日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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無線機は必要だろう。

1両しか無いが、無線機。

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 「で、無線機はどうすんだ。」 と何気に技師の一人がいう。
 あっ、言ってしまった。 無線機は、かなり大きいのだ。 
受信機と送信機と2台必要なんだ。 
「いや、この車内には、入らないぞ。」 
「だいいち、電源は。」 「そうだ、真空管だから、6Vでは。」 
まだ、電池で使える真空管は無い。 
「エンジンのバッテリーは6Vだぞ。」当時は6Vだった。 
「ううむ、しかし、通信手段は必要だろう。」 
「まあ、今後の課題だな。」 と先送りの意見が・・ そう、日本人の悪い癖だ。 
先送りというヤツだ。 
「オレに考えがあるんだ。」 「どんな?」 
「真空管のヒーターを6Vで使えるようにするんだ。」 
真空管はガラスの菅に電極を作り、それをニクロム線のヒーターで電熱をかける、すると管内が高温となり電子がガラス管(真空にしてある。)内の電極板を飛んで、電気の電圧やら性質を変える(増幅や検波)ことができるのだ。 つまり、ニクロム線で真空管を温められればいいのだ。 
だから真空管は、とても電力を喰うのだ。 
トランジスタは、このニクロム線のヒーターが無い。 
「オレが出た大学の研究室で、6Vで使える電池真空管なる試作が完成したらしい。」 
「それはいい話だ、ぜひ手に入れてくれ。」 
「まあ、武器ではないから、すぐにでも送ってもらおう。」 
そして、船便で真空管は届いたのだ。 
「やけに小さいな。」 「うむ、いままでは野菜の茄子くらいあったのに、これは小指の半分だな。」 
「なら、無線機は小型になるぞ。」 
「そうだな、送信機と受信機が余裕で戦車内に搭載できるぞ。」・・・ 
こうして、無線機搭載の日本軍戦車が1両、実験的に試練の前線へ送られたのだ。 
もちろん、戦車搭乗員も訓練されたのだ。 
エンジンの仕組みから応急措置まで、教え込まれたのだ。 
無線通話は、前線から前線司令部まで余裕で届いたのだ。 
まあ、満州が平原だからだが・・ 
「こちら、虎1号、司令部へ聞こえるか。」 「こちら、司令部です、感度良好です、どうぞ。」 
そう、戦車は虎1号と呼称したのだ。 
鉄牛との案もあったが、牛より虎が強そうだからである。 
こうして、前線での訓練も数ヶ月に及び、そろそろ・・・ そこに、急報だ。 
「前線の歩哨が交代時にも帰らない。」との通報があったのだ。 
「これは、まさか露スケの国境侵害か!」とソ連兵の越境行為かと、騒然となった。 
「まてっ、戦車を偵察にあたらせろ。」と、前線司令が命令だ。 
「戦車兵は指揮所まで。」と拡声器が吠える。 
「今野曹長、以下3名まいりました。」と呼集に応じる。 
「うむ、早々のことだが、歩哨が帰ってこん。」 
「それで、この地点から、ここまで偵察をだ。」 
「了解です、今野曹長以下、偵察任務に・・」と敬礼だ。 
答礼で返す司令である。 
「あっ、無線を使えよ。」 と助言だ。 
「了解であります。」と戦車まで駆け足の戦車兵3名だった。 
本来、戦車は4名の乗車だったが、砲塔内に無線機を搭載したので3名になったのだ。 
「エンジン始動、暖気15分だ。」と今野が指示する。 
「ガラガラガラガラ。」 とデーゼルエンジンが眼をさました。 
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