日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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戦車用のトレーラー。

なるほどの改造である。

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 トラックの助手から上野技官が降りてきた。 「やあ、早速にも運んでいただいて。」と、今野が挨拶だ。 「使い勝手が知りたいですから。」と、上野だ。 「しかし、1台のトラックで戦車をよく運べましたね。」と、驚く今野少尉だ。 1両の故障した戦車は、2両の戦車でないと牽引なぞできないからだ。 「あ、あ、これですか。」「やっつけ仕事ですが、荷台は貨車ですよ。」と、上野が説明する。 よく見ると、確かに荷台は無蓋貨車のようである。 無蓋車とは平たい貨車だ。 「車輪をタイヤに替えただけですわ。」と、笑う上野技官だ。 「まあ、ダブルのタイヤで、全部で16輪でささえてますがね。」ともいうのだ。 「それで、荷台を外したトラックに取り付けたんですよ。」と、説明する。 「ブレーキは、どうしたんですか。」と、今野だ。 「さすが機甲部隊ですな、いい質問です、そこが苦労しましたよ。」と、説明を続ける上野だ。 「クルマは前輪で止まるんですが、後ろがブレーキバランスが悪いと荷台がクの字になってしまいます。」「・・・」「それで、荷台のブレーキを飛行機の車輪のブレーキからのアイデアで作ったんですよ。」と、構造を教える上野技官だ。 運転席でブレーキを踏むと、前ブレーキは普通のヤツですが。」「え、え。」「後ろの荷台は8輪のタイヤへ駆けるブレーキが回数を分けてかかるようにしたんですよ。」と、説明する。(残りの前8輪は重量のささえだ。) イマイチわからない今野である。 飛行機のことは詳しくないからだ。 「着陸するときに、ブレーキを踏むとき、トントンと数に分けて踏むと機体がまっすぐ進むそうです。」 今でいう、ABSのことである。 アンチ・ロックブレーキは飛行機からの技術だ。 戦車を運ぶトレーラーも、カンタンではないようである。 「それに、普通のトラックとは運転が全く違いますからな。」「それで、専門に運転を訓練しましたよ。」と、説明する。 なんでも、後退するときや、車庫入れが大変らしい。 いままでと、ハンドル操作が違うらしいのだ。 やがて、技師や整備隊員らにより、満州型は荷台から降ろされた。 慣れないから時間がかかったのだ。 さっそく、軽油を燃料タンクへ入れて、試運転である。 気が付くと、隊の全員が集まっていた。 やはり、新型となると興味が湧くのだ。 「エンジンのクランクは?」と、隊員が戦車の後部を覗く。 「穴がないが・・」「あっ、エンジンはクランクは使いません。」と、上野技官だ。 「エンジン始動用の小型エンジンを駆けるんです。」と、車内に入る。 やがて、小さなエンジン音がして、クランクが廻りだした。 「ブロロロンンン。」と、デーゼルエンジン音が響いた。 「ガラ、ガラ、ガラ、ガラ。」と、暖気運転である。 「エンジンは15000ccですから、暖気は15分はしてください。」「ほう、すごいエンジンだな。」と、隊員らである。 「なんせ、いままでの戦車3両分のエンジンですからね。」と、上野技官である。 「露スケのエンジンより馬力はありますから。」とも加える。 「速度は荒れ地で30キロは出ますよ。」「整地した道路なら40キロですか。」「そこは、同じなんだな。」と、今野だ。 「いえ、巡行速度ですよ。」と、上野だ。 「なに、40キロが巡行なのか。」と、驚く隊員らであった。
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