自動販売機スキルで治癒と浄化をもたらす令嬢は、王都の呪詛を暴き、炎の公爵家次男に愛される

暖夢 由

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プリンとともに覚醒した“治癒の力”

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視界の片隅に青白い光が浮かび上がった。

 ――《自動販売機スキルを起動しますか?》


「……え?」


 視界に半透明の”画面”が見える。

 恐る恐る「はい」と念じると、現れたのは、見覚えのある無機質な商品一覧。

 ・ジュース
 ・菓子

 その他は鍵がかかった「?」

(やっぱり特別なところもない……)

 あるのは右上に小さな数字。

 “4”。

(この数字、なに……?まるで入金額みたい…)


でも何はともあれ……せっかく飲めるならやっぱりここは炭酸でしょ!

 この世界には存在しない刺激。

 それだけで、ほんの少し心が躍った。

「……まずは、サイダー」


 ガコン。


 透明な液体。中で踊る泡。

 ゴクンと口の中に流し込む。

「……ああ、この味」

 懐かしさに胸が震える。

 その瞬間。

 ぽわぁっと身体が熱くなった。

「なにこれ……?」

 胸の奥に灯る力。

 ステータスが浮かぶ。

 魔力:4 → 6

「増えてる……?」

 慌てて商品画面を見る。

 右上の数字も“6”になっている。

 試しにポテトチップスを購入。

 袋を開けて食べると、また身体が熱くなる。

 魔力:5 → 10

 その瞬間、鍵付きだった項目の一つが外れた。


 ≪軽食≫ 


 「軽食……?」

恐る恐る選択する。

表示されたのは――

・パン
 ・おにぎり
 ・おかゆ
 ・サンドイッチ

(完全にコンビニ……)

だが、胸がざわつく。

これはただの“食べ物”じゃない予感がする。

「……サンドイッチ」


ガコン。


三角にカットされたそれを手に取ると、 ふわりと香る小麦とハムの匂い。

一口。

――じわっ。

今度は炭酸とは違う、内側から染み渡るような熱。

「……っ!」

足元がぐらりと揺れる。

視界に浮かぶ文字。

魔力:9 → 20

「一気に……!?」


胸の奥で、何かが回り始める。

今まで空っぽだったはずの器に、透明な光が注がれていく感覚。

画面が変わる。

新たな項目。


 ――《デザート》


「……嘘」

指が震える。

・プリン
 ・ショートケーキ
 ・アイスクリーム
 ・チョコレート

(やった!!

この世界では珍しいアイスクリームがある!!

それに高級なチョコレートも!

そしてそしてプリンだなんて!!!!

幸せすぎる!!!)


不思議な確信があった。

これは段階式。

摂取=魔力変換。

食べれば食べるほど、解放される。

「……プリン」


ガコン。


ぷるん、と揺れる黄色。

スプーンを差し込む。

ひと口。


――その瞬間。


ドン、と心臓が打つ。

身体の奥で何かが“繋がった”。

魔力:19 → 32

「……ふァっ!」

空気が震える。

伏せ目がちだった彼女の瞳が、ゆっくりと開く。

淡い灰青の瞳が、鋭く光を帯びる。

視界の中央に、新たな表示。


――《販売商品に“治癒効果”を宿す機能が一部解放されました》


(……治癒、効果……?)

すぐさま別の表示が重なる。

《魔力を消費して、治癒関連の項目を一時展開できます》

私に与えられたスキルの大きな何かが開きかけている――そんな気配。

けれど、その正体を確かめる間もなく、全身がとろけるような眠気に包まれた。

(……治癒のことは、明日でいい……今は……)

思考ごと温い闇に沈み、私は静かに眠りへ落ちていった
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