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日本軍掃海艇部隊の予備要員の話
出来ることは小さい事だが、結果はわからないものだ。
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彼は男子である。 17歳で基礎教育と中等教育が終わった。 ようは、高卒だ。 将来の進路を決めなければならない。 すでに遅いくらいだ。 なぜ遅くなったか、彼には体に欠陥があったのだ。 それは、足が不自由であること。 歩けないわけではないが、よたよたアヒルのようにしか歩けない、また走れないのだ。 家も裕福ではない。 で、働き口を捜したがなかなか採用とはならなかった。 まあ、ないわけではないが、政府からの援助で仕事を得るのは、自立希望の彼の精神に反するからイヤだったのだ。 彼は海軍にあこがれていた。 日本の国を守ることは聖職であると、教師から教えられたからだ。 しかし兵隊検査も身障者は無理だ。 彼は手紙を書いた。 あては、なんと内閣府あてだ。 ようは、国民の要望を聞く、係りみたいなものだ。 手紙には、国を守る仕事がしたいが、健全な体でなくともできないか、と書いた。 ある、ひとりの係員が手紙を読んだ。 愛国心を育てるのは教育からである。 (現在の日本はこのことができていない、教育者はパヨクばかりだ。) 彼の先生はまっとうな教師だった。 古代の防人の話から現代の掃海艇部隊まで、国の守りの話は彼に影響を与えたのだ。 で、手紙に足が不自由でも心はだれにも負けない、この日本国を守る仕事を探して欲しいと書いた。 世にはいろいろなヤツがいる。 モロ、ヤンキーなやつ、まあ普通のやつ、そして燃えるやつだ。 内閣府の係りは、このまま埋もれさせては、いけないと思い、高速演算機にプログラムをいれて、スイッチ オンだ。 数秒で答えがでた。 回答は(沿岸防衛の見張り所監視員に採用可だ。) あった。 先の無人偵察機を飛ばした不審潜水艦のことから、政府は危機意識で対処法を考えていたが結局、ヒトの眼しかない。 レーダーに潜水艦は海中だから、うつらない、掃海艇も数が足りないから発見は難しい、沿岸に浮上して小型潜水艦は無人機や工作員を送るのだ。 文明の利器でも出来ないことはあるのだ。 政府の掃海艇司令の高善 剛太郎大将から直々に辞令が彼に手渡された。 最初の監視所は例の無人機が発見された福井県沿岸の崖だ。 日本の最高の光学望遠鏡が備えられた。 レッド電話がわきにある。 危機管理部へ直通だ。 いかに不審潜水艦を政府が危機を持って備えているかだ。 また、監視員はウソをつかず、ヤル気があり、投げやりにならない性格の人物が向いているのだ。 崖の上の塔に作られた監視所は、随時建築される予定だが、まずは試験運用だ。 彼が第一号監視員として運用に入った。 彼は見逃すまいぞ特亜の不審船の標語どおり、住み込みで監視できる時間は監視する。 寝る間も惜しんだ。 波ばかり見つづけた。 体の不自由から引きこもりがちであったので、彼にはなんでもない生活であった。 そんな、こんなで3ケ月過ぎたある日のことだ・・・・・・・・
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