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妖精伝説

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私が興奮気味にそう言うとおばあちゃんがちょっときょとんとして

「キラキラ…しとるけ?そうけ?嬉しいねぇ。ここらでは妖精が植物のお世話をしてくれてるからうまくなるって言われとるんだよ」

「まぁ、妖精が?じゃあ妖精にお礼を言わなくっちゃね。こんなに美味しい果物を育ててくれてありがとう!」

そう言うとまるで応えるようにさくらんぼがキラキラと輝きます。

「まぁ、まるで喜んでるみたいにキラキラしているわ。おばあちゃんのさくらんぼの木はすごいわね」

おばあちゃんは嬉しそうに笑いながらさくらんぼの木に近寄っていきました。


「シルヴィア、この国には妖精がいるって話しは知ってる?」

ルイス様が突然そう言われます。

「はい。私は見れませんので、事実かどうか確かめようがありませんが、植物がとても育ちやすく、生き生きとしているのでそう言われるのでしょうね」

「そうだね。でも確かにこの地には妖精はいたようなんだ。なぜ”いたようだ”というかというと、もう見れる人がほとんどいないから。昔は妖精が見え、妖精と話ができ、妖精と共に生きていたと伝えられている。だが、今はもう見れる人がいなくなってしまった。だからいたようだとしか言えないんだ。

でもね、シルヴィア。君には妖精が見えるんじゃないかな」

おおっと、ここ最近王子たちと会っていないのでゲーム的な内容を忘れていましたが、確かにここがゲームの中の世界だとすれば妖精がいたという話もおかしくはないでしょう。ただし、私はそんなシナリオ描いておりませんが。

「私には妖精が見えるなんて、どうしてそのように思われたのでしょうか。とても残念ではありますが、今まで妖精を見たことはありません。見れるものならば見たいとは思いますが」

本当にどうしてそのような事を言い始めたのでしょう。
もしそんな面白いことがあるのならば私がすでに描いております。

ですがこのゲームはそういうファンタジー性を入れずに、THE・王道を行きたかったのでそんなことにはならないはずです。

「シルヴィアは初めてさくらんぼを見つけた時もキラキラしていると言っていたよね。それに市場に行った時も、そしてここでは特に。

妖精にまつわる文献は多く読んだけど、そのどの文献にも妖精の周りはキラキラときらめいていると書いてあった。

そして妖精が好むのはここのように長閑で、甘い実がなる場所を好むと書いてあった。だから君をここに連れてきたんだ。さっき君がありがとうとお礼を言ったとき、応えるようにキラキラとしたんだろう?それはきっと妖精だと思うんだけど」

いやぁ、ないない。ルイス様も主役級の顔をしながらなかなかのメルヘンだなぁ。

だって妖精なんて、羽が生えてて、可愛らしい女の子とか男の子とかのでしょ。あんなの見えるのなら見てみたよ。

さっきから見えてるのは蛍だけ。やっぱりこういうところは水が綺麗なのかな。ずっとキラキラと蛍が飛んでる。でもここの蛍って昼間でも光るのね。きっと夜なら綺麗なんだろうなぁ…

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