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空中勤務員の話
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山口少尉は陸軍の明野飛行隊で偵察機の空中勤務員であった。 (以降、空中勤務員を操縦士と書き換えます。) 突然、満州視察を命ぜられた。 理由は、満州国に陸軍飛行隊を運用できるかの視察とのことだった。 先の満州国入植者惨殺事件関係だ、と納得の山口少尉であった。 大連港まで客船で優雅な船旅だった。 そして、港で、満州国役人と落ち合った。 彼は、満州国の公安の張 英明と名乗った。 「よろしく。」 「え、え、案内はおまかせを。」 なんと日本語で張は返答してくれた。 それなりに、会話は出来るようだ。 「まずは、奉天で段取りでも。」 と張に案内で、汽車に乗り奉天までである。 奉天のヤマトホテルに一泊した。 張は、「あなたの案内ですから、こんな一流ホテルに泊まれますよ。」とご満悦であった。 まさに、東京の帝国ホテル並の格式あるホテルだった。 部屋で段取りをつける、「あなたは、馬に乗れますか。」と張が聞いた。 山口は農家の生まれで馬なら乗れないことは無かった。 「それは、上場です、馬でないと予定地まで無理ですから。」 「え、道路もないのですか。」 「奉天やハルピンなどの都市は道路が整備されていますが、あとは・・・」 「まあ、飛行場をつくれる土地は掃くほどありますから。」 山口は張が、日本語がうますぎるので、聞いてみた。 「あなたは、日本生まれですか。」 「え、え、清国が滅んだとき家族で日本に逃げてきたのです。」 「ですから、日本語はペラペラで、こんな仕事をしてるんですよ。」 これは、うっかり冗談もいえないな、と思う山口だった。 奉天から新京まで汽車に乗る。 新京から吉林までは、馬で移動した。 水平線が見える。 草原しかない。 山や河がない。 やがて、お目当ての土地に着いた。 見渡す限りの草原だ。 起伏もすくなく、車輪が頑丈ならそのまま着陸できそうだ。 それに、見渡す限り、遮る物が無い。 馬賊が襲撃してきても目視で発見できそうだ。 「どうです、ここが予定地ですが。」張はいう。 「悪くないですね、燃料タンクや整備工場と宿舎があれば開設できそうですね。」 「では、ここで進めてもいいですか。」 「そうですね、食糧などの輸送は。」 「それは、荷馬車を満州政府は開設する予定です。」 「では、そう日本政府や軍に報告しておきます。」 ソ連への緩衝地帯として日本が作った満州国だが、来るべきソ連との開戦の用意は必要である。 ソ連が進攻してきてから軍隊を作っていては遅いからだ。 ソ連の進攻を防ぐためにも陸軍飛行隊の開設は意味があると山口は思った。 まさか、自分が・・・・・
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