満州国、戦車開発会社

ゆみすけ

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装甲か、はたまた砲撃かっ!

対ソ連軍の戦車の考察。

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 「ふうむ。」と、悩む矢田主任だ。
場所は、レイの奉天女学校の宿舎では無い。
 戦車開発会社に隣接している娯楽棟の喫茶部だ。
以前、矢田主任がメイドのニャンニャンからの助言でアイデアが閃いたことで、喫茶部が注目を浴びて・・・
 内地では、兵器工場に隣接して喫茶部がある娯楽棟が建設されるようになったのだ。
それで、満州から可憐で清楚なメイドを高給でスカウトして雇用しているとか・・・
 つまり、ニャンニャンの2番煎じというわけである。
「コトリ。」と、カップを受け皿へ置く矢田主任だ。
 そこへ、藤川軍曹が・・・
「おや、主任もいらしてたのですか。」と、軍曹が挨拶だ。
 「え、え、なかなか浮かばないもので。」と、返事を返す主任だ。(アイデアが出ない。)
「ところで、戦車の調子は?」と、主任が聞いた。
 「悪く無いですよ。」と、軍曹だ。
悪くないということは、良くも無いということかな・・・
 「どうしたんです?」と、不審に思う主任だ。
「じつは、露スケの砲撃には耐えるんですが、こちらの主砲では・・・」と、言いにくそうだ。
 「抜けないと。」と、ズバリという主任だ。
「あまり、言いたくないんですが・・・」と、軍曹がこぼす。
 「内地では、海軍から駆逐艦の連装砲を分けてもらっているらしいですよ。」と、主任が暴露した。
「え、え、え、え、え、えっ・・・」
 「まさか、88ミリ連装砲のですか?」
「その、まさかですよ。」と、主任だ。
 88ミリ連装砲は駆逐艦の副砲に使ってた3連装の88ミリ対空砲のことだ。
3連を分けて、内地の戦車の主砲として使ってるらしいのだ。
 ソ連軍が45ミリだ、ところが内地の戦車は88ミリだ。
おそらく、現行戦車では最大口径の主砲だろう・・・
 「まさか、海軍がくれるとは・・・」と、悔しがる軍曹だ。
「じつは、空母対決で陸軍の装甲を海軍へ・・・」
 と、原因を明かす矢田主任だ。
「なんと、そんなことが・・・」
 「なら、装甲を考案したのはオレ達だ。」
「少しは、88ミリを分けてもらっても文句は無いだろう。」と、結論付ける軍曹である。
 「じつは、奉天派遣軍工廠でも内地へ要望を出してるんですが・・・」
「本当ですか?」
 「良い返事が、まだなんです。」と、明かす矢田主任だ。
「くそぅ・・・内地の野郎・・・」と、悔しがる軍曹だ。
 
 海軍の駆逐艦の3連装高射砲は、海軍の傑作といってもイイ物だったのだ。
太平洋の米軍(当時、日本は米国とは開戦していない。)との演習で米軍から、ぜひ欲しいと要望されるくらいだったのだ。
 1分間に12発、それも高度1万5千までカバーする能力がある。
そして、弾道の直進性がバツグンなのだ。
 まるで、線を描いたように直進する砲弾なのだ。
原形はドイツ帝国のグルップ重工なのだが・・・内地の技師が魔改造したらしい。
 日本人は現行の兵器を魔改造するのが十八番(オハコ)なのだ。
さらに、小型化して安価にして、性能を上げるのだ。
 ドイツ帝国のグルップ重工の野砲が・・・駆逐艦の対空砲へ・・・ドイツ人技師いわく、想像もできないそうだ。
なんせ、原型をとどめていないのだから。
 それで、グルップ重工の技師も・・・まさか、自分の会社の野砲が・・・夢にもおもっていないようだ。
輸出してもらった米海軍も、日本の独自のモノだと認識していたのだ。
 まあ、グルップ重工からパテントを買って魔改造したから・・・正規の手続きなんだが・・・
もちろん、魔改造したことは内緒だ。
 海軍は駆逐艦へ3連装の対空砲を装備したんだが・・・新たにスイスのエンリコ社から購入した30ミリ機関砲が対空性能がイイから、交換することになり、余った3連装をどうするか・・・つまり、海軍としては渡りに舟だったのだ。
 砲弾より、30ミリ機関砲の弾薬が安価ということもあるのだ。
88ミリ砲弾は当時、1発30円だ。(高高度へ上がれる砲弾だ。)
 ところが、30ミリ機関砲の弾薬は30円で1000発も・・・これでは勝負にならないね。
貨幣価値は現在ではなく、当時だからね。(零戦、1機500円のころだ。)
 内地の九七式中戦車は防人戦車として、500両ほど配備されていた。(北海道に300両、対馬に200両だ。)
駆逐艦は72隻あったから・・・1隻あたり、9本あるのだ。(副砲は3連装が2門)
 つまり、148本は満州へ分けることができるはずだ。
そして、あきつ丸で100本の88ミリ砲身が運ばれてきたのである。
 問題は、八九式の砲塔に88ミリ砲身が入んないことだった。
「どうすんだ?」
 「そうだな、新型しか無いだろう。」
「そんな、予算は無いぞ。」
 「金鉱でも掘り当てればなんだが・・・」
「そうだ、米国がニャンニャン装甲を欲しがってただろう。」
 「でも、軍事機密だぞ。」
「でも、相手は米国だぞ。」「露スケやシナ・朝鮮ではないぞ。」 
 「まあ、そうだな。」
「すくなくとも、露スケよりは信用しても・・・」「うむ。」
 「なら、完成品としてなら。」「製造技術は絶対にダメだ。」
こうして、日米の空母は飛行甲板がニャンニャン装甲へ・・・
 満州戦車開発は潤沢な兵器開発予算が・・・
「八九式の次だから、九〇式だな。」(自衛隊の90式戦車では無いぞ。)
 次回は九〇式戦車の開発秘史、乞うご期待!


 
 
 
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