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対馬警戒の対策は?
島民の一時避難しかない。
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翌朝、超電導VTOLが半島の釜山のシナ海軍基地から朝もやをついて偵察から帰還した。 ここは、対馬最前線基地だ。 まだ、数機しか生産されていない超伝導VTOLを使った偵察であった。 音が静かで、ステルスであり、シナ軍の初期のレーダーには映らない。 そのため、水上戦車には気づかれずに済んだのである。 「そうか、水上戦車は給油して釜山に帰到したのか。」 「そうです、ドラム缶3缶ほど給油して帰りました。」 「ふむ、往復は給油なしでは無理か。」 「と、思いますが。」 「そうと判れば作戦が立案しやすいぞ。」 「どうして、ですか。」 「水上戦車の後ろには給油船が付いてくるからだ。」 「それを、沈めれば、水上戦車は、ガス欠だ。」 対馬作戦会議で、陸軍戦車戦専門官がのたまう。 「戦車の欠点は燃費が悪いことだ、各国も戦車には後方支援部隊を必ずつけるのだ。」 「つまり、それをヤルと。」 「もう、戦車はガス欠で、単なる重い漬物石以下だ。」 「戦車はクルマより、はるかに面倒がかかる、よく壊れるしメンテもやらなければ動かなくなる。」 「特に、独逸帝国戦車は仕組みが複雑で、シナの整備士には荷が重いはずだ。」 「おそらく、想像だが、シナは対馬に夜間上陸して住民を人質に取る。」 「まさか、そんな非道なことを、ハーグ陸戦条約は。」 「そんなもの、ヤツらは守らない。」 「そして、日本人の住民を楯にして、我が日本政府と領土交渉だろう。」 「最悪だ。」 「わが方は手も足もでないではないか。」 「そうなる、今の状況では。」 「では、どうすれば。」 「それを、作戦立案するのがオレ達ではないか。」 そうだ、今からなら間に合うのだ。 まだ、釜山から水上戦車軍団は日本海へ出てはいないのだ。 でも、敵がせめてくるからでは、対馬が大混乱である。 収集がつかなくなる。 どうすれば、敵に悟られずに住民避難ができるのか。 統合作戦司令がいう。 「避難訓練を発令するしかない。」 「全住民に強制避難訓練を発令するのさ。」 「そして、住宅は軍で守る(ドロボウからだ。)、そして、全島民を地震訓練にかこつけて船で本土に一時避難させるしかない。」 「いつ、やるんだ、ヤツラが釜山を出てからでは遅いぞ、2時間ほどで、海峡を渡れるからな。」 「そうさな、イマドコ衛星しかないな。」 「予算をどうする、衛星移動はとてつもない金が。」 「対馬を盗られるより安いさ。」 「たしかに、領土に比べれば。」 早速、衛星管理局へ、統合作戦本部から指令が飛んだ。 衛星を移動させるのは、衛星につけてあるロケット噴射で移動するのだが、軌道計算に高速光演算機が10台いるほど難解な計算が必要だった。 膨大な電力を使うのである。 まだ、午前11時だ。 夕方までには衛星を移動させねばならない。 今夜、敵の襲来があるかもしれないからだ。 でかい送風機と冷却装置がうなり、熱を帯びた演算機を冷やす。 原子力発電による、でかい電力でしか動かせない装置であった。
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