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無線機のテストだ。
訓練がてらのテストである。
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今野は竹竿を用意する。 そこは、満州である。竹林はあるのだ。 3本に切り、金具で繋げるようにしたのだ。 そして、アンテナ線を先に結んだ。 アンテナは長さが2メートルくらいある。 左右にわかれたヤツだ。 アンテナは種類が多々ある。 周波数で形は違うのだ。 この時代は短波帯である。 それでも、最新の技術だった。 短波はアマチュア無線家たちが開拓したのである。 それで、現在もアマチュア無線用の周波数が割り当てられているのだ。 ここは、満州の前線基地から50キロ北方向だ。 つまり、最前線である。 「よし、ここいらならいいだろう。」と、部下に指示して、竹竿の通信実験である。 「やってみないと、わからんからな。」が、口ぐせの今野である。 長さが、2メートルくらいが、3本だ。 つまり、6メートルはあるのだ。 「おお、なかなか長いぞ。」と、上を見上げた。 6メートルといえば、2階建ての軒先の高さだ。 平原なら、かなり見渡せるのだ。 「おい、先にアンテナをつけるぞ。」「おお、これか。」と、長さが1,6メートルのアルミ棒を2本、絶縁した金具につける。 そして、「これは、隊長以外に重いですよ。」と、装填手がいう。 見ると、同軸アンテナ線だ。 「アンテナの先が、タランとお辞儀しますよ。」 「ううむ、言うほど簡単ではないな。」と、感じる今野だ。 「よし、竹竿に同軸アンテナ線を括り付けるんだ。」 と指示する。 紐で、等間隔に結んだのである。 「これでは、時間がかかりすぎるぞ。」と、砲手だ。 今野は腕時計を見た。 すでに、20分ほどかかっている。 「いかん、せめて10分でなら。」・・・ まだ、試行錯誤だ。 これが、戦闘を離れてでも、不意の攻撃があるやもしれぬ、これでは無理である。 「竹竿が一番軽い材料だし、調達もカンタンだ。」と今野だ。「しかし、隊長アンテナ線が重すぎますよ。」と、皆がいうのだ。 竹はしなりやすいのだ。 そう、お辞儀をしてしまうのだ。 「もっと、軽くアンテナやアンテナ線をつくれませんかね。」との結論である。 「そうだな、アンテナのアルミは細いヤツに替えるとして、問題はアンテナ線だな。」「そうですね、銅線は重いですからね。」と砲手だ。 「問題が見つかったから、基地で技師と相談だな。」との結論だった。 今野は、また偵察戦車隊員へ聞きに行くのだった。 「あ、あ、アンテナ線ですか。」と、偵察隊は説明を始めた。 「あれは、普通の銅線ではないんですよ。」 「私も、言うのをわすれていました。」「どんなヤツなんだ。」「え、え、特別に細い銅線を数本束ねたヤツですわ。」「そんなもの、どうしたんだ。」「本土の電気会社の特注ですよ。」 「銅線は細いと切れにくいですからね。」「髪の毛くらいですかね。」「ううむ、今度、訓練に同行してくれ。」「合同訓練ですか、それはやりがいが・・・」 はじめから、そうすればよかったが・・・ 軍隊とは、なかなかうまくいかないものだ。
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