大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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チャンスだ。

ここで、撃たなければ・・・・

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 「魚雷発射、深度300潜航。」 あれ、今オレ何ていった。 まて、イヤ、しかし、まて、しまった。 「魚雷発射、潜航深度300まで潜れ。」 と副官が復承してる。 やってしまった、今さらなんとも、できない。 魚雷を発射して、Uボートは深度300まで潜航していく。 とうぜん、駆逐艦2隻から逃げるためだ。 副官は時計を持って「29,30,31」と秒読みしている。 やがて、どううううううんんんんん、と爆発音が6回重なり聞える。 まさか、6発命中か。 ありえない。 せいぜい、2発、多くても3発当ればオンのジなのだ。 「スクリュー音近づきます。」 ソナー員が叫ぶ。 「無音潜航350だ。」 ハイゲンはギリの潜航を指示した。 無音潜航とは、モーターを使わずに、そのまま、潜航することだ。 ハイゲンはカケに出た。 「無音潜航400。」 「え、艦長いいんですか。」 副官が圧懐をおそれて言った。 「400だ。」 新型Uボートは、さらに静かに潜航していった。 カーン、カーンと水圧で潰れそうな金属音が聞える。 もう、汗びっしょりなハイゲンだ。 「スクリュー音、遠ざかります。」 「いや、まだだ、まだ400を維持しろ。」 ハイゲンは命令する。 「空気の二酸化炭素増えます。」 「二酸化炭素吸収缶を開けろ。」 「なんとか、耐えろ。」 「あと、30分だ。」 ハイゲンは部下に耐えるように命令した。 潜水艦は魚雷を発射したら、魚雷発射時の水深は深くない。 せいぜい、20から30だ。(当時の深度だ、現在は違う。) それで、追撃する駆逐艦から逃げるだけである。 なんせ、速度が8から10ノットだ。 新型といえど、20ノットの最高速度なら蓄電池を使い切ってしまうのだ。  電池がカラになると、水中の棺おけとなってしまう。 電池の切れたスマフォ状態であるのだ。 ただのカマボコ板である。 それで、電池の使いぐあいで、逃げる速度や深度を計算するのである。 駆逐艦から逃げるために、魚雷発射菅から、生活物資や浮き輪など放出して、さらに油(燃料)を放出して、撃沈されたと艤装して難を逃れた潜水艦は少なくないのだ。 しかし、今回は割りにはやく、駆逐艦は諦めてくれたみたいだ。 「スクリュー音に注意しろ。」 「静かに浮上、すこしずつだ。」 ハイゲンは指令する。 30分後、攻撃してから計2時間後、Uボートは海上に浮上した。 そこには、もう艦船の陰も形もなかった。 駆逐艦は行ってしまったようだ。 「空気入れ替え、電池充電しろ。」 浮上と同時に命令する。 潜水艦のショボイ、レーダーには、付近の船舶は映らなかった。 「航空機を警戒しろ。」 と追加の命令だ。 しかし、海上は波だけで、静かなものである。 ハイゲンは、キレイな空気を吸いながら、海面を見る。 海面は何もない。 イヤ、海水だけだ。 破片や浮遊物はナイ。 空母が撃沈されたのだ、それなりに浮遊物があるはずだ。 おかしい、とは思ったが、「キールへ帰還する。」 と命令して帰途についたUボートであった。 
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