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陸戦隊へのお礼は?
春麗ひめ殿下の望み。
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少し、前にさかのぼります。 公演の舞台(空母の格納庫だ。)で、春麗ひめ殿下は満州国への援軍を嘆願した。 それに、政府からの援軍要請の指令が発令される前に空母は動いてくれた。 100パーセント、援軍の指令は発令される、しかし政府の動きは遅いのだ、だから空母が即3隻動いてくれた。 敵の空挺部隊の奇襲には、こちらも即、行動しなければ遅れてしまう。 春麗ひめ殿下としては、何か形になるお礼の気持ちを伝えたかった。 最悪、シナの降下兵との戦闘で、戦死もありうるわけである。 そんな、戦場に陸戦隊や操縦士らは、勇んで飛び立っていってくれた。 なにか、感謝を形で表したい。 しかし、天皇陛下に叙勲を懇願はできない。 なぜなら、外国人であるからだ。 それも、満州国は日本国とは軍事同盟は締結してもいないのだ。 日本は満州国の建国に関わっていたくせにだ。 まだ、未成年である、春麗ひめ殿下は、父である、満州国皇帝の許可なく国籍変更は無いのだ。 それで、春麗ひめ殿下はプリプリの仲間に相談したのである。 「ねえ、なんか感謝の気持ちを隊員の人達に伝えたいの。」 「そうね、よくわかるわ。」 「なにが、いいかしらね。」 「出動した全員にお礼のチューは?」 「えー、それは、人数が多すぎるわ。」 「まあ、冗談よ!」 「ならサイン色紙は。」 「なにそれ?」 「えー、と歌手や有名な俳優がファンにせがまれてサインを台紙に書いて渡すのよ。」 「古くから日本では、その習慣があるのよ。」 「私達、プリプリは高校生とはいえ、歌唱グループよ。」 「それなら、いいわね。」 「では、時間がないから今日から作りましょう。」 7人で、手造で、1000枚近く作らねばならない。 空母に帰還したら、即 渡したいのだ。 色紙は、仲間が女学校の文芸部に頼んだ。 軍が空母へ空輸までしてくれた。「そうねサインだけでは、なんかインパクトが欲しいわね。」 「それは、なに?」 「口紅でキスマークをつけるとか。」 「高校生で口紅は。」 「それとも生写真を貼るとか。」 「生写真?」 「印刷でない、カメラで、フィルムで撮り現像してプリントした写真よ。」 「それは、いいわね。」 それで、空母の写真班に頼んでプリプリメンバー7人がポーズを決めて2,3枚を飛行甲板で撮影してもらい、空母の暗室で、軍の資金で1000枚プリントしたのだ。 暗室作業員は12時間休憩なしで、1000枚焼き上げた。 それを、6人のプリプリメンバーが1000枚の色紙に貼る。 そして、春麗ひめ殿下がマジックインクで、サインと感謝と書いていく。 最後に仲間が、なんと通しナンバーをラベラーで押している。 「これが、価値があるのよ。」 「どうして?」 「いつ、ひめ殿下がサインしたかわかるでしょ、それにこのナンバーは1枚に1個しかない。」 「付加価値よ。」 春麗ひめ殿下のプリプリメンバーは策士であった。 空母や仲間のメンバーのおかげで、お礼の色紙は陸戦隊の帰還と同時に、出動した全員に手渡すことが出来た。・・・・ 春麗ひめ殿下は知らない、後日に闇市で、この色紙が日本国最高額紙幣を何枚積んでも手に入らない価値を生んでることを。 この色紙を貰うために陸戦隊への入隊希望が増えて、入隊試験が難関になったことを。 そして、それが陸戦隊の実力を世界無双にまで引き揚げたことを。・・・・・ 数十年後の平和な日本国の、とある家庭だ。 テレビを家人が観ている。 「ナンチャラ鑑定団の時間です、では最初のお宝は。」 ジャーンと音楽が鳴る。 アシスタントの無愛想な姉ちゃんが布をめくる。 「これは、ひょっとして、あの色紙ですか。」 「え、え、父が陸戦隊で出動したときの・・・」 「はじめて観ました、これが例の・・・・」 鑑定士がでかい拡大鏡で、サインや紙質、写真を詳細に観ている。 「では、おいくらですか。」 出演者が恐る恐る10マン円と書いた札をだした。 「それなら、ワイが即金で買いますがな。」 シンスケは突っ込んだ。 「さて、おいくらでしょうか。」 デジタル電光板が光る。 1000000円。 「なんと、100マンです。」 出演者も、テレビを観ていた家人もビックリして・・・・ 鑑定士が、「これは、写真の背景がアマテラス改ですね、それに春麗ひめ殿下が満州国籍のころです、紙が安い高校の購買部(校章のスカシが入っている。)のですし、通しナンバーでサインが書かれた日付がわかりますし、(鑑定士は本をパラパラめくる。)ここですね、457番ですから。」 と鑑定本のナンバー表を示した。 「着ているセーラーが女学校の本人の制服ですから新鮮で、人気のある初期のナンバー帯の色紙です、写真を複製したニセモノも多いですが、これはホンモノですね。」 「写真はアマテラス改の写真班の・・・が飛行甲板で軍用の偵察用高性能カメラで撮影していますね。」 「レンズの解像度がすごくて、春麗ひめ殿下のまつ毛の1本までわかりますから、背景にアマテラス改の艦橋がぼんやりと見えます。」 「春麗ひめ殿下を中央にして3枚撮影した内の1枚ですね。春麗ひめ殿下の手のポーズで3枚の種類があるんです。」 鑑定士は完全に、我を忘れていた。 「まず、一般の市場には出ないので、私も専門の、イヤ・・・」鑑定士が押し黙る。 「なんや、言ってくださいよ。」 シンスケが・・・・ 鑑定士は冷や汗をかいてダンマリだ。 「今日は珍しいものをありがとうございました。」 イシザカが送り出した。 「さて、次のお宝は・・・・・」
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