日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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聞こえるぞ、聞こえるぞ。

色々、工夫はするものだ。

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 「では、無線通信訓練に出発する。」と、隊長が指示だ。 「全員、乗車。」の、掛け声で戦車へ乗り込む。 おっと、靴のドロを落とさねば。 「前進。」と、指示が飛ぶ。 3両で1小隊をつくり、2小隊が前進する。 戦車同士の通信は、せいぜい1キロくらいしか使えなったのだ。 雑音が多いし、アンテナもショボイ。 見渡せる満州平原でも、通話は1キロくらいだ。 まあ、戦車同士は1キロでもいいんだが。 「無線の雑音は、エンジンの電気関係をアースすれば、改善されると聞いたが。」「デーゼルはガソリンと電気関係が違うからな。」「エンジンに、戦車の発電機が付いてるだろ。」「あ、あ。」「それが、雑音を出す。」「他にも、電線からも。」「とても、大変だな。」「しかし、雑音が消えれば通話が楽になるぞ。」「戦車内は五月蠅いから、雑音が入ると聞きずらいからな。」戦車兵は戦車帽をかぶるのだが、それにはマイクと耳にイヤホンが仕込んである。 マイクは首のところに巻いて(手でマイクを持っては戦争なんてできないからだ。)使うのだ。 マイクは感度が悪い、カーボンマイクだが、それでも当時は最新である。 高い音は聞こえない。 まあ、慣れないと、ガラガラとしか聞こえないのだ。 モールス信号も考えたが、戦車内で、トン・ツーなんて無理である。 なんせ、専門の通信員がいれば・・ やはり、電信より、音声であるのだ。 あれも、これも、出来はしないのである。 「無線機は発電機の関係で出力が1ワットくらいです。」と、参加した偵察隊員がいう。 「それで、戦車同士は1キロくらいしか使えないんですよ。」 「それでも、露スケの戦車には隊長以外は無線機は無いらしいですから。」「まだ、我が軍は無線機が付いてるだけマシだな。」と、今野の感想だ。 「それで、アンテナなんだが。」と、今野は竹竿の問題点をあげる。 「アンテナ用の絶縁電線が重いんでしたね。」「そうなんだ、垂れさがってしまうんだ。」「どうしても、ゴムは重いからね。」 陸軍はインドネシアを攻略してから、ゴムが手に入るようになった。 「では、ハシゴ型のアンテナ線では?」「それは、軽いのか。」「ゴムよりは。」「どんなヤツなんだ。」「え、え、アンテナはタイボール型という、左右にアンテナがありますよね。」「あ、あ、そうだな。」「電波の周波数で、長さは決まるのですが、戦車の無線は短波帯ですから2メートルくらいですか。」「それで、電波は波ですから、半分にして、1メートルが上半分です。」「ううむ、なんやら難しい話だな。」「電波は、眼にみえないですからね。」「いまは、ゴムで絶縁したアンテナ線しか、ありませんから、それでヤリましょう。」「そうだな、とりあえず、実験だ。」・・・ そして、竹をつないで、長い竿をつくる。 そして、先にアンテナだ。 長いアンテナ線をつなぐ。 先がシナル。 つまり、重すぎるのだ。 それでも、少しは地上から高い位置である。 「こちら、今野隊、司令部どうぞ。」「・・・・」「ことら、今野隊だ、聞こえるか。」「が、が、キコ、ガ、ル、が。」「おう、少し聞こえるぞ。」「もう少しだ。」「そうだ、タイポールアンテナは指向性があるんですよ。」「アンテナを方向を変えてください。」「おお、そうか。」すこし、方向を変えた。 「聞こえるぞ、こちら、ガ、礼、ガ、部だ。」「おお、だいぶいいぞ。」 そこで、少し角度を変えた。 「こちら、ガ、司令部だ、聞こえるぞ。」「こちら、今野隊だ、こちらも聞こえるぞ。」うれし顔の偵察隊員である。 無線通信で、1歩前進した戦車隊であった。
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