日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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前線の下見。

満州の北との差。

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 「しかし、ここは気候が温暖だな。」と、感想の今野だ。 神野軍曹が、「満州の北が、あなた方の戦場でしょう。」「そうだな。」 乾燥した大陸性の気候だ。 汗も乾きやすいのである。 その分、水が・・・「あっ、そうだ。」「なんだ?」「絶対に生水はダメですから。」と神野だ。 「下痢で、水分がなくなり最悪、死んでしまいます。」「内地とは違うな。」「内地、内地、内地。」と、神野は何度も噛みしめる。 しまった、余計な事を・・・「少尉はクニはどこですか?」「あ、あ、飛騨の山奥だよ。」「自分は、東北ですよ。」それにしては、なまりが・・ 「まあ、ズーズー弁には注意してますからね。」 それなりに、軍隊が長いと、なまりなんて無くなるのだ。 軍隊用語に慣れて、なまりも無くなるのだ。 まあ、クニへ帰れば・・・であるが。 2台の装甲車は前線の偵察を続行する。 「しかし、軍曹は目標物もないが、よく地理が把握できるね。」と、感心の少尉だ。 「あ、あ、確かに、禿山しかありませんからね。」 禿山以外は、荒野ばかりだ。 河から離れると人家や緑もなくなるのだ。 道路なんて、無い。 普通のクルマでは、走ることも無理だろう。 装甲車は全輪駆動なのだ。 つまり、4WDである。 そして、タイヤには空気チューブは無い。 銃弾で撃たれてもパンクしないタイヤだ。 それで、乗り心地は悪いのだ。 まあ、馬車よりはマシな程度だ。 車内では、安全帽をかぶっている。 でないと、振動で頭を天井にぶつけるからである。 「そろそろ、ガソリンが帰りの分を考えると。」「君が指揮官だ、任せるよ。」「ハイ。」 今野少尉に言われて、神野軍曹が他の車両に、信号を送る。 信号といっても旗である。 帰還するの合図の旗だ。 「やはり、無線は必要だな。」と、思う今野だ。 ここの、装甲車部隊より、戦車隊は優遇されていると思う、今野だ。 戦車には無線があるからだ。 しかし、装甲車には戦車用の無線は無理だ。 以前より小型といっても、それなりの箱だからだ。 しかし、車両同士に限れば、さらに小型の無線なら積めるんではとも思うのだ。 今度、知り合いの技師へ進言だな、と思う今野である。 こうして、今野少尉の下見は終わったのである。 現場を知らずに、戦闘はできない。 下見は大切である。 雰囲気だけでも知ることが大切なのである。 前線の偵察で、満州北部との差を実感した少尉であった。 こうして、装甲車部隊での一日が終わるのであった。 そして、装甲車の整備である。 空気清浄器の掃除から始まる。 砂ホコリを落として、エンジン回りのホコリも掃除だ。 この時代のエンジンはオイル漏れが常である。 特に、日本製は酷かった。 その漏れたオイルに砂ホコリが混ざり、酷い汚れである。 毎回、ブラシで落としても、落としても、付着するのだ。 もちろん、これは乗務員である神野軍曹や枝野二等兵の仕事である。 そして、今野も参加である。 学校での掃除と同じである。 自ら汚したモノは自らが掃除をするのだ。 そこに、階級の差なぞ無いのだ。 そして、そのことが軍隊の一体感を産んでいるのである。 それに、整備員は掃除婦ではないのだ。 彼らは、整備が仕事であり、整備して汚れた油は整備員が掃除するのだ。 階級は関係ないのである。 
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