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討伐隊本部。
変なビーコンが・・・
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ここは、満州国の日本陸軍派遣、討伐隊だ。 その無線室だ。 「ん、ん、先ほどから変なビーコンが入ってるんだが。」 とイヤホンを外部スピーカーへ切り替える。 「ガー、ガー、ピコン、ガー、ピコン。」 ガーは雑音だ。 「いま、飛んでる機は無いはずだが、それに行方不明機も無いが。」 「うむ、これは、ひよっとして。」 無線係りの1人がアンテナの方向を替える。 モーターで指向性アンテナの向きを替えるのだ。 「信号が弱くなるが、北へ向けると強くなる。」 「まちがいない、これは、我が軍の無線機の非常ビーコンだ。」 「遭難しただれかが、無線機を操作してるに違いない。」 「でも、我が軍ではないが。」 「おそらく、満州軍だろう、無線機の講習で教えたことがあるのだ。」 「では、救助要請ではないか。」 「うむ、本郷隊長にだ。」 隊長は、「では、ホンダ飛曹、とりあえず、見てきてくれ。」 「了解です。」 「うむ、なお非常装備も落下傘で必要なら落としてやれ。」 「わかしました。」 この時期、満州も冬だ。 解けない寝雪だ。 それで、97式もソリを履いてる。 車輪では、つんのめるからだ。 カンパンや缶ズメ、飲料水なぞ箱にいれて乗せる。 「ホンダ機へ、滑走路はOKだ。」 「了解、では、行くぞ。」 97式寒冷地仕様は問題なく離陸した。 ホンダ飛曹は無線探索装置のスイッチを入れた。 画面に点だ。 それが、点いたり消えたりだ。 つまり、ビーコンの位置が表示されるのだ。 「まさか、ソ連側じゃないだろうな。」 ホンダは機銃の弾を確認する。 ソ連側でも、行かねばならん。 それくらいの覚悟はあるホンダ飛曹だ。 ・・・ここは、行方不明の当人の戦車だ。 「おい、エンジンが・・・」 「なんか、止まりそうだが。」 「燃料は、ゼロを切ってるからな。」 「まあ、よくもったほうだ。」 もう、日が昇って8時すぎだ。 「まだ、捜索隊は・・・」 車長は、砲塔から顔を出した。 空気が痛いほど冷たいが、まだ生きている。 砲手や装填手は腹が減って動けないようだ。 なんせ、昨日は残っていた酒を飲んで終わりだからだ。 もう、飲み水も無くなった。 雪を溶かせば飲めるが、腹を下しそうだ。 せめて、軍人なら軍人らしく戦って死にたかった。 そう心から思う車長だった。 燃料の尽きた戦車は、なんとも出来ない、鉄のカタマリだ。 食えない砲弾だけはあるが・・・ ん、ん、なか聞える。 「おい、なんか聞えないか。」 「え、なんも。」 「まて、静かに。」 「あれは、エンジンの音だ。」 「おい、エンジンの音だ。」 「でも、戦車とは違うような。」 「まさか、敵のソ連か。」 「まて、いや、飛行機だ。」 空に1機の飛行機だ。 こちらに、まっすぐに向かってくる。 相手には場所がわかってるんだ。 「そうだ、ビーコンだ、ビーコンで来てくれたんだ。」 それは、翼に日の丸が描かれた航空機だった。
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