大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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輸送船と潜水艦

駆逐艦型輸送船

 回船問屋の大見屋は江戸のころからの老舗だ。
 回船問屋といっても、現在は和船ではない、鉄の竜骨のある、西洋式の船であった。 
会社名は大見屋汽船だ。 
主人は大見 滝次郎 マスオさんだ。 妻は先代の娘で雅恵だ。
 頭があがらない、ビンタは、もう慣れた。 番頭は妻の手下だ。 
種馬の滝次郎さん、耐えることに耐性ができつつある。 
妻に足で踏まれて喜んでいる滝次郎、妻に今度はお尻で頭を踏まれて天国にいたら、突然場面が変わった。 
滝次郎は、海に浮かんでいた。 
イカダの上だ。 遠くに汽船だ。 手を振る、助けてと手を振る。 
汽船が汽笛を鳴らし停船した。 ボートを降ろしている、助かった。 
と滝次郎の横に鉄のパイプが棒のように波をかき分けて進んでいく。 
なんだ、ん、棒の先にガラスの窓、ん、ひょっとして潜望鏡か、滝次郎これでも海軍士官であった。
結婚で除隊したが。 あわてて「くるな、潜水艦だ。」と叫ぶが届くわけない。 
オレを助けようとして沈められては申し訳ない。 
もう必死で合図を送るが、距離があるからわからないようだ。 
「だめだ。」と叫んでいたら妻のビンタで眼がさめた。 あんたうるさいわね、とまたビンタ 種馬はなにもいえなかった。 
会社へ出勤した。 「おい、サヤノ君を呼んでくれ。」 サヤノとは、最近雇い入れた大学出のインテリだ、左矢乃だが、インテリだからサヤノと書く。 
まあいい サヤノは帝大の電気物理科の変人だった。 
はやい話がオタクだ。 初期のオタクだ。
 まだオタクが世に認められていない。 
「サヤノ君、話はかわるが、潜水艦はどうやれば見つけられる。」 
サヤノ君「まあ、水中でも音は聞えます、聴音器で潜水艦の機械音を聞いて発見できますが、己の船のエンジン音や波の音でわからないかも。」と現実的な回答だ。 
「実用的な聴音器を製作してくれ、船の改良も任せる。 新造船からやってくれ。」 
「いいですが、海軍工廠でもないのに、いいんですか。」 
「オレは海軍にコネがある、君に期待している。」 
「予算はなんとかするから。」と、その日からサヤノ君オタクに逆戻りだった。 
 日本が米国と大戦になり、米軍は日本の輸送船を狙った、通商破壊工作だ。 
潜水艦をたくさん配備して日本船を狙わせた。 
しかしなぜか、つかまらない、待ち伏せをかけても逃げられてしまう。 米軍はなぜかわからなかった。 
水中では、そのころの潜水艦はせいぜい8ノット、時速15キロくらいだ。 
軍艦ではない汽船でも15ノットは出る。 まあ倍の速さだ。 
潜水艦の居所がわかれば逃げるのはたやすいのだ。  
米軍はしらなかった。 日本の輸送船は潜水艦の位置をかなり遠くから発見できることを。
 日本の輸送船は静かなエンジン音、と静かなスクリュー音で快適な船旅だった。 
船の通信室、そこには、大見屋マークの聴音器と音を発してその反射で潜水艦位置測定する装置と緊急警告装置、自動離脱操船装置まであった。 
大見屋汽船は現在の大見屋重工、対潜装置に10年間の撃沈保障までついている。 
まあ万が一潜水艦に撃沈されたら、全額保障の保険だ。
 しかしまだ、保障申請した船会社は無いそうだ。 
 
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