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無線が通じない。
どうする、どうする。
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そうだ、無線だ。 ワンはマイクを取る。 (まだ、ヘッドセットは無い、イヤフォンは飛行帽についている。) 「こちら、1番機のワンだ、飛竜隊どうぞ。」 「・・・・・」 「こちら・・・」 くそっ遠すぎてダメだ。 仕方がない、馬賊を低空飛行で、蹴散らすか。 ワンは高度を下げた。 あれ、フラップは? ワンはあせってフラップ操作を忘れた。 自動フラップなんて、まだ無い。 高度が下がり、エンジンを絞る。 高度100メートルくらいだ。 速度は80キロくらいか。 まだ、速い、さらにエンジンを絞る。 「パラ、パラ、ストン。」 あれ、どうしたんだ。 エンストだ。 うわ、落ちる。 速度が落ちたから失速してしまう。 あわてる、ワンだ。 もう、必死だ。 下を見る余裕もない。 さいわいに、車輪は引き込みではないから、そのまま、着陸できるのだ。 しかし、前を見ろ! 「あわわわわわわわっ。」 ワンは叫ぶ。 そのまま、旧97式戦闘機は隠れていた馬賊2騎の上に落ちた。 まあ、馬2頭が緩衝材になり、ワンは無事だった。 そして、馬賊は97式の車輪に頭を打たれて、旅立っていった。(まだ、ヒトを襲う前だが、死刑は執行された。) でかい、物音がして飛行機が落ちたので馬車が駆けつけた。 御者に機体から助け出されて、ワンは・・・・だ。 馬車は奉天までの乗り合い馬車で、数人が乗っていたが馬賊が倒されたので、ワンは一躍英雄だ。 機銃が故障で使えないから、自ら機体で、馬賊を倒したと祭り上げられてしまったのだ。 まだ、発足したばかりの飛竜隊の初手柄である。 まさか、本当は弾無しなんて言えないワンだった。 そうして、ワンの墜落した97式は馬車に乗せられて飛竜隊まで帰ってきた。 胴体は、まあまあだ。 足もなんともない。 尾翼や水平尾翼は使えそうだ。 しかし、主翼が曲がってしまっていた。 それで、主翼、交換となる。 曲がった主翼を治しては使えない。 金属が見えないところで破断しているかもしれない。 また、曲がった金属を戻すと見えない亀裂が入り、強度が維持できないのだ。 まあ、交換した古い主翼は、電気溶鉱炉で、溶かしてアルミ合金にして使うのだが。 そう、ナベやヤカンになるのだ。 そして、大切な機体を墜落させたワンには罰ゲームが待っていた。 飛行場の端に建っている鉄柱に登り、ガンバリの訓練だ。 それが、一番効くのだ。 体罰で、怪我をさせてはならない。 根性を鍛えなおすのが一番である。 キリン将軍が下からワンを見上げる。 「どうだ、ちったあ反省したか?」 「将軍様、助けてください。」 「まだ、足りんようだ、あと30分追加だ。」 しまった、将軍様は禁句だった。 キリン将軍は隊長と呼ばないと機嫌がわるくなるのだ。 もう少し考えて、しゃべろうと反省するワンであった。
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