日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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耐熱過給機の完成。

もう、壊れた回転羽が山だよ・・・

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 「くそっ、またダメだ。」「これで、50回目だぞ。」「でも、やらねばならんのだ。」「でないと、露スケには勝てない。」「それは、わかってるんだが・・」「まあ、次の羽車を取り付けろ。」「うむ、少し待ってくれ。」「あ、あ。」「そうだ、釜から、新たに焼いた羽は届いてるかな。」「この箱だな。」「うむ、開けてみようか。」「なんか、いままでと、色が違うような。」「やけに、白いな。」「では、この白いヤツで試してみようか。」 いままでは、灰色だったが、真っ白な、回転羽である。 「粘土を変えて、色々と試してみると、陶工が言っていたが。」「たぶん、粘土は替えたんだな。」 「まあ、金属の型にはめて、抜いて焼くだけだが。」「耐熱は問題ないんだが、脆くて欠けてしまうからな。」「まてよ、混ぜ物をすれば。」「なにをだ?」「つまり、羽の形を維持するための金属粉を混ぜ込んだら。」「ふむ、やってみる価値はありそうだな。」 つまり、グラスファイバーの原理と同じである。 粘土に金属粉を混ぜこむことで、羽(タービン)の回転羽が欠けないように工夫することである。 新聞紙を切り刻んで、ハリボテを作るとき、裏へ布を張り込めば丈夫になるのと同じ工夫である。 さすがに、タービンの回転羽は満州国では、無理な細工だ。 それで、はるばる本土の陶工へ発注しているのだ。 船便で、半月かかって、例の回転羽は届いたのだ。 「いろいろな金属粉で試してみるか。」「そうだな。」技師らはデーセルエンジンの過給機を外して、新たな回転羽を取り付ける、そしてエンジンへ戻す。 「もう、目隠しでも組めそうだな。」「そりゃ、100回は越えたからね。」と、駄弁る技師らである。 「では、エンジンを掛けるぞ。」「あ、あ、こちらはいいぞ。」 そして、グロープラグを温めて、クランクを廻す。 「ダ、ダ、ダ、ダ。。」と、エンジンが廻り始める。 「よし、スロットを上げるぞ。」「うむ。」緊張の瞬間だ。 レバーを倒す。 「ド、ド、ド、ド。」と、過給機が働いて、トルクと回転が上がる。 「さて、保護メガネはいいな。」「あ、あ、いいぞ。」 つまり、過給機が破裂しても、金属片で眼をヤラれない用心である。 もちろん、保護帽(ヘルメット)は当然である。 「うむ、いまのところは、いいようだな。」 過給機は大丈夫のようだ。 「よし、フル・スロットだ。」 つまり、最高回転の3000まで廻すのである。 そして、耐久性を検証するのだ。 30分、40分が過ぎる。 「おい、これは、いけるかも。」「うむ。」 しかし、しかしだ。 やがて、「バリン。」と、過給機が破裂した。 「やはり、ダメだったか・・」「いいや、50分は初めてだぞ、これはいけそうだぞ。」「あ、あ、金属粉を混ぜて正解だな。」「あとは、金属粉の量と、別の金属で試してみよう。」 「だぶん、いけそうだ。」「あ、あ、なんか自信が湧いてきたぞ。」 そうなのだ、少しでの光がさせば、もう少しなのである。 こうして、技師らの試行錯誤は続くのである。
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