紙へ

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「はぁ、もうよい。今のままではなにを言っても話にもならんだろう。

シルヴィア嬢、先日の約束通り、今日の様子をもって判断した。王子との婚約は白紙に戻す。これまで苦労をかけた。慰謝料と共にこれまで問題が起こらなかったことへの報奨を与える。後日公爵と共に王宮に来るように。

そして、ジョン。そなたに関しては王位継承権を剥奪する!学生でいる間はその将来性を信じ、教育するが卒業まで様子をみて、その行動・考え方に改善が見られないようならば最悪貴族でいられないことも頭に入れておくように。」

「なっ!なぜですか?私は間違ったことなど「黙れ!そなたに発言は許しておらん!」…」

「そしてそこの男爵令嬢!!
そなたは虐められてもいないのに虐められたと吹聴することが好きなようだな。だが、前回次そのような事が耳に入れば男爵家にも沙汰があると警告をだしておった。

なにより男爵家の商売が出来なくなったのは、その商品の質の悪さ故、私がそう判断したものだ。公爵家に圧をかけられたわけではない。

それなのに公爵令嬢が裏で糸を引き、男爵家の商売を潰したと言って回っていたようだな。幸い信じるものは少なかったようだが、これはれっきとした名誉毀損だ。

これ以上この娘が学園で生活を送ることで、害しか生まぬと判断し、学園長とも話し合った結果、男爵令嬢を退学処分とする。また男爵家に関しては監督不行き届きであり、先日行っていた商売に関しても悪質極まりない物であった。今回の公爵家に対する名誉毀損も悪質であり、お取り潰しとすることを決定した!後日正式な書状は裁判所より発行する。」

「なっ!そんな!嘘よ!!!そんなエンドルートはないわ!こんなの間違いよ!」

陛下の言葉を聞き、男爵は膝をつき、頭を抱えた。もしかしたらすでに2階でこの内容を聞いていたのかもしれない。

そしてヒロインはまるで自分に言い聞かせるように頭を横にふりながら間違いよと何度もつぶやいている。

………ヒロイン、エンドルートって言っちゃってますよ。
それにそれを言うのであれば、学期末パーティーで婚約破棄なんてなかったし、ヒロインが商売をするシーンもなかった。

どちらかと言うとシナリオと違うことばかりだったのに、ゴールだけは一緒なんてそんな都合のいいこと起こるはずがないのに。

王子もいつの間にか床にうずくまり、頭を抱えて小さくなっていたけど、王にはなれなくてもこれからの人生は続いていく。

一度あの「王たるもの…」の理論を忘れて、普通に人として教育を受けなおしてみればいいのではないかと思います。王ではなくてもきっと自分より弱い立場の人は助けようとは思うんだろうけど、それは自分に都合のいい人だけではない。そう言ったことに気づくことが出来れば、少しは変われると思うけど……いや、むりか?


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