満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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ビーコンを作動させる。

無線機の使い道。

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 北満隊の戦車長は、はるか奉天にある日本軍討伐隊への視察に参加したことがあった。 まあ、数年前の話だ。 まだ、飛行機が満州ではめずらしかったからだ。 そこで、飛行機について話を操縦士から聞いたのだ。 もちろん、満州語で。 討伐隊の日本陸軍の空中勤務員(陸軍の呼び名)は、カタコトだが満州語ができた。 そこで、身振りを交えて飛行機について聞いてのだ。 「墜落したら、どうすんの?」 まあ、落ちる危険はあるのだ。 すると、空中勤務員は、「エンジンが故障で止まると、すぐに落ちるわけではない。」 「つまり、速度が遅いと墜落するが、ある程度の速度があれば翼で降りることができる。」 つまり、グライダーの原理だ。 すると、戦車長は、いじわるい質問だ。 「そこが、敵地や不毛の地なら。」 すると、「飛行機には無線機があるから、それで連絡するのだ。」 さらに、意地悪い質問だ。「届かないときは?」 すると、空中勤務員は、「電波を出すビーコンを使う。」 「そのビーコンの電波で仲間が来てくれるのだ。」 ほう、そんな物があるのかとその時おもった。 「無線機の仕様書は。」 「待ってください、あ、あ、これですか。」 「うむ。」 そしてページの最後を見る。 そこには、緊急装置について、の説明だ。 そして、車長いは、無線機のフタを開ける。 そして、説明書のとうりに配線をつなぎ直した。 そして、フタを閉めてスイッチを入れる。 なんか、無線機に赤いランプが点いたり、消えたりだ。 まあ、たぶんビーコンを出してくれているだろう。 「燃料は?」 「そうですね、移動してませんから、あと3時間は。」 「そうか、3時間は生きてられるな。」 そうなのだ、戦車の燃料が切れればヒーターが止まる。 ヒーターが止まれば、寒くなる。 そして、外気温はマイナス30度に近い。 吹雪は止んだが、凍死する可能性があるのだ。 戦車は鉄のカタマリだ。 断熱材なぞない。 トヨスT34装甲もセラミックだ。 つまり陶器だ。 とても、断熱にはならないのだ。 「そうだ、砲塔のアンテナの氷を取らねば。」 車長は、砲塔から半分でて、拳銃のお尻で氷を落とした。 東方が薄明るい。 夜明けか。 「ふう、寒いより痛いな。」 寒さを通り越して痛いのだ。 それにしても腹が減った。 なんせ、昨晩からお茶だけだ。 声に出したいが、がまんだ。 言えば余計に欲しくなる。 皆、黙っている。 しゃべる気力がなくなってきたのだ。 車長が、「無線機はビーコンを出してるはずだ。」 「やがて、助けはくる。」 というしかない。 「非常食を、う、う、誰が・・・」 「言うな、いまさら・・・」 北満隊の戦車の非常食は、どの戦車の箱もカラだ。 1個減り、2個減り、そして全部が減ったのだ。 全員が知ってるが、知らないことになっている事実だ。 おやつ代わりに食いました、では通らんからだ。 今度からは食わないでおこう、と4人は本心から思った。
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