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無線機の欠点。
中継所を、誰が守る。
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無線機のも欠点がある。 無線の通話距離が無線機の出力しだいなのだ。 つまり、無線の電波は光と同じ性質がある。 明るい光は遠くに届くし、暗い光は・・・ 「ううむ、これが限界か。」と、絶句する今野少尉だ。 まだ、国境の河まで距離があるのだ。 いままでは、戦車同士の通話だった。 しかし、偵察戦車が基地の無線所と交信していると聞いたのだ。 なら、オレ達も、となる。 見通しの良い満州平原だ。 それなりに、電波は届くのだが。 前線基地の無線機は発電機もあり、戦車で聞くことができる。 しかし、こちらの声が届かない。 基地の無線機は10ワットの出力だそうだ。 それでは、我が戦車のは・・・ 聞かない方がよかったかな・・ 1ワットである。 無線機の電波の力は、機器の最終段の真空管が決める。 最終段のダルマのような真空管だ。 前線基地は番号807型の真空管である。 これは、当時では最新の出力真空管だ。 君の竿より、太くてでかい。 しかし、戦車用の無線機には電力が足りなくて使えない。 なんせ、発電機の能力がショボいのだ。 しかし、デーゼルエンジンで廻すのだが、あまり大きいと、こんどは動力が不足してしまう。 発電機か戦車の走行力かとなってしまうのだ。 戦車の発電機は6V前後の発電である。 なんせ、デーゼルエンジンのヒーター、つまりシリンダー内を温めるニクロム線が6Vがギリだからだ。 あまり、電圧をかけると切れてしまうのだ。 機械は互いのバランスで、能力がきまるのだ。 まあ、帯に短し、たすきに長しかな・・ 「餅は、餅屋だ。」と、今野が無線技士へ聞いた。 「そうですね、中継する無線機を置けばいいですよ。」との助言だ。 しかし、現在の中継器など、夢のまた夢である。 無人の無線機なぞ考えられない時代である。 「誰か、無線技士を。」と、考えたが。 ここは、ソ連との国境紛争の最前線だ。 「とても、幹部に進言できないな。」が、率直な意見だ。 無線技士は、前線では貴重である。 馬で伝令が走るなんて、中世の騎馬隊である。 ここで、蛇足だが。 日本軍は、砲兵隊と着弾観測所を有線電話でつないでいた。 それも、最終の沖縄戦でもだ。 これでは、米軍には勝てないわけである。 よく、あそこまで戦ったものだ。 現在の日本国民では、無理だろう。 我が先祖の軍隊は、マジで世界最強であったのだ。 如何せん、食い物と装備が・・・ 「まてよ、偵察戦車は?」 の疑問だ。 今野は偵察の連中に聞きにいくのだった。 「あ、あ、無線の連絡ですか。」 「それは、アンテナを上げるんですよ。」「あんてな?」「偵察戦車には組み立て式の棒が積んであるんです。」 「うむ。」「まあ、釣り竿の長いヤツですわ。」「うむ。」「それを、かかげて無線を使うんです。」「アンテナで、かなりの距離をかせげますよ。」「ありがとう、そのヤツを見せてくれ。」「いいですよ。」それは、偵察戦車の後ろに括り付けてあった。 組み立て式の棒だ。 伸ばすと、5メートル以上だ。 鯉のぼりと、同じくらいだ。 「戦車の無線機はショボイので、本土の技師からの知恵ですよ。」「まあ、聞こえない時は、あちこち持ってあるくんですが。」 つまり、ケータイの電波が届かない所で、皆さんが使う手である。 あちこちと、振り回すのだ。
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