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41.とある報告【完結】
しおりを挟む私たちは1年間の婚約期間を経て結婚した。
それからセドは、約束通り私以外見向きもせず、ずっと私だけを見続けてくれた。
セドが嫉妬深かったのは予想外だったけれど、それも愛されていると実感できる程だった。
それからもずっとあの池のジンクス通り、愛し愛され、3人の子宝に恵まれ幸せに暮らした。
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ナリッタがキュリールに会いに来てから20年後のある日のセドリックの執務室。
「旦那様、ご報告があります。カダールが死にました」
セドリックが伯爵家から連れてきた侍従からの報告だった。
「20年か、案外長く生きたんだな。
まぁだがティーンズたちからしたらよかっただろう。
あんな男が人の役に立ったんだ。20年は無駄ではなかったってことだな」
「そうですね。
旦那様があのような者たちを抱え、医療のための研究を行える機関を内密に作られると言ったときにはどうなることかと思いましたが、結果的に運命だったのではないかと思っております」
「俺も研究機関を作った時はそんなこと思ってもみなかったさ。
ティーンズやスレッドたちに会って、性格は別にしてもあの知識と熱心さはスゴイと思った。だから研究施設を作っただけだ。
だがあいつに関してはどれも俺は種をまいたに過ぎない。
すべて刈り取っていったのはあいつだ。自業自得なんだよ。
キュリールを悲しませたことだけでも腹立たしいのに、女を自分の都合だけで売り、その金で自分は賭けをし、それがなくなると違法だとわかっていても金利の高い金を借りる。
勝ち続けて最後に大負けしたのは俺が指示したことだが、それ以外は全て自分で刈り取っていったんだ。
本当は殴り飛ばしてやりたかったがキュリールがいいと言っていたんだ。表立ってはできないだろう。ただ俺の家がすまなかったから内密にやった。
くれぐれもキュリールの耳に入ることがないように」
「もちろんでございます。
ただ一つ言うとすれば、幼い頃からキュリール様1人を見つめていたと言うのに、もっと早く行動しなかったセドも悪いと思うがな」
元々仲のよかった2人。
プライベートな会話では砕けた口調になる。
「それにしても結婚式の夜、お前が初めてだって奥様にばれたんだろう?
もう20年も経ったんだ。いい加減その時のこと教えてくれよ」
「うるさい!!誰が教えるか!!話が済んだなら早く出て行け!!」
こうしてキュリールには教えられていないこともあるが、家族みんなで幸せになりましたとさ。
~おしまい~
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23話で訪問してきたのはカジューラ・スライスとありますが、後半ではセドリックさんになっています。セドリックは呼び名でしょうか。